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A border traveller (ver.3) 1986.

高野寛
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※試聴版。オリジナル版(02:41)は購入後に視聴可能。

デビューアルバムに収録された「国境の旅人」のデモ。同じカセットに3つのバージョンが入っていて、少しずつSSWとしての高野寛の歌が見えてきたころ。(20歳頃の伸びしろって凄い)

ほとんど曲としてはできていた。
つまり、CDのバージョンで追加されたイントロや間奏、その他の装飾やドラムのパターンetcは、幸宏さんのプロデュースの成せる技。

横尾忠則さんの本をよく読んでいたので、その影響もあって、詞の題材のために夢日記をつけていた。
「高くそびえ立つ建物の十字の隙間から ペルシアンブルーの空を見る」というくだりは、実際に観た夢の風景を元にした記憶がある。

余談。
この前高校2年の時組んでいたバンドの雑談の録音が出てきた。自分がペラペラ大きい声で喋ってて(そんなキャラだったかな?)今更ながらこっ恥ずかしいことこの上なかったが、その時、僕は友達にこんなことを力説していた。
「日本はどんどん軍国主義に向かってるんだよ もし戦争が始まったら、真っ先に戦地に行くのは俺たちだ」
好景気まっただ中の1981年に、一体何の影響でそんなことを思い悩んでいたんだろう?思い出せない。。。

実は、この曲の3番の歌詞も、そんな杞憂をこめて書いている。
(「ここはどこだろう? ロシアのように寒い日本 同じ顔をした人々のノイズの隙間から プラシアンブルーの夢を観た いつも覚えていたい まるで平凡すぎる月曜日だ 隣の国に行こう それでもここにいる」)

30年が過ぎて僕はもうおそらく兵役につくことはない年齢になったが、あの頃一人で悩んでいた、取り越し苦労かと思われた不安が、今や現実味すら帯びてきている2016年。

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