ボクのこと褒めてよ

大型リサイクル店での、ワイズオネエ系のAくんと、アメカジ野郎のBくんの続き。いつもの検品カウンター。

Bくんが、面倒くさそうに、

「あっちの壁に吊ってたギャルソンのジャケット、昨日売れたんだって。中のシャツも一緒にだって、このクソ暑いのによく買うよな」

「えっ、ホント!? あれ、ボクがディスプレイしたんだ!」

と、うれしそうなAくん。

「まじかよ。オレがノースのパーカー並べてた場所なのに」

「ゴメンなさい・・・・となりもパーカーだったからいいかなと思って」

「まぁ、売れたからいいけどさ」

「Bさんを怒らすつもりなかったのに、ゴメンなさい・・・」

「そんなんで、怒ってないよ、オレ」

「ホント? じゃぁ、ボクのこと褒めて!」

「えっ、なんで?」

「だってボクのディスプレイで売れたんでしょ?」

「そうだけど」

「じゃぁ、褒めて!」

「うんわかったよ。ディスプレイよかったよ、まとめて売れてよかったよ」

「そおじゃなくて、もっと、ボクのこと褒めて!」

「おまえは、服のセンスいいよ」

「ありがとう!」

と、この話はここで終わり、二人はまた仲良く他の商品の検品に移った。

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