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いつだって僕を励ましてくれるものは

 自分を励ましてくれるのは過去の自分だけだよ。 (武田鉄矢)

この言葉を聞いたのはたしか、アウトサイダーな若者と大人がトークバトルをするようなテレビ番組で、かれこれ10年近く前だったように思います。

援助交際かそれに近い行為を繰り返す女子高生に向けて武田鉄矢さんが言ったのが冒頭の言葉。

この言葉が投げかけられた瞬間、それまで大人を茶化しバカにしたような若者たちが息を飲むのがわかりました。中には涙ぐむ子もいたように思います。かくいうテレビ越しの僕も泣きそうになっていたのですが。

なぜあれだけ胸を打ったのだろう。今振り返ると、そのときは社会人数年目で営業として一人前になり切れずもがいていた頃。そんなときだったから、頑張った過去や苦しんだ過去は無駄にならないと、つまり自分を鼓舞する言葉として響いたのだと思うんです。

最近たまたまこの言葉を思い出しました。昔と同じように胸にくるものがあったのだけど、“響き方”があの頃とはだいぶ変わっていました。

それは「最後に僕をゆるしてくれるのは過去の僕自身だ」という安らぎにも似たような感覚。もっと言えば僕のすべてを知ってくれている唯一無二の友人がそばにいるような安心感でした。

どんな境遇であれ、どこかで躓くことはあると思うし、どこかで「苦しい」と声をあげたくなるタイミングはあると思うんです。SNS上では陽気な人の中にも、仕事で愚痴を一切言わない人の中にも。

そういう時の周りの優しい人の励ましの声は、とても嬉しい反面、何も返せないという苦しさを抱かせることもあります。

でもね。「あの頃に較べれば、まぁなかなかうまくやっているよ」と、腹の底からやわらかいタオルのような温かい声が届くことがあります。そしてそんな“友人”は「これからの君にも、そこそこ期待しているよ」とやさしく励ましてくれることも、たしかにあるんです。

だから、なんというか、今が辛くてもたぶん大丈夫。その記憶はいつかあなた自身を温めてくれると思うから。はっきりと断言はできないのだけれど。

明日から2月。寒さに負けず元気に過ごしましょう。

ありがとうございます。 サポートって言葉、良いですね。応援でもあって救済でもある。いただいたサポートは、誰かを引き立てたたり護ったりすることにつながるモノ・コトに費やしていきます。そしてまたnoteでそのことについて書いていければと。