Dog Year, Good Year.

【英】dog year
ドッグイヤーとは、俗に、IT業界の技術進化の早さを、犬の成長が人と比べて速いことに例えた俗語である。1990代後半頃から用いられていた。
犬の1年は、人間の7年に相当すると言われている。例えば、今までなら1年かかった技術の進歩が2ヶ月もあれば可能になっているようなことがIT業界では珍しくなく、犬の成長が速いことになぞらえられている。あるいは単に時間の流れが速いことを意味する場合もある。

この言葉を知った時、人の7倍のスピードで過ぎていく犬の時間のことを想った。もしヒトが犬と同じ速さで生きていたら。10年後には、もうこの世にはいないかもしれない。でも犬は未来も過去も考えずに、ただ今だけを生きているんだろう。
そんなことを考えながら湧き上がった切なさ、愛おしさ、はかなさ、強さ。もう会えない人々や動物たちのこと。そんな気持ちから、曲が生まれた。

映像はGREEN DAKARAのクリエイティブ・ディレクター、赤松隆一郎さんによるもの。遥か彼方の雲と、手前の木立が、まったく違う速さで流れていく。時計をみながら時間に追われているぼくら。人間の7倍の速さで生きる犬。ひと夏でその生命を終える虫たち。同じ星の上で、違う時間軸の上を、すれ違ったりもつれ合ったりしながら、それぞれが生まれて、去っていく。

「Dog Year , Good Year」
from Album「TRIO」(2014)

written by Hiroshi Takano
produced by Moreno Veloso

Hiroshi Takano : Vocals, A.guitar.
Domenico : Drums, Percussions.
Alberto Continentino : W.bass.

recorded at Rio de Janeiro on March, 2014
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creative director / planner / cinematography : Ryuichiro Akamatsu (dents)
director : Naoto Nakanishi (dentsu Creative X)
producer : Tomoki Iida, Hideaki Iwai (dentsu Creative X)
production manager : Taku Okuki  (dentsu Creative X)


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