ラジオ体操、やろうぜ!
♪ラジオたいそー、第一!
……いかがでしょうか。
頭の中にあの音楽と独特の動きが再生された人、手あげて!!!
幼い頃から慣れ親しんできたラジオ体操……年齢を重ねてもその記憶はなかなか綺麗さっぱりと失われることはない、と思います。むしろ、子供のころの記憶を呼び覚ますような感覚の方が多いのではないでしょうか。頭の中にくっきりと、レオタードのお姉さんのしなやかな見本体操を思い浮かべるのは私だけかもしれないのはさておき。
本日はですね、そのラジオ体操のものすごいところを語ってみようと思います。ラジオ体操っていうのは、小学生や中学生が体育の授業中にやるだけのもんじゃないんですよって話をさせてくださいな。
なお、これはやや体力に自信のある、わりかし怪我とかしてもぼんやり治るような、加齢による衰えが目立ち始めた人生後半戦突入済みの人が思うままに書いた文章なので、体調に不安を覚えている人はすべて鵜呑みにせず怪文書をのぞき込むような心持ちで、若くてぴちぴちしている人は鼻で笑いながら流し読みをしていただけたら助かります。
私はここ数年、毎朝ラジオ体操をしております。
わりと早起きの私は毎朝五時ごろに目が覚めるので、手早く朝の家事を済ませたあと近隣の公園に朝のウォーキングに出かけるようにしています。というのも、家族の影響もあるのですが、私はやたらたくさん食べてしまう傾向にあり、常日頃積極的に体を動かさねばあっという間にカロリー過多で増量する癖がついておりましてですね。こまめにカロリーを消費するべく、いつも少々離れた位置にある大型の公園に出向いては園内に設けられているウォーキングやジョギング用散歩道をぐるっと巡って帰るという事をしているんですよ。
いつも行っている公園のど真ん中のひらけた場所には大きなモニュメントがあって、そこで毎日ラジオ体操が自動で流れる仕組みになっています。毎朝6時25分になるとどこからともなく高齢者の皆さんが集まってきて、着かず離れずのいい距離感で揃ってラジオ体操をしていらっしゃるんですよ。私はそこの端っこに混じって、新鮮な空気を吸い込みながら体をほぐしています。
6時半に公園のど真ん中で流れるラジオの音声にあわせてラジオ体操第一と第二、体操前の体をほぐす運動も中継ぎの首の運動もしっかりやります。なんならラジオ体操の前に流れるラジオ体操の歌(♪新しい朝が来た♪ってやつ)にあわせて独自の上腕ストレッチまでしていたりします。
今でこそどっぷりとラジオ体操愛好者をしておりますが、ほんの数年前までは、ラジオ体操をするみなさんを遠巻きに眺めながら、お元気で良いことだと感じつつ決して混じろうとせずスルーするような日々を過ごしておりました。
なんでまたそんな私が、毎日ラジオ体操をするようになったのかといいますと。
わりとアウトドアタイプで活動的な毎日を過ごしていた私でしたが、いつの頃からか体調不良に悩まされるようになっていました。ストレスが多い毎日を過ごすようになったこともおそらく影響していたと思われます。
日替わりで襲いかかる頭痛、めまい、手の震え、足の痙攣、閃輝暗点、寝違い、ぎっくり腰、ひどい肩こり、背中痛、顎関節症、ばね指、蕁麻疹、疲労骨折、腱鞘炎、吐き気、ほてり、のぼせ、血圧の上昇に不整脈、胃痛、その他もろもろ。以前は寝たら治っていた体調不良が、全然回復しなくなってきてしまったんですよ。
寄る年波には勝てずという部分が大きかったですね。どれだけ寝ても体力が回復しないし、気分が持ち直さなくなってしまいまして。ストレス解消するために地道にカラオケに行ったり暴飲暴食してみたりべろんべろんに酔っぱらってみたりコスプレしてみたり神社巡りしてみたり温泉入りまくったりしてみたものの、全く功を奏さず、むしろ体をどんどん悪くしていくばかりという負のスパイラルに陥るありさまです。いや、昔は羽目をはずすことでストレスが解消されて、気分よく次の日に目覚めることができていたんです、これでも。
病院に行ってもイマイチ原因がはっきりせず、自律神経が乱れているから規則正しい生活を送るように的なアドバイスしかもらえませんでした。毎朝のウォーキングに出かける気力もなくなり、動かなくなるから体力も落ち、体力が落ちて免疫力も貧弱になりと、さらに状況が悪化していくばかりでした。
そんなある日、たまたま整形外科の処置室で隣に入った奥さんが気になることを言っているのを耳にしたんですよ。
―――ラジオ体操をやりに行くようになったら、見違えるように体調がよくなった
何でも、毎日ウォーキングをするだけでは血は巡らない、上半身も血を巡らせないとダメ。最低一年続けないとダメだけど、やったら絶対に変わる。いまでは元気になりすぎて!!
元気になった人がなんで整形外科に通っているのかなあという疑問は湧いたものの、この奥さんの言葉が実にすんなりとぶっ刺さったんですよね。
次の日から、ラジオ体操を始めることにしたんです。ええ、きっかけなんて、こんなもんです。
信じられないかもですが、初日はラジオ体操第一をするだけで息が上がりました。ジャンプをするところあるじゃないですか、あれがきつくて・・・息を整えながら腕をクロスするやつをやり、深呼吸が終わっても心臓がバクバクしていました。それほどまでに…私は衰えきっていたんです。
全身を動かすのはなかなか骨が折れるというか…自分の体の硬さに驚きましたね。実は5~6年前までジムに通っていて、週6で筋トレやエアロビなんかをしていたこともあって、柔軟性とかにはわりと自信があったんですよ。
体調不良で体中ががちがちにさび付いてしまった感じでした。体というのは動かし続けないとすぐに固まってしまうのだなあとしみじみ思いましたね。体力もしかり、歩かなくなるとあっという間にスタミナがなくなるのだと愕然としました。
地道に毎日自宅でラジオ体操を続け、少し調子がいい時に散歩に行くようになり。公園までいけるようになった頃に、高齢者の皆さんの後ろのほうにこっそり混じってラジオ体操をするようになりました。毎日決まった時間に公園に行くようになり、朝日を浴びるようになり、体中の血を巡らせるようになりましてですね。
で‥‥、ふと気がつくと、ずいぶん体の不調が気にならなくなっていたんですよ。めまいも、目の前のチカチカも、耳鳴りも、頭痛も、体のいたるところで発生していた痛みも、そういえば最後に感じたのはいつだったかなと思うくらい、遠い昔の出来事になっていたんです。
さらにですよ。
私は昔無理がたたって五十肩を発症したことがあり、右肩がうまく上がらなくなるという不具合を持っていたのですが、なんと、いつの間にか普通に上がるようになっていたんです。かなり驚きましたね。いつ上がるようになったんだかよく分からないのですが、毎日毎日こつこつと、無理のない範囲で負担の少ない動きをやり続けることで可動域を広げていった結果なのかもしれません。
たまたま体調不良の時期が終わったのがラジオ体操をやり始めた時期と重なっただけなのかもですが、個人的にはラジオ体操のおかげで今の生き生きとした毎日が送れるようになったのだと感じています。
あれほど悩まされていた肩こりもなくなったし、すぐにつっていた背中も最近はずいぶん穏やかなんですよね…姿勢も良くなったし。相変わらず体中の関節はボキボキと派手に鳴りはしますが、痛みに悶えて動けなくなるようなことはなくなりました。
まあ、毎日朝日を浴びた結果として多少色黒にはなりましたが、飯ものどを通らないくらい憔悴していたあの頃に比べたら全然良い!!まさにラジオ体操様様、ラジオ体操大明神を崇めて奉りたい!!
ということで、なんとなくすっきりしない体調不良を感じている皆様に、一緒に毎朝ラジオ体操をやってみませんかというお誘いのお話を書かせていただきました。
やりたいと思ったら、気になったら、やり始めるとき!!
大丈夫、この日本の地のどこかの空の下、毎朝6:30にラジオ体操をやっている私がおります!!一人じゃないよ、怖くないよ、ぐふふ!!!
どうです、一緒にラジオ体操、やりませんか!!!
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