010_ツイてるねノッてるね

010 中山美穂「ツイてるねノッてるね」(1986年)

作詞:松本隆、作曲:筒美京平、編曲:大村雅朗、船山基紀

船山先生シリーズの第2弾。今回はイレギュラーものです。
というのは、この曲、大村雅朗さんと船山先生の連名でアレンジしたことになってるんです。両名とも自分の個性をしっかり持った、全く違ったタイプのアレンジャーなのに。
なぜか。

この曲、もともとは大村さんの担当だったんですね。一度仕上げたものの、京平先生が納得しなかった。これではどうにも地味であると。そこで、大村アレンジをベースに、船山先生がアディショナル・アレンジとして、一度録ったトラックに音を重ねていったようなんですが、具体的にどの音が追加したものかが分からない。

僕の想像では、強めの4つ打ちのベードラとスネア、シンセベース、ヒラ歌に入る直前の半音で降下していくマリンバのような音、バシュバシュっていう効果音、間奏アタマのシンセ、このへんが船山先生の仕業なんじゃないかと。

大村さんのアレンジは、できる限り音数を減らし、音の微妙な間や音色にもこだわって作り上げた、かなり繊細な個性を持っています。要するに洗練の極致なんですが、そこにイケイケなビートとあえてちょいダサめの音を加えて、勢いを出したと。
どうでしょうね。正解は本人に訊いてみないとわかりませんが。

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