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音楽世迷い言(仮) その10 「Black Savanna(Kan Sano Remix) / Blue Moon(砂原良徳 Remix) 」(2019)/土岐麻子 レコード・ストア・デイ RECORD STORE DAY 2019

私が土岐麻子の音楽を知ったのは、ミッツ・マングローブ氏が「オールナイトニッポン・ゴールド」内で頻繁に彼女の名前を出していたことが切っ掛けだった。

幾度も発せられる名前だったので、なんとなく頭に「トキアサコ」というサウンドは入っていたが、どういう字面なのか、どんなジャンルなのかなど周辺情報を調べるほどの熱量はなかった。それでなくともそもそも日本人アーティストにさほど触手が伸びない私はなかなか聴くチャンスを得ないできていたのだが、新アルバム「SAFARI」のアナログ(盤は可愛いオレンジ!)がリリースされるというタイミングでようやく初視聴してみた。

なんでもっと早く聴いてこなかったんだろうと後悔したくらい、好み過ぎてすぐにハマってしまった。

そんなファンになりたてほやほやの私が待ち遠しくて仕方なかったのがコレ。2019年4月13日に開催されたレコードストア・デイに合わせて発売されたリミックス盤7インチシングル。最新アルバム「SAFARI」に収録されてる「BLACK SAVANNA」と前作「PINK」に収録されてる「BLUE MOON」の2曲を収録している。

「BLACK SAVANNA」はKAN SANOが2ステップ調にオリジナルからテンポを上げて仕上げた「KAN SANO REMIX」というヴァージョン。オリジナルは描写を的確に音化してみせた秀逸なサウンドプロダクションでお気に入りの1曲になっていたが、このリミックスはそんなイメージとは真逆のスピード感溢れるアプローチでリミックスならではの面白さが出た贅沢なアレンジになっている。

B面「BLUE MOON」は御大、砂原良徳氏によるREMIX。彼のサウンドは個人的に大好物なので期待していた。彼らしいロマンティックな音選びと、チルできる浮遊感と実体的な高揚感のバランスが見事だった。このエクステンドバージョンが欲しいと思ったくらい。

優れた才能は優れた才能に集まる。

土岐麻子、やはり恐るべしだな。今度はライブを直で体験したい。それまでは「SAFARI」とこの7インチを繰り返し聞くことにする。

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