「くれぐれも盗難に遭わないように！」
イタリアに来る人達にいつもしつこく言っていることです。
それにもかかわらず、年に何度か直接、間接的に知っている人が盗難にあいます。まあ、日本が平和な国だからなんだろうけど、海外に出たらもう少し注意してもらいたいものです…
イタリアはとても綺麗だし、人も親切で食べ物も美味しい最高な国なので、なるべくイタリアで嫌な思いをしてもらいたくないです。特に海外から来る人が集まるような場所（観光地、展示会など）には、ボルセッジャトーリ（スリ）がたくさん集まってきます。実際、普段ミラノで生活している時には、それほど問題ありませんが、仕事や観光でイタリアに来ている人と一緒によく行く場所は、スリが多そうな場所が多いし、なんとなく狙われそうな気配を感じます。
スリもプロなので、取れなさそうな人は狙わず、簡単に取れそうな人を狙います。以前にも仕事関係の人から、お世話になっている人がミラノに行くので、一緒に食事をしてあげてほしい、とのことで、２人の女性（お母さんと娘さん）の夕食をアテンドすることになりました。娘さんは国際線のCAさんということで、海外には慣れていらっしゃるようでした。ミラノの後はヴェネツィアに行かれる、ということで、食事が終わった後、ホテルにお連れした際にも、「くれぐれも盗難は気をつけて」としつこいようですが、お伝えして別れました。
2、3日して、今頃はヴェネツィアで楽しんでいるだろうな、と思っていたところに電話があり、娘さんが盗難にあったとのこと、しかし注意していたので、絶対取られているはずはない、とのことで、狐にままれたようでした…　その盗難で、現金の入った財布とパスポートを盗られたそうです。カードは別な場所に入れていたのと、あえてそれほど沢山のキャッシュは持っていなかったということだったので、落ち込んでいるのを慰める意味もあって、「現金もそれほど多くなかったし、パスポートは結構早く再発行してくれるようだし、まあ、怪我などもなく、良い勉強になったと思って、これから気をつけましょう」と言ったのですが、娘さんの仕事柄、パスポートには色々な国のヴィザなどがあって、仕事に影響が出てしまう、とのことでした…
それから何日かして、「注意していたつもりだけど、ひょっとしたら運河を移動する時に乗った水上バスで取られたのかも知れない」とのことでした。やはり観光客の多いところにはスリもたくさん潜んでいます。見るからにジプシーの格好をしていたらすぐにわかりますが、最近は普通の格好をしてスリをしている場合が多いようです。
最近、あるイタリア人女性がスリを見つけると『Attenzione! Borseggiatorici! Pickpocket!」と叫んで周りの人に注意を呼びかけているのが私のSNSによく入ってきいていて、ちょっと気になったので、こ女性について調べてみました。
この声をあげているのはモニカ・ポーリさん（Monica Poli）Cittadini Non Distratti（市民のみなさん、気をつけて）というグループの一員で、無防備な観光客のポケットから財布やパスポートなどを盗もうとするスリ達に、「Attenzione! Borseggiatorici! Pickpocket!」（気をつけて、スリよ！）と叫びながら追いかけていきます。そこをインスタなどで流し、注意を促しています。
モニカさんはヴェネツィアでもう何年もこう言ったパトロールをしているそうで、Cittadini Non Distrattiはヴェネツィアの1/3のスリの逮捕に貢献したそうです。これをSNSで紹介していたところ有名になったとか。
見ているとわかりますが、彼女が叫び始めるとスリたちが急いで逃げていきます。こう言った活動を長く続けている、勇気や行動に、敬意を示したいと思います。
スリの手口もよくわかるので、これから観光などでイタリアに来る方には是非見てもらいたいです！
cittadininondistratti
https://www.instagram.com/cittadininondistratti/
「くれぐれも盗難には気をつけて！」