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新曲「Songs Save Soul」に込めた想いと、コロナ禍におけるこれからのライブシーンについて

先日6月25日に我々Rose'n'Ciel が参加しているチャリティ・メタル・アルバム「FOREVER/Metal Bless JAPAN」がリリースされた。

10年前の2011年3月11日に起こってしまった東日本大震災へのチャリティを目的としたこのアルバムに我々Rose'n'Ciel は新曲「Songs Save Soul」を提供している。

何故新曲だったのか?何故この曲だったのか?

理由は明確でこの曲しか考えられなかったからである。

と言うのもこの「Songs Save Soul」は新曲とは言っている物のRose'n'Cielとしては新曲なだけであって、実際は僕がかつて運営していたSSS PLANNINGの名義で10年前の東日本大震災直後に会場限定でリリースした音源のリメイクであって正に「東日本大震災」をテーマとした曲だったからである。

10年の時を越えて改めてこの曲を撮り直したい、あの時とはまた違う気持ちで曲に想いを込めれる筈。

そう思いながら強き想いを持ってこの曲のリアレンジに取りかかった。

-10年前のアレンジには無かったピアノを付け足した-

10年前のアレンジは直上的で、唐突に大切な物を奪われた怒りだったり悲しさだったりがストレートに表現されたアレンジだったのだけども、この10年間で見てきた景色や感情は直上的な物では無く、こう少しずつ緩やかに感情が流れていくイメージがあったのでそれを再現する為には何が必要かと考えた時に頭に聴こえてきたのが緩やかに流れる切ないピアノのメロディだった。

激しいHR/HM的なサウンドの上にピアノを乗せよう。きっと直上的な感情ではなく、流れていく10年間の想い、感情をこのピアノが運んでくれる筈だ。

そして唐突にピアノフレーズを打ち込みだす僕。

最早メンバーがスタジオでレコーディングしている最中に頭に浮かんだピアノを打ち込み始めたのでメンバーはこの想像出来てなかった完成形を聴いてビックリしただろうなぁ。

こんな急な変更を受け入れてくれるメンバーに僕は感謝したい。

そんな唐突な僕のアレンジ変更だったりを、俺のギターがいつまでも撮り終わらなかったり色々苦難はあったのだけども無事にリリースされた事を嬉しく思います。

アルバムに歌詞が収録されていないのでこの場を借りて歌詞を書いておきます。

是非この歌詞を見ながらMETAL Bless JAPANのFOREVERに収録されている「Songs Save Soul」を聴いてください。

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SONGS SAVE SOUL
作詞・作曲 SADiY


SONGS SAVE SOUL 救いたい
SONGS SAVE SOUL その魂を
SONGS SAVE SOUL 僕らが愛したこの街を
「We save the world」
SONGS SAVE SOUL この歌が
SONGS SAVE SOUL 君に届くか
SONGS SAVE SOUL この熱き想いが

あの日僕らが 当たり前に見ていた景色が流されていった
荒野に漂う 乾いた風と哀しい匂いが僕らを包んだ

見つかったよって平気そうに 文字を連ねる顔が見えない
気高い君は今日も笑って 変わらない日々を過ごそうとするんだ

*リピート

打ちあがる炎がとても綺麗で 思い出して涙が流れる
瓦礫に眠る勇者達よ この景色を共に見てるか

愛しい人よ 傍にいて (We are the one )
今頃気がついたからさ (Oh oh oh)
当たり前の日常でいいんだ 強く抱きしめて ぬくもりを感じさせて

*リピート

SONGS SAVE SOUL 愛してた
SONGS SAVE SOUL 愛してたんだ
SONGS SAVE SOUL  10年を越えても変わらない

「We save the world」

SONGS SAVE SOUL 前を向き
SONGS SAVE SOUL 歩き始めた
SONGS SAVE SOUL 僕らは無敵さ

*リピート
We save the world 強く願ってる
We save the world僕らの未来を
We save the worldこの歌よ届け
We save the world君の心に

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歌詞は以上です。

ちょっとだけこの歌詞について語らせて下さい。
1番Aメロにある
「荒野に漂う 乾いた風と哀しい匂いが僕らを包んだ」と言うフレーズ。

これは実体験で震災直後にボランティアの様な物で被災が大分酷かった土地に向かったのだけども、元々あった街は原形もなくて辺りは一面ただの荒野、ひっくり返った家がたまに見えたり、何だったら大きな船までもが陸の上に打ち上げられボロボロの姿になっていた。
海が近い街だからこそ被害が大きかったのだけれどもその時の潮の匂いがとても乾いて哀しかった。

2番Bメロの
「見つかったよって平気そうに 文字を連ねる顔が見えない
気高い君は今日も笑って 変わらない日々を過ごそうとするんだ」

これは震災直後まともに友達と連絡が取れなくなってた頃、数日経つと当時流行っていたmixiでちょっとずつ「無事でした!」とか報告が上がってくる様になって来てちょっとずつ皆が安心する様になって来たんだけども、中に「父がまだ見つかってない」って友人が居て皆で心配していたのだけども、数ヶ月後かな?mixiで「見つかりました」と言う内容で日記が上がってきて、その時辛さを隠して平気そうに淡々と文章を書き連ねる友人がどんな顔で、どんな想いで文章書いていたのか全く想像出来なかった。それでも会えばいつも通りの元気で接してくれる友人の強さは気高かった。

2番Aメロ

「打ちあがる炎がとても綺麗で 思い出して涙が流れる
瓦礫に眠る勇者達よ この景色を共に見てるか」

震災から1か月か2か月位して、塩釜か多賀城の方だったと思うんだけども花火が上がったんだよ。
テレビでも取り上げられててさ、震災直後で暗かった僕らにとってはテレビ越しでもまるで希望の光の様に見えてさ。この景色を亡くなった方々も一緒に観ているのかなと感じたんだ。

ギターソロ明け
「SONGS SAVE SOUL 愛してた
SONGS SAVE SOUL 愛してたんだ
SONGS SAVE SOUL  10年を越えても変わらない」

実はここの歌詞は10年前の物と変えています。

10年前の歌詞は
「SONGS SAVE SOUL 変わらない
SONGS SAVE SOUL 変わりゃしねえと
SONGS SAVE SOUL  心の奥から叫んでる」

だったんですよ。

初めの方に触れた様に震災直後に書いた曲というのもあってやはり感情が先行したと言うか、直上的な歌詞になってしまったなと思ってて。

実際にこの10年間を見るとやっぱり「変わった」んですよ。震災前と後ではやっぱり変わった。

建物も人もなくなったし、それに伴って考え方だって、人間関係も変わっただろうし。

その中で変わらない物って何だろうなって考えた時に出てきた言葉がやっぱり「愛」で。

本当にくさいセリフでひねりも無い単純な言葉なんですが、亡くなった人だったり、思い出だったりはずっとずっと変わらず愛してるよなって思って。

だから歌詞を

愛してた
愛してたんだ
10年を越えても変わらない

に変えました。
2回愛してたと言うのは最初の言葉はまだその発言を落とし込めないだろうな、2回目同じ言葉を言えたらそれは真実の嘘偽りない言葉になるだろうなと思って2回続けました。

最後の歌詞
「We save the world 強く願ってる
We save the world僕らの未来を
We save the worldこの歌よ届け
We save the world君の心に」

これはもう本当に心からの言葉です。

僕らも含めた皆の未来が輝かしい物になる事を願っています。この歌は救いの歌なんです。だから最後の「君の心に」のフレーズは強く君の心に響くようにメンバー5人全員でとりました。
10年前も当時のメンバー全員でとりました。

あれから10年経ち我々は今はコロナウィルスの蔓延により、毎日大変な想いをしています。

東日本大震災の時に近所の人が色々な物資をくれたり、赤ん坊にオムツがなければ見知らぬ人がオムツをあげたり、食べ物だって皆んなで協力してGetしてきたり、沢山の助け合いがあった事を僕は覚えています。

それが今回のコロナウィルスの蔓延は飛沫感染の観点から直接的に助け合う事自体が難しく、特にエンターテイメント業界は本当に辛い想いを過ごしています。

ライブハウスやコンサートでは声を出すことも出来ず、人数も制限、お酒の提供無しだったり、時短営業だったり。

本当にもう皆心も折れてしまいそうになってると思います。

だけど僕は思うんです。10年前の東日本大震災であんなにも皆一丸となってこの10年後の今日と言うものを勝ち取ったじゃないですか。

今回も皆で協力しあって行動すれば明るい10年後が待っていると思うんです。

コロナ禍ライブシーン、とても大変です。
元々活動していたバンドも活動しなくなったりライブハウスも大変です。

でもライブ自体は出来ないわけじゃない。ちゃんと一人一人が気をつけて行動すればクラスターは起こらない。

皆んなが助け合って今のライブシーン支えていきましょうよ。

そして10年後にまた笑い合って音楽が出来て、聴けて、楽しめるように。

---「SONGS SAVE SOUL」---

歌は魂を救うんだよ。

10年後にまだまだ音楽は音を鳴らし続ける。

音は鳴り止まない。

また10年後に素敵な音に出逢えますように。

Rose'n'Ciel リーダー SADiY

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