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イクラやカニ安値 お正月の海産物身近に

世の中の様々な値段がどうやって決まっているのかを解き明かす「値段の方程式」。年内最後の放送になります。きょうのテーマは「イクラやカニが安値 正月の海産物身近に」です。今年も残すところ1週間を切りました。あらゆる食品やサービス価格が上昇した2023年。放送でも「値上がりした」話題が多かったです。年末年始に食べる機会が増えるイクラやカニが値下がりし、お買い得になっています。

値段の方程式
BSテレ東の朝の情報番組「日経モーニングプラスFT」(月曜〜金曜の午前7時5分から)内の特集「値段の方程式」のコーナーで取り上げたテーマに加筆しました。

北海道産イクラ2〜3割安

まずはイクラ。東京・豊洲市場の北海道産の卸売価格を見てみると11月平均は1キロ6401円。前年同月に比べ25%安くなっています。国産、輸入ともに2~3割安となっています。国産に比べ輸入は1キロ3000円ほど安くなっています。

買い物客で賑わう築地場外

年末の築地場外市場で取材してきました。朝早い時間帯ですが、大勢の人が買い物に来ています。海外からの旅行客の姿も目立ちます。

「新いくらが安くなりました」ーー。魚卵専門店の田所食品で多くの客が年の瀬の食材を買い求めていました。田所悟代表は「今年はイクラが安い。2割以上値段が下がっています」と話します。売れ筋のカップにびっしり入ったいくらの醤油漬けは130グラムで1500円。昨年は120グラムで1800円だったのですが、今年は値下げして増量したそうです。「昨年、サケが不漁と言われたが、意外と豊漁だった。それがまだ在庫としてある。ロシア(産イクラ)が史上2番目に量が多かった。(親が)マスのイクラがかなり流通した」(田所代表)

「ウクライナ」が影響、輸入ガニも安い

カニの価格はウクライナ問題が影響しています。ロシアによるウクライナ侵攻を受け、アメリカがロシア産水産物を禁輸。行き場を失ったカニが日本や中国に流れ込みました。卸値は昨年に比べて3〜5割安くなっています。
2022年の日本のカニ輸入額は749億円。21年と比べて11%多くなっています。ロシア産のシェアは65%。さらに今年の1〜9月では68.8%とさらに増えています。輸入業界では「今年は日本の爆買いが目立つ」との声も上がるほどです。
店頭価格もお買い得に。この時期に店頭に並ぶロシア産の冷凍タラバの脚は大きいサイズになると重さ2キログラム。大人5~6人がお腹一杯になるほどの身が詰まっています。都内の鮮魚店で通常価格は1パック1万8000円のタラバが1万2000円で販売されていました。書き入れ時の年末商戦に安く販売していました。
国産も安いです。サイズによってかなり違いはありますが、築地の場外市場ではズワイガニのオスが1匹1万5000円から3万円で販売されています。前年に比べるとオスが前年比1割安、メスが2割安が相場です。

きょうの値段の方程式です。
イクラやカニ値下がり=ロシア産の流入増と国産の豊漁

日本はコロナ禍が収束し、年末年始は4年ぶりの「規制がない帰省」となります。大人数で迎えるお正月。お買い得な食材で食卓を彩り、良い新年を迎えましょう。

本年も大変お世話になりました。来年もよろしくお願いします。皆様、どうぞ良い年末年始をお過ごしください。











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