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#1 のび太の時代

皆さん、ドラえもんという漫画をご存知ですよね?
「ドラえも~ん、何とかしてよ~!」と無理難題を言うのび太君に対して「しょうがないなぁ」とブツブツ言いながらポケットから秘密兵器を登場させて問題解決するのがドラえもんのパターンです。子供のころ「うちにもドラえもんがいてくれたらなぁ~」と思ったことのある人は多いのではないでしょうか?

ところで、現代の我々、実はこのドラえもんを既に手にしています。そう、AIです。ChatGPTに代表される生成AIに質問、リクエストをすると、大抵の場合たちどころに調べてそれなりの答えを教えてくれます。しかもタダ。これって、まさにのび太の訴えに応えるドラえもんそのものですよね。

さて、ドラえもんのいなかった昔は、ドラえもんを量産するための教育が必要でした。すなわち、質問に対して的確な答えを短時間で出す人材です。正解を導き出す能力が求められ、受験でもこの能力で合否が決まってきました。そして現代の教育も基本的にはこのフレームワークを抜け出していないと思います。

一方、ドラえもんが誰にでもタダで利用できるようになった現代において、ドラえもんの価値に対する世界的な評価は急落しています。正しい答えは機械が教えてくれる。人は間違うしすぐに忘れるけれど、機械は記憶力が抜群で、しかも自主的に学習を続けてくれる(まだ時々間違うことはありますが)。機械がやってくれることを人間がわざわざ能力開発してやらなくてもよいのです。

では、我々は今後どんな人材を育成していく必要があるのか?その答えが「のび太」です。「あんなこといいな、できたらいいな」という主題歌にあるように、「こんなことできない?」「こんなことやってみたい!」と自らAIに対してリクエストをする人。そこから新たなビジネスのチャンスが生まれてきます。これまではダメな生徒の代表格だったのび太君が、ドラえもんが一般に流通するようになったために俄然脚光を浴びてきているというのは言い過ぎでしょうか?

もう少しロジカルに言い換えると、「問いに答える能力」から「問いを立てる能力」への転換です。この転換が遅れたことが、今の日本の凋落を招いている一因となっているのではないでしょうか。遅ればせながらものび太を育成する教育に舵を切らないと、我が国の未来は暗いです。

#ドラえもん
#のび太
#AI
#問いを立てる

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