【共感について】

それでは今晩もはじめましょう。

今回は『反共感論』(ポール=ブルーム著 高橋洋訳 白揚社)という書籍から2つの共感についてお話をします。



東日本大震災から11年がたちました。

当時は計画停電・節電・イベントなどの自粛と暗い世相でした。

被災された方の状況を思うと、電気の無駄遣いや花見などはしてはいけない、という空気がありました。

「反共感論」では、共感には以下の2つあると書かれています。

・情動的共感

・認知的共感


情動的共感とは、目の前の相手と感情を共有することです。たとえば、つらいことがあった人の話を聞いて「それはつらかったね」と共感をすることです。

ただし、共感はするのですが、その気持ちになりきってしまっているので、それを解決しようと行動を起こすことはありません。厳しい言い方になりますが、思いやりがない、といっても過言ではありません。

相手の感情になりきってしまっているので、この状態が続くと「燃え尽きる」ことになります。医師やカウンセラーでこの感情が大きいとかなり厳しくなります。


認知的共感とは、目の前の相手がどのような感情をいだいているかを客観的に観察することです。

相手とは一定の距離をおいているので、その気持ちになりきってしまうことはなく、解決するための具体的な行動を考えて動くことができます。イメージ的には医師やカウンセラーなどです。相手の状況を確認して、それを解決するための方法をとることができます。ただし、この認知的共感が極端に強いと『サイコパス」といわれることになります。


東日本大震災のときは全国的に自粛モードでした。「被災された方の状況を考えると・・・というふうに。

ただ、本当に思いやりのある行動としては、積極的に消費をしたり、自分が被災していないなら、花見に行って盛り上げたりすべきだったかもしれません。それが被災された方のためにもなります。

もし、まわりでつらい状況にある人がいたら、情動的共感をゼロにすることは難しいかもしれませんが、できるだけ認知的共感で接して、どんなことをすればよいかを考えて、具体的なアクションにつなげてほしいと思います。




●まとめ

・共感には2つ(情動的共感・認知的共感)がある。

・情動的共感ではなく、認知的共感で相手と接することが課題解決につながる。

・まわりが大変な状況であるときこそ、具体的なアクションを。


以上となります。

それではまた!

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