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季節は巡り、そして私たちはまた光を追いかける。

昨日、twitterとinstagramで告知をさせていただいた通り、写真家の友人である三浦えりさんと一緒に、オンライン写真展「季節は巡り そして私たちは また光を追いかける」を開催します。

元々は、感染症対策を万全に行った上で、皆様には実際にギャラリーに来ていただく形を考えていたのですが、緊急事態宣言下ということも考慮し、完全オンラインで実施することに決めました。

えりさんが、とても素敵なウェブサイトとDMを作ってくださりました。ウェブサイトには、2月26日以降、展示写真やイベント情報等を掲載していこうと思います。
https://kisetsuhameguri.studio.site/

「季節は巡り そして私たちは また光を追いかける」というタイトルは私が考えたものです。
2020年は、新型コロナウイルス感染症の全国的な拡大により、私達の日常が一変した年でした。そして、思いのままに好きな場所を訪れることや大切な人と会うことが難しい状況は、今も続いています。
私は、そしてえりさんも同じだと思いますが、季節の移ろいやその季節特有の光の美しさを写真で表現することを大切にしています。そして、2人とも人物写真を撮影することが特に好きなのですが、このような状況では、被写体の方と近くで言葉を交わしながら撮影することは躊躇われるものがあります。
しかし、外で写真を撮ることができなくても、窓の外で季節は巡ります。私が立ち止まろうと、時間は止まってくれません。
それなら、私にできる方法で光を追いかけ続けるしかないのだ、と自分を納得させるまでには、いくらか時間が必要でした。

今回の写真展で私が展示する写真は、私が主に去年の緊急事態宣言の時に、家の中で、身の回りにあるものを撮影した写真です。
家の中でも自然光の透明感を感じられる写真が撮れるように、晴れた日に窓の側で座り込んで、ひたすらシャッターを切りました。
えりさんはえりさんの場所で、光を追いかけた軌跡を展示されることと思います。

この展示が終わった後も、変わらず季節は巡ります。コロナウイルスの勢力は落ち着くかもしれませんが、また何かしらの理由で、思うように表現活動ができなくなるかもしれません。
それでも、きっと私達はそれぞれの場所で、私達にできる方法で光を追いかけ続けるだろうと信じています。
そんな希望の余韻を残すような言葉を、この展示タイトルに込めました。

今回のオンライン写真展を通して、皆様に伝えたいことがあります。
制限の多い日々の中でも、表現を続けることはできるのだということ。
手段を工夫することで、作品を発表する場を設けることはできるのだということ。
そして、発表した作品を通じて、世界中のどの場所にいようとも、多くの人々と繋がることができるのだということです。

私の周りの表現者達は、写真、演劇、歌、ダンスなどそれぞれの分野で、自分達にできることを工夫しながら表現の発信を続けており、私が上に記載したことは既に証明してくださっていると思います。
私は、そういった方々が懸命に努力している姿に背中を押され、私も、困難な状況における表現の可能性を多くの方に伝えたい、という気持ちを抱くようになりました。
そんな時に、写真展を一緒にやらないかと誘ってくださったえりさんには、本当に感謝しています。

ここからは、今回一緒に展示をする三浦えりさんについてお話しさせていただきます。

えりさんはフリーランスのフォトグラファーとして国内外で活躍されており、特に女性のポートレート写真を得意とされています。写真撮影のみならず、ライティング、ウェブ記事の制作やデザインといった分野でも、仕事の幅を広げていらっしゃいます。

えりさんとの出会いは約5年前、私にとって初めて写真を展示した大型写真展である御苗場で、お互い出展者として知り合いました。
えりさんの写真は優しい色が特徴的で、200人を超える出展者による多種多様な写真が洪水のように押し寄せてくる空間で、私はえりさんの写真を見て、なんだかほっとしたのを覚えています。

私は、人の本性は言葉を発している時よりも、他人の話を聞いている姿勢に表れると思っています。御苗場で、私はゲーテの戯曲であるファウストを題材とした写真を展示していたのですが、「よく分からないな」と戸惑ったような反応を返す方が多かった一方で、えりさんは穏やかに丁寧に私の説明を聞いてくれました。
そのえりさんの「聞く姿勢」は、今でも変わることがありません。これまで何度かお会いする機会がありましたが、口下手な私でも、もっと話していたい、という気持ちにさせてくれる貴重な方です。

えりさんはいつも柔らかな空気をまとっているのですが、同時に芯の強さも感じさせます。特に、ご自身の写真を通じて人々に何を伝えたいか、ということに関しては、とてもストイックな考え方をされる方だと思っています。
えりさんは約1年前に「風和らぐ」という、現代を生きる若い女性数人に焦点を当てた写真展を開催したのですが、その展示のウェブサイトが本当に本当に素敵で、ヴィジュアルが優れているだけでなく、コンテンツとしても社会性のあるメッセージを感じることができるので、是非皆様にも見ていただきたいです。
https://kazeyawaragu.com/


写真家としてはもちろん、人としても尊敬できる大好きな友人であるえりさんと一緒に写真展ができるのは、私にとっては本当に大きなことで、今でも夢のようです。
私達の思いの詰まった写真展、是非皆様にも楽しんでいただければと思います。
開催まであと2週間と少しありますが、写真展そのものやオンライン対談などのイベントに向け、心を込めて準備を進めていきます。

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