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人気寿司ネタ「サーモン」、価格も右肩上がり

BSテレ東の朝の情報番組「日経モーニングプラス」。今朝の「値段の方程式」のコーナーでは人気寿司ネタでもある「サーモン」を取り上げました。
実は回転ずしで一番の人気ネタ「生サーモン」。マルハニチロの今年のアンケート調査で回転ずしで「よく食べているネタ」(複数回答)はサーモン(44%)が8年連続の首位となりました。

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しかも、2位の「マグロ(赤身)」(28%)、3位「マグロ(中トロ)」(25%)に大差をつけ、ぶっちぎりの1位です。人気は男女問わずです。

サケ・マス、サーモンの違いとは

キャスターの天明麻衣子さんが「人気のサーモンは日本語でサケ、同じサケ科のマスは英語でトラウト。区別が難しいですよね」と尋ねました。
確かにサケ・マスと、サーモンの違いは非常に曖昧です。大きく言うなら、
海に下るものをサケ、川や湖といった淡水で暮らすものをマスと呼んでいます。野生のサケは寄生虫アニキサスがつきやすいので生食できません。サーモンというのは寄生虫がつかないよう養殖されたものです。つまり生食用のサケ・マスの総称と言えそうです。

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養殖の生サーモン。日本は8割弱をチリやノルウェーから輸入しています。

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人気拡大を背景に値段は上昇しています。

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大産地であるノルウェーの輸出価格は、5年前まで1キロ250~600円でしたが、2018年には平均830円、900円を超えた時期もあります。10年で2倍以上に上昇しました。メバチマグロやキハダマグロより高い場合もあるほどです。
こんなに高くなったのは理由は2つあります。
①サーモンを扱う回転ずしの店舗数が拡大

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回転寿司大手5社の店舗数の合計です。右肩上がりで増えています。この結果、消費量が増えました。水産庁によると生サーモンの国内消費量は現在、
年間約10万トン。タイに比べ3割多いです。

②アジアの需要増
もう一つがアジアの需要増です。脂のとろりとした口溶けが、中国や東南アジアの人々の胃袋をつかんでいます。ベトナムではエビに代わり、サーモンの生春巻きが若い女性に人気。シンガポールでは日本の正月にあたる「春節」をサーモンの刺し身で祝います。

今日の値段の方程式はこうなります。サーモンの値段は……

回転寿司の店舗数とアジアの消費動向で決まる

どの魚も値段は上がる一方なので、回転寿司店にとっても大量仕入れ・大量消費のスケールメリットが出づらくなってきました。それでもサーモンはまだギリギリ1皿100円で提供できるレベルです。

「いつかサーモンが食べられなくなる日が来てしまう?」。天明さんが心配そうに質問しました。

増えるご当地サーモン


その心配はなさそうです。実は今後も需要の伸びが見込めるとして、日本各地でサーモン養殖が盛んになっています。

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青森県の「海峡サーモン」、静岡県の「紅富士(あかふじ)」、福井県の「ふくいサーモン」……。これだけ多くのご当地サーモンが作られ始めています。
上にある表は2015年時点のものです。2019年8月の最新の情報はこうなります。

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北海道から九州まで全国に100種近くのご当地サーモンが育てられています。国産サーモンは小規模な生産者が多いです。値段も100グラム1200円ほど。海外産と比べ3~4倍の高さになっています。
ただ、青森県や宮城県などで大規模で効率的な養殖が進み、100グラム300~400円と輸入品より同等かそれ以下のものも出てきました。輸入品より鮮度がよく、プリッとした歯応えが楽しめます。大産地ではアジアや北米へ輸出も始めています。
キャスターの八木ひとみさんから「養殖魚はコストの問題はないのでしょうか」と聞かれました。養殖魚は世界的にエサ代の高騰という悩みを抱えていますので、ご当地サーモンもエサ価格の動向が値段を左右しそうです。
最後に豊嶋広キャスターが「ご当地サーモンって、いくらくらいで食べられるのでしょう」と質問しました。季節によってお店に出回りがありますが、1皿100円の大手回転寿司チェーンで輸入品は2カン、国産は1カンで販売されていました。つまり2倍ということになります。



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