ヘッド

ギターデザインブック(1980?)①

たしか中3か高1の頃。ノート一冊分ギターのデザインを書いたことがあった。その後、河合楽器のオリジナルギターデザインコンテストが開かれて、その中から選り抜いた案を応募したら、佳作か何かには選ばれた。賞品もらったような気もするけど、忘れた。まあ、デザインの才能はその程度だったってこと。

そのアイデアノートが出てきたので、スキャンしてみた。僕が歌ものと同じくらいインスト好きなのは、楽器愛によるところも大きい気がする(ギター好き以外はマニアック過ぎて意味不明かも)。

中1のとき一番最初に手にしたギターは、友達の家の物置に眠っていたクラシックギターだった。子供の頃からの工作好きが昂じて、結局そのクラシックギターに鉄弦を張り、古いテレビから外したスピーカーのマグネットにエナメル線を巻いて自作したピックアップを取り付けて、ラジカセのマイク端子に突っ込んでエレキギターの真似事をしたりしていた中学2〜3年。

小学校時代の憧れは発明家、歌もほとんど歌ったことがなかった。このデザイン画を書いた頃はまだミュージシャンになるつもりなどまったくなく、工作の延長で楽器作りが面白くなっていた頃。
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画像1

↑シリアルナンバーが振ってあったので0001番から。
1980年頃の流行りと言えば、B.C.Richやアレンビック。どのメーカーもこぞってスルーネックのエレキを作っていた頃。このギターはコントロールやバダスのブリッジ、ヘッドの「T」のロゴ、ペグなど、モロにその雰囲気。


画像2

↑これは、一本でいかにいろんな音が出せるか、という机上の空論(笑)

リア〜フロントに
・カヴァードハムバッキング
・シングルコイル
・バーマグネット(シングル)
・オープンハムバッキング
・バーハムバッキング
と違う5種類のピックアップをマウントして切り替えるアイデア。それぞれのピックアップの音の違いはよくわからないくせに、雑誌の読みすぎで知識だけはいっぱし。

スイッチとノブが沢山並んでるのはビザールギターの趣。
これもスルーネックとバダスブリッジ。



画像3

↑確か、この案を応募したような気がするシリアル0009『SPEEDY』。
全体にB.C.Rich+アレンビック+ギブソン的。
当時の国産ギターはそんなのが多かった。
リアはP-90か?

①ヘッドはオートチューニング 開放弦の時にスイッチを入れるとモーターがジャストチューニング 電源はコネクターより
(LEDチューナーのLEDをモーターに置き換える)
②ハーモニクスは非磁性体弦なので PUセレクトによりワンタッチで12弦と6弦に早変わり

①は2007年にギブソンが「ロボットギター」として実用化したアイデア。30年近く前に思いついた自分を褒めてやりたい(佳作だったけど)。特許とればよかったな。

②これはまだ知識が中途半端だった。「ハーモニクス」は12弦の副弦、「光電管PU」とか書いてあるのはピエゾ(圧電素子)PUのことか。つまりナイロン弦と鉄弦を組み合わせて12弦にすれば、マグネットPUと光電管、じゃなくてピエゾPUを切り替えることで、6弦サウンドと12弦サウンドを切り替えることができる、という発想。ナイロン弦と鉄弦の音色の差は考慮されてない。実際、弦の太さが違いすぎて、押さえにくいはず(というか、弾けない気がする)。

この後だんだん画もこなれてきて、次第に電気回路のデザインからシェイプのデザインに凝るようになっていく。続きは次回

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