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LexarポータブルSSD Professional SL600 Portable SSD 2TB

またまたポータブルのSSDを買ってきた。
今月中に買う気はなかったが、東京都のPayPayの10%還元キャンペーンが今日までで、よく考えたら10%の還元を受けられるなら今買うのがコスパいいなと思って急遽買ってきた(厳密には還元の上限は1人あたり合計3000円分までの還元なので30000円以上の還元では10%の還元ではないが)

CP+の前くらいだったと思うが、レキサーから新しいクリエイター向けのポータブルSSDが登場した。SanDiskは最近ポータブルSSDのデータ消失問題が世界的に問題になったりとトラブル報告もあった。ファームウェア的に対策されていたとしても現行製品を買って大事なデータを入れておくにはちょっと不安要素だなと思ったので今回は採用を見送った。

昨年の12月頃にキオクシアの製品との比較も含めて評価していきたいと思う。
買ってみて、ベンチしてみて、実際に使ってみて、いいところも悪いところもあったので、高い製品で買うのを迷ってる人もいるだろうし参考になるレビューができたらと思う。


比較対象

今回買ったもの

レキサー Lexar
LSL600X002T-RNBNJ [ポータブルSSD Lexar Professional SL600 Portable SSD 2TB]

自分は基本的にメモリーカードを作っているメーカーのポータブルSSDなどが好きだ。カメラをやっているとメモリーカード関連の評判などはよく耳に入ってくるので、評判やメーカーのレベルなどが分かりやすいからという理由が大きい。

https://www.yodobashi.com/product/100000001008317467/


直近まで使っていたもの

キオクシア KIOXIA SSD 外付け 2TB USB3.2 Gen2 最大読出速度 1,050MB/秒 【 iPhone 15 / 15 Pro / PS4 / PS5 動作確認済み 】 国産3次元フラッシュメモリ搭載 耐衝撃 アルミ筐体 パスワード保護 EXCERIA PLUS ポータブル SSD-PKP2.0U3-B/N

東芝がキオクシアになる前はCFカードなども作っていたし、自分はキオクシアになる前から東芝系のフラッシュメモリを多用していたので今も東芝系のフラッシュメモリは信頼している。

レビュー

発熱について

正直SSDで一番大事なのはデータが破損しないことなので、発熱は少ないほうが良い。
発熱に関しては、これまで使っていたSSDから500GBくらいの画像データをまとめて転送してみたり、1つのフォルダの中に200GBくらい入っていて負荷が大きい状態で画像をブラウズしてみて使用中の負荷が高い状態で表面を触って温度を確かめてみたが、普通に机の上に置いて使っていてもアルミ製のヒートシンクの上に乗せてキオクシアを使っているときよりも表面温度が低かったので筐体の放熱性の観点ではキオクシアよりも優れている印象だった
(購入後1週間くらいで追記)
写真の選別作業などをレキサーのポータブルSSDにデータを入れて行ってみたが、単体での放熱性能がキオクシアよりも優れていて触ってみて熱いなと感じるシーンは見受けられなかった。

速度テストのところで後述するが、Macで使用した場合USBの規格的にこの製品の速度を上限まで発揮しきれていない(調べてみるとわかるが、USB3.2Gen2x2の環境で使用している方はベンチで1800MB/sくらい出ている)ので、速度を発揮できずに(=速度を抑えて)使っているから発熱が大人しい可能性はあるので、USB 3.2 Gen2 x2の20Gbpsの速度を発揮できる端末で使ったときの発熱がどの程度になるかは、その速度を出してみないとわからない。

本体の表面温度を下げるためにヒートシンクの上に乗せて使っている様子

速度

条件:M1 MacBook Air
負荷容量:5GB
付属品のケーブルを使用

速度に関してはThunderbolt4を搭載するMacではUSB 3.2 Gen 2x2の20Gbpsの速度を活かしきれず、10Gbpsまでしか速度を発揮することができないので速度的には、高い金額の割に満足できる速度発揮してくれないなという印象だった。金額も高いし、どうせならUSB4に対応して最大4GB/sの速度を出せるハイスペックであってほしかった。

テスト結果に満足いかなかったので、他の端末(iMac 2019)のThunderbolt3端子に接続してのテストも行ってみたが、似たような結果だった。

また、これに関してはしっかりとデータを正確に測定できていないので明言は避けるが、iMacに両方とも繋いでデータを移行しているときに途中で90秒間の転送速度を測ったら38GB転送できていたので、平均速度は420MB/sくらいの速度だった。大抵の場合は、規格の最大値の速度は出ないので実際の動作環境での速度としては不足ないといったところだと思う。

寸法、重量

寸法的にはキオクシアのものに比べて一回り大きい。

重量的には、レキサーのほうが軽いが、どっちもアルミ筐体でできているようだ。
手で持ってみてもわかるが、キオクシアは小さくて重たいのでずっしりとした感触だが、Lexarは大きくてそこまで重くもないので同じアルミ筐体でもスカスカした印象を受ける。

プレスリリースを見てみる

[カラビナループについて]
個人的にはいらない
1台4万円近いSSDをバッグに吊るすか?って思う。バッグの表面だと雨に降られたときに濡れる可能性もあるし、カラビナで吊るすような場所に大事なデータの入ったSSDを付けたことがないので個人的にはいらない。(ハードの破損の観点でも、データセキュリティ的な観点でも)
ポータブルSSDでカラビナループがついてる製品はSanDiskが有名でSanDiskが始まりなのかもしれないが(それ以前の前例を知らないが)、カラビナループに関しては特に必要性は感じなかった。

[2本のケーブル付属]
ありがたい
けど、もう自分の周りにUSB-Aで繋ぐ必要があるPCがないのでどっちでもいい。

[耐久性の高い筐体について]
そこまでデータを危険にさらすような扱い方をしてないからわからないw

総合評価

良いところ

小さすぎず、放熱性が高い筐体
十分な転送速度
本体の発熱が少ない(自分の使用環境では)

悪いところ

USBの規格的にMacでは速度を発揮しきれない(十分ではあるが、値段を考えると速度に物足りなさがある)
値段が高い
USB4非対応

どっちを選ぶ?

結局のところ、個人で自腹でポータブルのSSDを5台とか買ってきてレビューするのは予算的にも厳しいものがあるし(そんなにいらないし)、1つのレビューの中で複数台のポータブルのSSDを比較することは困難なので自分が持っている2製品を比べての評価になるが、今回のレキサー製のポータブルSSDは単体の冷却性能こそ良かったが、3.5万円金額の割には自分の使用環境で発揮できる速度とかを考えたときに出費に見合わないなと思った

総合的な評価としては、キオクシアのSSDの表面温度が熱めと言っても自分が気にしすぎてるだけで、キオクシアというちゃんとしたメーカーがテストして熱制御とかも作っているはずなので、温度に関しては別に気にしなければ問題ないのは半分事実だと思う。
1000円くらいのアルミ製ヒートシンクの上に乗せて使えば温度下げることができるので、自宅での使用がメインならヒートショックの上に載せて使えばいいので金額差を考えてもキオクシアのポータブルSSDで十分だよなと思った。

ポータブルSSDの発熱の話はこのへんで終わりにして、速度の面で2製品のどちらがいいのかも考えてみよう。
実際に画像を転送してみてベンチマークと実転送速度に乖離が出るのは、何十ギガとか百ギガの単位でデータを連続で転送するとキャッシュ切れでベンチ通りの速度は出ないようだ。
実使用の環境を考えると、メモリカード(CFexpress)→ポータブルSSDの転送では撮影後に100GB以上の量のデータ(場合によっては1枚埋まってて500GBくらい)をポータブルSSDに転送する場合がほとんどなのでキャッシュ切れは不可避なのでもしかしたらどんなに高い製品を使ったところで速度は伸びない可能性もあると思う。(USB4対応のSSDを買って使ってみればわかるがもうSSDばっかり買いたくないので追加の検証はしないが)あるいは、カード側の発熱によるスロットリングで転送速度の低下を起こすことがボトルネックになる可能性もあるだろう。(実際に、ProGrade Digitalのお高いUSB4対応のカードリーダーで転送したほうがAmazonで適当に買ってきた4000円くらいの安いカードリーダーで転送したときよりも転送直後にカードを抜いたときの表面が熱くないので、カードリーダーごとの冷却力の差はあり、冷却力の差によって速度差は出ると考えられる。ベンチマークソフトの5GBくらいの負荷ではスロットリングが起きる前に終わるのでのでUSB規格の速度の違いによる差は出てもスロットリングまではベンチでは評価できないが、実際に300GBとか転送してみるとスロットリングによる速度差はある。)
ちょっと話題が逸れてしまったが、メモリカードからの転送時には自分の使っている端末のUSB規格の対応の問題か高価な製品と安価な製品の速度差がそこまででなかったが、現像中、セレクト中などの作業中に速度差が出るかというと全く違いを体感できなかった。静止画を扱っている場合1枚のRAWファイルの重さは画素数などによって異なるが自分の1枚30MBくらいのRAWファイルの場合ではサムネイルから画像を表示してもCPUによる描画で画像がシャープ表示されるまで少しラグがあるがストレージが原因で遅れている様子はない。(所詮は静止画ファイルなので100MBあったところで1GB/sくらいの転送速度の前では一瞬だ)したがって、転送が終わって普通に作業しているときはそこまで速度は必要ないので製品ごとの速度差は体感しづらい。
自分が試した環境では、レキサーもキオクシアも速度差を体感できなかったのでそれなら安いキオクシアでいいかなと思った。

あと、余談だが端子の数の話だ。
Macの場合はほとんどの機種でUSB4/Thunderboltの端子が複数あるのでカードリーダーとポータブルSSDの両方をUSB4対応の製品にしてUSB4で接続して、キャッシュや熱など他の要因で速度が落ちなければかなり高速に転送することができるかもしれないが、WindowsのノートPCではThunderboltが1端子のモデルも多いみたいなので(Windowsはいろんな機種があるのでよくわかっていないが)、実際の環境ではUSB4で両方とも繋いで規格いっぱいに速度を発揮するのは結構難しいと思うのでポータブルSSDに関しては多額の投資をして高額な機材を買う意味はそこまでないのかもしれない…
自分は今回のポータブルSSD購入では転送速度を向上させることなできなかったが、次にPC関連で何かやるとしたら自宅の現像用PCの作り変えだと思う。そのときは現像用に2TB以上のm.2 SSDをDドライブとして1つ内蔵しようと思っているが、デスクトップPC内に作業中の画像データを入れておいても外では使えないので結局はポータブルSSDでの運用になる気がする。
自作PCにしても、ノートPCにしてもUSB3.2 Gen2x2の対応はある程度進んでいるようだが、端子が2つあるかというとそうとも限らないようなのでまだ現状は画像データを2GB/s近い速度で転送するのはまだ現実的ではなさそうだ。

どっちをメインで使う?

せっかく新しく買ったし、単体での放熱性がいいので新しいのをメインに使って、キオクシアをバックアップ用に使おうと思っている。

追記

購入後2週間ほど経過して使い込んでみての感想を。
発熱,速度については、最初にベンチしてみたり、最初に使ってみた印象から特に変わらなかった。(逆に言えば、速度だけで言ったら2万円のキオクシアと3.5万円で体感できる差は特に感じられなかった)

個人的に高い評価を下したいポイントとしてはやはり発熱の少なさ(あるいは放熱性の良さ)だと思う。再三になるが、自分の使用環境ではUSB 3.2 Gen2x2の20Gbpsの速度で動作させることができていないのでもっと速度を活かしきれるコンピュータを使えば速度が上昇して発熱が増えるかもしれないが、RAWデータのセレクト,現像といった作業内容もペースもこれ以上速くするのは難しいのでたぶんUSBの速度が上がっても十分な冷却は得られるとは思う。
本体の発熱の少なさは実際に使い込んでみると結構快適だ。キオクシアを使っていたときは、自宅では冷却のためにアルミ製のヒートシンクの上に載せたりしてキオクシア製は温度に気を使う製品だがったが、レキサー製はヒートシンクの上に載せて使わなくても十分な冷却効果を得られる。表面を触ってみた印象では、ヒートシンクに載せた状態のキオクシアよりも普通に使っているレキサーのほうが冷たいので単体での冷却性はかなり良いなと感じた。一度冷却を気にしないで使えるものに慣れてしまうと快適で正直、冷却を気にしながら使うキオクシアに戻れる気がしないw

3.5万円もするので万人におすすめできるかというと難しいところだ。2万円のキオクシアとの1.5万円の金額差を考えたときに1.5万円払ってよかったなって他人を納得させることは難しい気がする。
予算がある皆さんは買ってみてもいいと思う。

余談

今回はハイエンドのポータブルSSDを購入してみたが、そこまで金額に対して得られるメリットが大きくなかったので、今回に関しては何でもかんでも高額機材を買うのではなく投資の必要性を見極めるべきだという教訓を残した

安いモデルで実用上十分だったので、買うとしたらこの辺がいいだろう。

  • バックアップ用に安いものを2台買う(1台のSSDだとメモリーカードを消去しないと作業データのバックアップがない状態になってしまい万が一データが破損したときにまずい)

  • 差額でいいカードリーダーやメモリーカードの枚数を増やす(キオクシアとレキサーの差額お1.5万円があれば250MB/s級のモデルは無理でもwrite 150MB/sくらの速度のUHS-ⅡのSDカードを買い足すことはできるので

  • ポータブルSSD以外に外付けHDDも買う(結局のところ、ポータブルSSDはギガ単価が高いし、容量が2TBしかないので1撮影で300GBとか撮る最近の高速連写機では4,5現場のデータを貯めるといっぱいになってしまうくらいの狭い容量なのでポータブルSSDは永久保存用のドライブには向かないのでSSDだけでなくハードディスクも買う必要はある。)

などなど、ストレージ関連の投資は幅広いが効率よく投資したほうがいい。


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