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字幕スーパーがあふれる世界で

不意のnote更新でーす!ご無沙汰しています。

ラジドラBOX「ホテル黒猫へようこそ」というホラーラジオドラマに出演しまして、収録がとっても楽しかったので、その話。

もともと僕はホラーが結構好きだし、馬鹿げて聞こえるかもしれないけれど、お芝居の原点のようなものを感じているのですね。

というのは、

目に見えないものを“あるかのように見せる”

って、ああ、芝居をしてるなー。と思うからなんだけど。

やってみて、特に、ラジオとホラーの相性って、いいな!と改めて思ったりもしました。

聞いている人の想像力を喚起するような、音だけの世界。

ほとんど歴史上の伝説のようだけど、オーソン・ウェルズが作ったラジオ番組「宇宙戦争」がオンエアされた時、(1939年)聞いている人たちが、

本当に火星人に地球が侵略されていると信じて、パニックを起こしたという話もありますし。

まあ、これは、テレビ登場以前の出来事とは言え、想像力がいかにリアリティを持つかという象徴的な事件かもしれないよね。

話は飛びますが、僕は今の日本のテレビ番組の、やたら字幕スーパーが入るやり方が、あまり好きじゃありません。

確かに、面白い部分がわかりやすいし、なんて言ったかわからないというストレスもない。だけど、

あまりに、視点が限定されるというか、ここを面白がってください、という押し付けにもなりうる。

視聴者は想像力を働かせる余地がほとんどない。

僕は、ある物事を観たり聞いたりした時に、その出来事の、どこを面白がるか?というのは、人それぞれであっていいと思うのだよね。

舞台なんかを観ていると、セリフを喋ってない人の居住まいや、リアクションが面白かったりして、誰も笑ってないシーンで一人笑っちゃうことってあるけど、

そういう自由さは、僕にとっては大事です。

なんでかというと、人生において、そういう視点移動の自由さが、「人を救うことがある」と思うから。

チャップリンが「人生は、クローズアップでみれば悲劇。ロングショットでみれば喜劇」といったのはまさにそういうことでしょう。

自分の身に降り掛かった、悲惨な出来事は、視点を変えたら、もしかしたらとてもバカバカしくて、あるいは愛おしいような喜劇かもしれない。

話はとっちらかりましたが、テレビがやたらと字幕を入れるようになった世界に慣れすぎている僕らに、

音だけの世界で、想像力の翼を広げる体験を、是非ラジオドラマを通して感じてみてくださいね。


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