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刑事訴訟と民事訴訟

どうも。被告人Tです。

本日は、刑事訴訟と民事訴訟について書いていきます。

もう大体お分かりだと思いますが、刑事訴訟は『被告人が犯行を犯した事を立証し刑罰を科すかどうかを判断するための手続き。』

民事訴訟は『私人間の権利や賠償など刑罰ではなく金銭面を争う手続き。』となります。

基本的に我々被告人は逮捕起訴され刑事訴訟を起こされ裁判で争いますね。
被告人と被告人弁護士は、無罪や執行猶予を取りに行くことを前提に裁判に挑み、検察側は被害者のために悪人は許すまじと実刑に持ち込むため裁判に挑みます。

しかしここで被害者は刑事罰だけでは生ぬるいと考える方もおり刑事訴訟の後に民事訴訟を起こす方もいらっしゃいます。

そもそも刑事事件と民事事件は全く違うもので、簡単に言うと『刑事事件は犯罪を裁く』『民事事件は警察や検事が入れない経済的損害を争う』事になります。

例えば窃盗罪で逮捕起訴されたとします。窃盗した物が無事戻ってくれば被害者としては民事で争う事をしませんが、窃盗されたものが転売されて戻ってこなかった場合は刑事罰では金銭まで要求することは出来ないため新たに民事訴訟を起こし損害賠償を求める訴訟をします。

極端な話し、刑事で無罪になったとしても民事で争い有罪となり損害賠償をすることも少なからずある様です。
これが刑事と民事の差だとも言えます。刑事では民事不介入部分は争えないため、この様なことが起こるのです。

民事訴訟は様々な分野で争われます。窃盗、詐欺、横領、ワイセツ、傷害など経済事件知的事件以外でも損害賠償請求は出来ます。

一番辛いのは、刑事で有罪実刑からの民事で有罪損害賠償の支払い命令が下る事ですね。
実刑になってしまったら出所するまで賠償金を払いたくても払えない状況になりますが、そこは抜かり無く差押えなどを行使し預金や動産不動産を取り賠償金に充てられます。

出所したときには、一文無し家無し車無しの状態になってしまうのですが、まだまだ賠償金が足らなかった場合は出所してからも分割で支払わなくてはならないこともあります。

まぁ犯罪を犯してしまったのは我々犯罪なので文句も言えませんがね。

そして心配なのは、損害金の請求が家族に及んでしまうのではないのか?と言うことです。
これに関しては条件により異なる様ですが、家族には請求は行かない事が多い様ですね。
あくまでも、損害を与えた本人に賠償をさせるのが前提の様ですね。

しかし賠償したくても無い袖は振れない。

と言う人も居ます。中には賠償をせず逃げる者。中には自己破産をし賠償を逃れる者。【自己破産に関しては悪意で加えた不法行為は免責されません。】

実刑を受けて尚且つ賠償なんてしてられるか!と支払いに応じない。応じたくても応じれない。なんて人も多くいます。

損害賠償請求はあくまでも民事ですし、資力がなければ取り立てたくても取り立てられない。
裁判に勝っても分割支払いを要求され月々数万円しか回収できず何年も掛かると言ったデメリットも多いです。

個人が『ヤツは資産を絶対に隠し持っている』と無理に回収しようとすれば【窃盗罪】【脅迫罪】に問われ逆に訴えられるケースもありますので個人では無理な回収は辞めましょう。

もし損害賠償請求をしようと思っているのであれば、まず【財産開示手続き】をし裁判所を介して相手の財産がどれだけあるのかを確認してから民事訴訟を起こす事をオススメします。

裁判で勝訴し差押え強制執行しても、相手に財産が無ければ法的に回収することは出来ません。
無駄骨、時間の無駄、労力の無駄、裁判費用弁護士費用の無駄です。

刑事訴訟後に民事訴訟を検討中であれば、財産があるかの確認してからの方が得策です。

結論としては、民事で訴えるなら刑事前。刑事訴訟後に民事をするなら財産開示手続きをし取れる物があるかの確認必須。財産が無い可能性もあり勝訴したけどろくに賠償金が取れなかった。と言った最悪のケースもなきにしもあらず。です。

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