009 沢田研二「勝手にしやがれ」(1977年)
昨日がアレンジャーの船山基紀先生の誕生日だったので、船山先生がアレンジした曲をいくつか書いてみようと思います。
作詞:阿久悠 作曲:大野克夫 編曲:船山基紀
言わずと知れた沢田研二の代表曲であり大ヒット曲。オリコン1位(週間)はもちろん、日本レコード大賞の大賞を受賞したほか、年末の賞レースを独占。最大のヒット曲「時の過ぎゆくままに」(75年)以降、80年代にかけて別格のスターとなっていく中で、この曲の存在は、数字で見る以上に特別なものがあります。
で、船山先生的な観点で見た時、この曲ってものすごく冒険してるんですね。
まず、ドラムは強力なアフタービートの8ビート。ベードラが強めに出ているのでアタマがアクセントのように聞こえるけど、実際のアクセントはウラです。
そして、Aメロのベースラインは、なんと8ビートの8分音符のルートの刻みをやってるんです。
80年代に入ると、BOOWYを始めとしたパンクに強く影響を受けたロックバンドが当たり前のように取り入れるようになる手法ですが、77年5月発売というパンクの影響すら日本に届く前の時期です。ここまでベタっとした8ビートは、この時期の歌謡曲ではほぼ聴けません。
ヘタすればただの手抜きと思われたのではないでしょうか。
ほんと、このアイデアをどこから見つけてきたのか。
そういう意味で、サウンド以上にそのチャレンジ精神がパンク。
80年代ロックの原型的なリズムアレンジを先取りした曲、といっていいかもしれません。
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