ラフ族の村への訪問 ① ~手紙~

ラフ族の村への訪問 ① ~手紙~

 半年間に亘るユーラシア大陸横断の第1ヶ国目のタイ。そこはとても魅力的な国でした。それは大都会であるバンコクから、北へ北へとタイの田舎へと向かうほど魅力は増していきました。
 タイの田舎町チェーンライ、そこで私はある日本人と出逢いました。その人の名は三輪さん。チェーンライでボランティアで少数民族のための学校である“さくら学校”を運営。教育を受けられない環境にいる子供たちに学びの場をつくっている方でした。三輪さんの本職はカメラマン。日本での仕事で稼いだお金をタイでのボランティアに充てているのでした。
 

 私はタイで知り合った日本人2人(重本さん、上奈路さん)とともに何度か“さくら学校”を訪れ、三輪さんからいろいろなお話を聞くとともに、学校に通う子供達と一緒に遊んだりしていました。
 そんなある日、三輪さんから魅力的はお誘いを受けました。近々、子供たちの故郷であるラフ族(山岳少数民族)の村を2泊3日で訪問するので一緒に行かないかというのです。
 訪問の目的は芝浦工業大学の建築学科の学生達がラフ族の住居を研究するために村を訪れるので、三輪さんが案内人として頼まれたのだそうです。その一行に我々も連れて行ってくれるというのです。
 

 とっても魅力的な話でありすぐに「お願いします!」と申し出たかったのですが、少し躊躇もありました。それは、単なる観光客である我々が大学生達と一緒に行って迷惑にならないか、ということです。
 でも、ラフ族の村は観光客なども一切立ち入ることのない村であり、何より親しくなった子供たちの村だったのでどうしても行きたくなったのです。
 我々は迷惑をかけないという条件で村へ連れていってもらうことになりました。


【登場人物】

三輪さん タイで“さくら学校”を運営。本職はカメラマン。写真集も出版。

重本さん 27歳。会社をやめてアジアを中心に旅するバックパッカー。バンコクで知り合い一緒にタイを回ることになった。

上奈路さん 23歳。大学を卒業後、就職せずにアジアを旅している女の子。重本さんと同じくタイで出逢い、一緒に3人で旅することに。

芝浦工業大学生 ゼミの活動をしている建築学科の3年生たち。

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