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詩『藤棚』

花も葉も枯れた藤棚は
枝ばかりでやっぱり寂しい。
枝は命がないように見えるから、
見ていると少し恐くなる。
けれどたしかに生きているのだ。
花には死神がつきまとっているから
命が感じられるだけであって
枝にもたしかに命はあるのだ。
死神がほんの少し遠くで
お茶をしているだけであって。

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