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【実践AIガバナンス(2024/3/16)】特定目的AIサービスにおけるリスクマネジメント

本日は「実践AIガバナンス」シリーズです。
これまでAIサービスのカタチとして汎用目的AIと特定目的AIでリスクマネジメントのアプローチが異なるというお話をさせていただきました。
今回は「特定目的AIサービスにおけるリスクマネジメント」を取り扱います。

AIガバナンスの在り方(復習)

特定目的AIとは以下のようなAIサービスと定義しています。

特定目的AI (Specific Purpose AI):従来の機械学習モデルのように特定の目的に向けて開発された専用のAIサービス

リアル松本

この特定目的AIサービスを運営する上で重要な点は以下になります。

  • サービスの目的や使用環境を考慮したリスクアセスメントが必須

  • 具体的なリスクに基づき、技術的対策(例:データのプライバシー保護、バイアスの除去)と非技術的対策(例:利用者教育、法的コンプライアンスの確認)をバランス良く実施することが重要

  • 特定の用途に特化しているため、その領域における専門知識が必要とされ、定期的なアップデートや知識の更新が求められる。

良ければ、これまでの記事も参考にしてみてください。

リアル松本からのインプット

かなり具体的にインプットしていますが、実際に検討を進める流れをデジタルMATSUMOTOに説明してもらいました。

松本は「特定目的AIサービス」のリスクマネジメントについて多くのケース検討を行ってきました。
以下が主な検討ポイントですが、デジタルMATSUMOTOとしては具体的にどのようなプロセスで検討していくと良いか、考えを教えてください。

・各AIサービスにおけるリスクマネジメントを検討する際には、AIサービス固有の特徴を検討することが必要です。
・各AIサービスを運営する上では、AI開発者・AIサービス提供者・利用者以外にも多くのステークホルダーが関係しており、AIサービス毎に関係するステークホルダーが異なります。
・各ステークホルダーがAIサービスに対して抱く期待は異なるため、AIサービスが実現すべきパーパスを具体化し、ステークホルダーと合意形成を行うことが必要です。
・また、AIサービスごとに検討すべき重要なリスクは異なります。リスクシナリオはAIサービス毎に異なるパーパスやステークホルダーを踏まえて検討されるべきです。
・各リスクシナリオへAIモデルだけで対応していくことは不可能であるため、AIモデル・関連する技術(データや他のテクノロジー)・AIサービスの運用・利用者が効果的に連携して対応していくことが必要です。
・全てのリスクを完全にゼロにすることは不可能であるため、リスクマネジメントの内容についても各ステークホルダーへ必要なコミュニケーションを行っていくことが必要です。
・AIサービスへのリスクマネジメントにおいて、特定のAI開発者に依存し過ぎることはサービスの持続可能性の面で大きなリスクになることにも注意が必要です。
・AIサービスの運営において、最も重要な存在は現場リーダーであり、ビジネス・技術・倫理のいずれかに偏ることなく、様々な事象や変化に対してタイムリーに対応するためのリーダーシップが求められます。

リアル松本

リスクマネジメントの進め方

特定目的のAIサービスのリスク管理方法について、デジタルMATSUMOTOに検討してもらいました。
汎用目的AIサービスはどうしても発見・改善型になるのでリスク管理の「仕組み」を検討してもらいましたが、特定目的AIサービスは特徴によって重要なリスクシナリオが異なるため、プロセスとして検討してもらっています。
ほぼインプット通りですが(若干RAGから追加してくれているっぽいと感じていますが)、重要なポイントをリアル松本から追記しています。

特定目的AIサービスのリスクマネジメントに関しては、以下のプロセスに従って検討を進めることが良いと考えます。

1. AIサービス固有の特徴の把握: AIサービスが持つ固有の特徴、利用される環境、目的を明確に理解します。これには、技術的な特性だけでなく、社会的、倫理的な側面も含まれます。

2. 関連ステークホルダーの特定と関与: AI開発者、提供者、利用者をはじめ、関係するステークホルダーを特定し、彼らの期待や懸念を収集します。関係するステークホルダーの視点を理解することで、AIサービスの適切なサービスレベルを設定することができます。

3. パーパスと合意形成: AIサービスが達成すべき目的(パーパス)を明確にし、それを各ステークホルダーと共有します。パーパスを基に、ステークホルダーとの間で合意形成を行い、共有の理解を確立します。
⭐️リアル松本が追記)なお、同じAIサービスに対してもステークホルダー毎に期待するパーパスは異なり、パーパス間に協調・対立関係も生まれ得ることも検討する必要があります。

4. リスクシナリオの作成と分析: AIサービスごとに検討すべきリスクシナリオを作成し、それらを分析します。ここでは、技術的、社会的、倫理的なリスク要因を網羅的に検討し、可能なリスクを特定します。
⭐️リアル松本が追記)重要なリスクシナリオはAIサービス毎に大きく異なります。ビジネス目的を阻害するリスク・技術的な不確実性によるリスク・倫理を含む社会的信頼性を棄損するリスク・法令違反等の様々なリスクシナリオを一体で検討する必要があります。

5. リスク対策の計画と実施: 特定されたリスクに対する対策を計画し、実施します。これには、AIモデルの改善、運用プロセスの調整、利用者への教育など、多角的なアプローチが必要です。
⭐️リアル松本が追記)特にAIモデルだけではリスクを十分に低減し続けることは難しいため、AIモデル・関連する技術(データや他のテクノロジー)・AIサービスの運用・利用者が効果的に連携して対応し、特定の技術者に依存しないアプローチを取ることが必要です。

6. コミュニケーションの強化: ステークホルダーとのコミュニケーションを強化し、リスクマネジメントの実施内容を説明します。特に不確実性の中での意思決定や対応策について、関連するステークホルダーへ必要な情報を提供することが重要です。
⭐️リアル松本が追記)一方で過剰な情報開示はセキュリティ攻撃等のリスクを高めることにもつながるため、適切な情報公開を行うように注意する必要があります。

7. 持続可能性とリーダーシップの確保: AIサービスの持続可能性を考慮し、特定のAI開発者に過度に依存しない体制を構築します。また、現場リーダーには、ビジネス、技術、倫理のバランスを保ちながら、変化に柔軟に対応するリーダーシップが求められます。

このプロセスを通じて、AIサービスのリスクマネジメントを効果的に行い、安全で公平、かつ倫理的なAIサービスの提供を目指すことが重要です。

デジタルMATSUMOTO

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[デジタルMATSUMOTOのnote]https://note.com/takash/n/n1e5d86a3cba9
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リアル松本からの補足説明「リスクチェーンモデル」

リアル松本は従来から東京大学未来ビジョン研究センターで特定目的AIサービスに向けたリスクマネジメントを検討するフレームワークとしてリスクチェーンモデルを開発し、様々なケース検討を実施してきました。

現在、このリスクチェーンモデルのアプローチを以下のようにアップデートしているところです。

リスクチェーンモデルのアップデート版

次回は新しいリスクチェーンモデルの検討フレームワークを解説し、デジタルMATSUMOTOと一緒にケース検討を実施してみようと思います。

考察のイメージ画像

デジタルMATSUMOTOに搭載したDALLE-3のAPIで作成しました

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