プログラミング市場

「高いものにはワケがある」 プログラミング講座の値段の秘密

BSテレ東の朝の情報番組「日経モーニングプラス」。本日27日の「値段の方程式」は「プログラミング講座の値段の秘密」を取り上げました。

来年、2020年度から小学校でプログラミングの授業が必修化されます。小学校、中学校、高校と継続した教育の場が提供されることになります。それに伴い拡大しているのが、「子ども向けプログラミング講座」です。これから必要となるプログラミングを含めたITの知識や論理的に考える力を子どもに身に付けさせたいという親からの需要もあり講座や教室が急増しています。

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上のグラフは子ども向けのプログラミング教室の数と市場規模です。急拡大しており、この先、さらに拡大すると予測されています。

「子ども向けのプログラミング講座」というのは実際にはどのようなものなのでしょうか。番組では神奈川県海老名市にある「コサイエ」という施設を紹介しました。平日は学童保育、休日は科学教室など小中学生にさまざまな学びを提供しています。
プログラミング講座は3種類を開設しています。

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受講料の値段は月額で8000円から1万2000円となっています。以前は半年のコースでしたが、2018年度から1年間のコースになっています。専門的に学び、自由度が高いコースを創設しました。最も高いコースの料金はそれ以前に比べ1000円アップしました。

これほどまでにプログラミング講座が盛り上がっている理由はなんでしょうか。背景にはIT人材の不足があります。IT人材は現状、26万人が不足しており、今後もさらに足りなくなるとみられています。2030年には59万人不足するという試算もあります。採用市場も過熱気味で、エンジニアの求人倍率は平均で7~8倍、東京都内の場合は20倍~30倍とも。昔は幹部層を対象にしていたヘッドハンティングですが、ことIT人材に限って言えば経験3年目くらいの人からが対象になっています。

人手不足でIT人材の賃金もほかの職種より高くなっています。

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この図はIT人材の中でもシステムエンジニアの年収と全職種の平均年収を比べたものですが、2017年の時点でおよそ100万円ほどの差があります。今後も人手不足が続くこと、そしてIT人材の高収入といった背景もあり、子ども向けだけでなく、就職・転職に向けた大人向けの講座も増えています。

大人向けのプログラミング講座の値段には大きなばらつきがあります。
講座の期間によっても異なりますが、無料のものから50万円を超えるものまであります。番組で紹介したのはインフラトップという企業が提供するDMM WEB CAMPという講座です。

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こちらの講座は3か月の受講で62万8000円(税抜き)となっています。1カ月目に個人で基礎のプログラミングを勉強します。2カ月目にはグループに分かれ、実践的なチームでの開発を経験します。最後の3カ月目には、また個人でオリジナルなサービスの制作を行います。

実際に東京・渋谷にある教室を訪ね、受講する受講生に話を聞いてきました。こんな答えが返ってきました。「62万8000円、高いと思います」。そうですよね。でもこの受講生の方は「いろんなプログラミングスクールを選ぶ際に就職実績が高いというので選んだんですけど、就職した後の離職率が低いというのも大きかったです」と続けました。金額に関しては高いとしながらも、受講生の方は就職実績と就職した後の離職率の低さを選んだ理由として挙げていました。

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この講座の就職成功率は98%となっています。この講座の料金にはキャリアサポートが含まれています。2カ月目から専属のキャリアアドバイザーが付き、面談を重ねていきます。受講生に合った企業を提案することなど就職・転職への支援が手厚い。講座自体は3カ月で終了しますが、その後3か月は就職・転職を引き続きサポートします。それでも、就職・転職できなかった場合には、受講料を全額返金する「転職保証付き」の講座となっています。やはり高いものにはそれなりの理由がありますね。

ということで、今日の値段の方程式はこうなります。プログラミング講座の値段=講座の充実度+就職・転職に対しての手厚さによって決まる。

取材をしていて残念だったのが、「転職保証が付くのは30歳まで」だそう。私はとっくに保証期間を過ぎていました……。厳しいですね。



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