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衆院選で感じた限界。〜私たちの取り組みと課題〜

衆院選に向けて、投票率アップや政治家の取材などたくさんのことをした。「そろそろ限界だなぁ。」そう感じた。

これはSOSです。

ただ、私の今の環境を知っていただくためにも、この業界の現状を残しておくためにも、自分の魂を成仏させるためにも、書きます。

主権者教育の会社を作った理由

私は、日本で唯一、主権者教育を全国でおこなう株式会社を経営しています。

2016年、18歳選挙権が導入された時に、「面白い教材をつくる!」「シルバー民主主義をかえる」「数年先の話ではなく、何十何先の話、持続可能な社会を話したい」と考えて、起業しました。

当時は芸人としての活動がメインだったので、その時お世話になっていた伊集院光さんにご相談した時にこんなアドバイスをいただいた。

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「科学教材なんて昔は儲かるとおもわなかったけど、でんじろう先生がでて、ガラッと変わった。政治でもパイオニアになれるんじゃないか。」

NPOはいくつかあったけど、お金の匂いがしない。持続可能にするためにも、株式会社にしました。

そして私は、「笑える!政治教育ショー」として、楽しいショーとして全国の学校や休日にはショッピングモールなどでできることに期待をこめ、はじめました。

笑いで世直しを理念に、笑下村塾という名前にしました。

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私の会社が頑張り、この業界が儲かるという噂がながれ、新規参入者を増やし、市場としても大きくしたいと考えていました。

結果、クラウドファンディングに頼るなど、寄付にたくさん頼ったり、私のメディア出演や講演会、SDGsの企業研修などのお金をまわし、学校は赤字でもいったりして、なんとか続けてきました。中小企業として、こんなお金がないジャンルの割に頑張ってはいると思うけど、次のステージや当初の目標には届いていません。

クリーンなお金でなければならない理由

私は、主権者教育のことを大学院でも研究しました。活動をはじめ、6年ほどたちましたが、結果、同じ世代でやっていた団体も主権者教育から撤退したりしていきました。

後輩の新規参入もあり、心強いですが、政治家からお金をもらうというビジネスモデル以外でうまくいっているところはありません。私の経験上、広告代理店はなかなかクライアントを否定することはできません。

だから、私は、ジャーナリストであり与党も野党も評価も批判もしたいと考えています。ですが、これをやり始めた途端、色があるメディアとの距離は当然うまれ、心ある数少ない仲間と活動しているという次第です。それはジャーナリストとして当然のことだから、それでメディア露出が減っても、仕方ないと考えています。

私の会社は、主権者教育で、1回の授業で84%まであげたこともあり、効果は感じています。授業の内容は書籍化しています。先生方ご自由につかっていただいて大丈夫です。

●政治の絵本

https://www.amazon.co.jp/dp/4335460406/

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だからこそ、この知見を学校の先生方や、総務省や文科省などにもっとお伝えしたりもしたいと思っています。

ですが、授業だけでは足りない。学校で、「政治に興味をもちましたが、何のメディアをみればいいですか?」ときかれ、質問に答えられないことが度々ありました。だから、若い人にわかりやすく政治や社会問題を伝えるメディアが必要だと考えました。

そこで、色がないお金を使えるところは、どこだか考えたところ、NHKではないか(政党や企業ではなく、視聴者からお金をもらうから)とおもいNHKに、主権者教育、副業を認めてもらったことで入るわけです。

NHKでは、できない訳ではありませんが、セクション毎の担当があるので、政治報道は政治部が中心にやるので、私は社会番組部の報道局のディレクターだったので、政治家取材などはあまりできませんでした。投票率アップの取材などは頑張って先輩とやりました。結果、2年毎に副業の更新が必要で、副業がNGになり、やめることにしました。

それから、私は、会社で主権者教育をやりながらも、時事YouTuberになりました。NHKを辞めてからは、教育現場はもちろんのこと、政治家の方にどんどん取材をしました。

そして、今回は党首にもたくさん取材することができました。
https://youtu.be/fK-Is09y0QQ

批判ばかりの政治報道にしない

政治報道は減点報道になりがち。若者政策をやった政治家を評価するべきでは。と考え、日本若者協議会の室橋さんに取材し、官僚のインタビューなども踏まえ、6人の実績をあげた若手議員にインタビューし、それができた背景や、その政党の若者政策の課題や、若者の不満の声などをぶつけました。このシリーズをみていただくと、与党でも野党でもできることがあることがわかると思います。

https://youtu.be/NNY783Q6zVc

7月まで入院しており、その後は通常の仕事をかなり減らし、選挙報道に突入。3ヶ月、睡眠時間を削り、政治漬けの日々でした。

1ヶ月で10人ほどの政治家に取材しました。過去の本や国会での質問、官僚などの取材、支持者の声、過去の報道資料などもみた上で、取材するように心がけていましたから、これはめちゃくちゃ大変でした。

それぞれの政党の特徴、いいところ、悪いところ、全部でるように考え取材しました。

withnewsとコラボし、Yahoo!ニュースでおかげさまで何度もトップニュースになりました。何かの不祥事とかではなく、その政党の考えとか根本的なことがわかる記事をたくさんの方に読んでいただけ感動しました。

https://www.shoukasonjuku.com/senkyo2021

後半人数がたりなくなり、大学生の子にはいってもらったり、副業で社会人の人にかなりご協力いただきました。

「1分でわかる政党の選び方」、1枚の図を作るのにだって、数十時間かかります。先頭を何にもってくるのか、それぞれの政党の言い分と大きくずれないか、どちらかによっていないか、議論しながら作ります。

産経新聞から朝日新聞までみて、ボートマッチも全部みて、どのサイトが何を機軸においているのか、できるかぎり中立にするためにはどうすべきか考えました。

それでも編集の手がはいったり、わかりやすく伝えるためにどこが重要なのか判断することは、主観が入るので、主観であることを発信にはそえるようにしました。

丁寧にしても、お金にならない。
だからといって、手をぬきたくない。

メディアの課題

かなり知見もたまってきたのに、メディア露出は以前よりは減ったと思います。それは残念です。大学院生の頃の方が取材はあったと思います。メディアは現役大学生をうまく使う。その人たちが大人になっても、その団体のお金まわりがきつくても知らんぷり。その繰り返しをこれ以上続けないでほしいなと思います。自分の団体をとりあげてほしいというのではなく、この業界が大きくならないことにメディアが加担していると思うんです。

主権者教育の知見がたまったとことで、団体が解散したり、ほぼ活動休止。そんな状況をたくさん見てきました。取材対象者の将来のことももっと考えてほしいなぁと思いながら、見ています。立候補する人も多く、私にも立候補をすすめる方がたくさんいますが、私は政治家になることは全く考えていません。主権者教育を続ける団体、それでビジネスモデルを作るなり、お金を回せるようにすることの方が遥かに大事だと考えています。

現場をしらない人が主権者教育や若者団体の投票率アップのコメントをしていることに対する違和感もあります。もう少し、実態にそくしたり、主権者教育をよりよくするために報道してほしいです。何年同じ報道をするんですかと問いたい。

問い合わせがあったところには、できる限り、メディアは取材などお力添えしましたが、選挙期間中、明日まで明後日までに放送というところが多かったので、うまく私の経験がいかされたのかは分かりませんが、現場の人の頑張りなくしては、できないので感謝です。

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(NHKからも取材をうけました)

弊社は、選挙期間中はマニフェスト比較などたくさんしていますが、それ以外も出張授業にいき、YouTubeでは動画を出し続けています。

https://www.youtube.com/user/takamatsuch

選挙の間だけではなく、ずっと主権者教育や政治報道をしてほしいです。

まぁ、それができていたら、私のYouTubeチャンネルも、私の会社も必要がないのかもしれないので、私はそれを使命にして頑張るしかないのかもしれませんが…。

やればやるほど、「@@という報道がないのはなぜだ」というクレームや、自民党をとりあげたら、「自民党のプロパガンダだ」、共産党をとりあげたら「共産党から金もらっているだろう」と相変わらず、左右どちらからも叩かれます。

そういう両方から叩かれる人だったり、いうべきことをきちんという人だったり、現場を知っている人がメディアに出ていない。これは問題だと思いました。

現役大学生にカメラをむけることは大事です。私もそうでしたが、若者の代表だというのもプレッシャーなんです。なぜなら多様な若者がいるからです。一人の子を代表にしたてあげるのもよくないです。

「選挙に行かなくてもいい」「若者は人口が少ないから選挙にいっても無駄」そんなことをいう人も増え、それに対し、報道も全く対抗できていないと思うので、ツイートしました。

https://twitter.com/nanatakamatsu/status/1456532138887565315

みんなが政治に無関心になる。
そんな社会にならないために、できることを続けます。

政治家と共演経験があるということで、先日はSDGsの番組が出演NGになったり、私のドキュメンタリー番組がスポンサーが政治ジャンルはNGだといったり、なかなか残念すぎる状況ではありますが、教育現場で伝えること、政治の話をタブーにしないため、これからも与野党どちらの政治家にも現場の声を伝えることなどをしていきたいと思います。

ただ、それでも、粘り強く一緒にやってくれるメディアもあるので一緒に頑張ります。

左右両方から叩かれながらも、めげません。

ですが、限界も見えたので、よろしければ、寄付をしていただけると嬉しいです。

https://www.takamatsunana.com/support

会社をつくって6年もたち寄付をお願いするのが申し訳ないですが、今の立場でやるために一番クリーンなお金でやるのには、視聴者の方からお金をいただく仕組みがいいと考えています。

ですが、党首の取材などは、有料会員の人とかだけではなく、無料で誰でもアクセスできる場においておきたいという思いがあります。いじめ、虐待などのワードはYouTubeで広告収益がつかないことがおおいです。

寄付も集まりにくい分野です。

どうかご支援いただけますと嬉しいです。
https://www.takamatsunana.com/support

なぜ、私が政治で、自由に発言をしているのか。
与党にも野党にも、いうべきことをいえるのか。
それは政治家からお金をもらうビジネスモデルでないからです。

これからも自由で発言するために、どうかお力添えください。

基本的にすべての記事は無料でご覧いただけます。もし有益だと思っていただけたらサポートいただけますと幸いです。「笑いで世直し」するための活動費(イベント代、取材費等)として大切に使わせていただきます。