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芦原 妃名子さん追悼 「セクシー田中さん」考察


漫画家の芦原 妃名子さんがお亡くなりになられたことが

波紋を呼んでいます。


原作のテレビドラマ化にあたり、テレビ局や脚本家との

コミュニケーションに齟齬があった、という点については、

私は専門ではないので、ここでの発言は控えます。



ただ、脚本家さん個人に対する

誹謗中傷はすぐにやめるべきです。



芦原 妃名子さんの悲劇的な死により、

自身の被害者意識や

内に秘めた怒りを刺激された方々が

感情的になって

物事を公正に見る能力を失い、

加害者になっていくのを見るのは悲しいです。



私は普段、漫画を読まないんですが、

今回のニュースで、内容を知りたくなり、

オンラインで漫画を数話ですが、読んでみました。



あらすじ

派遣OLの朱里(23歳)は、

“堅実”で普通の結婚をするために婚活中。

高望みはしない、不幸にならなければよい。

そんなリスクヘッジの日々を過ごす彼女には、

実は気になる存在が…。地味で独身アラフォー女、

“経理部のAI”こと田中さん。

ある日、朱里は偶然にも田中さんの“正体”を知ってしまい、

生き方が変わることになる――…?

(2017年より小学館で連載)


この漫画「セクシー田中さん」は、

日本国民の多くが生き辛さを抱えている

現代社会で、特にルッキズムや年齢による差別、

そして男尊女卑の価値観の中で

女性が生きていくことの苦しさを表現している。



私もこの漫画の内容にとても共感するし、

芦原 妃名子さんがこの漫画を通して

訴えたかったことと

似たメッセージを発信している。



それらを要約すると、

「女性の生き辛さ」

「理不尽な社会に対する怒り」


「現代日本で人々が苦しんでいる

理由を明らかにし、理解を拡げたい」

「啓蒙することで改善を促したい」

ということです。



(もちろんラブコメ漫画の形なので、

エンタメ要素が強くなっています)


それは、芦原 妃名子さんだけでなく、

これまでも多くの小説家や作家さんたちが

表現してきたことです。



私のこの発信は、「セクシー田中さん」という漫画で、

亡くなられた作者が表現したかったこと(に近いこと)を

これからも伝え続けていきたい、と強く思ったから。



芦原 妃名子さんのメッセージは、

今、まさに男尊女卑の日本が

男女平等社会へ変わっていく時代に

必要な視点だったと思うからです。


つまり、女性の立場から見た日本社会。


実際に日本の偏った価値観の中で、

女性がどんな目にあって、

どんなふうに傷ついているのか、

ということを、女性だけでなく

社会のみんなで共有されて

いかなくてはならない、と考えます。


私は長く海外で暮らしているからこそ、

外から見た日本社会の

閉塞性や特殊性がわかる、

という面もあると思います。


私は長く海外で暮らしているからこそ、

外から見た日本社会の

閉塞性や特殊性がわかる、

という面もあると思います。




ルッキズムや年齢差別、男女不平等に関しては

日本はかなり世界から遅れをとっているからです。



「セクシー田中さん」で表現されているのは、

日本社会の中で女性として生きることの難しさ。


どれだけ優秀でも、

容姿や年齢で価値を決められてしまうこと。


商品として。



仕事や勉強ができる能力と

女性としての魅力が分裂している。


それらは相反するものではないはずなのに、

なぜか正反対のモノとして見られる。



昼の顔と夜の顔。



知性とモテ。



これまで何度も語られてきたテーマである。



そのテーマは1997年の

東電OL殺人事件の被害者を彷彿とさせる。




なぜ私たちは「セクシー」でなくてはならないのか?





「セクシー」でなくては、女として

価値がないと刷り込まれているからだ。


その刷り込みや洗脳が

摂食障害や整形依存、

各種依存症を生み、

「田中さん」は娼婦のダンスを舞い、

東電OLは売春したのだろう。



彼女たちは、混乱し、追い詰められているのだ。



日本社会で、能力だけでなく、

モテ要素を求められることに

理不尽さを感じているのは、男性も同じである。



ただし、学歴や収入に関しては、

男性に女性より重いプレッシャーがかかっているように、

モテに関しては、女性側により細かく要求されていると思う。




ーーーー次に続くーーーー



今後も「セクシー田中さん」の考察を続けます。

芦原 妃名子さんのご冥福をお祈り申し上げます。



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