見出し画像

LUCA, Fabiana Palladino…最近のおすすめ 5 Best Songs:2024-8

最近の新譜から厳選して5組のアーティストを紹介します。音楽ブログ「abstract pop」の「5 Best Songs」の企画では、国内の音楽メディアでは紹介されないような、海外の新進気鋭なアーティストを紹介していきます。過去に紹介したアーティストは下記にまとめてあります。

Spotifyのプレイリストも更新してます〜


LUCA

NYのハーレム出身のベッドルーム・ポップ・アーティスト、LUCAがデビューEP『Decisions』をリリース。幼少期から音楽に触れてきたそうで、モータウンやR&Bに影響を受けてきたそう。彼がArayaのアルバム『Ethos』で客演で参加したりとしています。
インディーR&Bやネオソウル、ファンク、ディスコなどを絡めたダンサブルでメロウな音楽性が特徴的で、特にギターを主体とした流麗なサウンドが際立っています。グルーヴィーなアフロファンク的な要素なども取り入れた滑らかな曲調が最高で、そこに彼の甘美でとろけるような美声が入ることでさらに陶酔的で中毒性のある仕上がりとなっています。Steve LacyやOmar Apolloなどの空気感を持ち合わせた次世代的なアーティストかと個人的に思います。


h. pruz

NYを拠点に活動するシンガー・ソングライターHannah Pruzinskyによるプロジェクト、h. pruzがデビューアルバム『No Glory』をリリース。Hannahは同郷の新進バンドSister.のメンバーでありつつ、これまでにMutual BenefitやTold Slantともコラボしてきたアーティストです。
h. pruzが作り上げる音楽は、インディー・フォークをベースに、アコースティック・ギターの弾き語りの温もりと、穏やかで伸びやかな歌声によって作り上げる、のどかで安らぎを与えてくれるような作品に仕上がっています。サウンドは非常にミニマルで、必要最低限の音のみで構成されていて、そのオーガニックな質感の響きと、退廃的なムードがまたたまりません。USのフォークシーンの中でも、LomeldaやAdrianne Lenker、Joanna Sternbergなどと共振するようなSSWではないかと感じます。


Niamh Bury

アイルランド・ダブリン出身のシンガー・ソングライター、Niamh Buryがデビューアルバム『Yellow Roses』をリリース。アイリッシュ・フォーク・シーンの新星とも謳われている彼女ですが、現行のアイリッシュ・フォークを牽引するバンドLankumとも関わりがあるよう。昔からJoni MitchellやVan Morrisonなどそこ周辺の音楽をよく聴いていたそう。
トラディショナル・フォークの民謡的なものを下地にしつつ、現代的なフォークの文脈も取り入れた音楽性で印象的で、牧歌的で抑揚のある作品に仕上がっています。深みのある伸びやかな彼女の歌声は、脳裏に情景が浮かび上がるようなシネマティックなもので、ギター一本とその歌声のみでその迫力は素晴らしいの一言。


Fabiana Palladino

ロンドンを拠点に活動するSSW/プロデューサー、Fabiana Palladinoが待望のデビューアルバム『Fabiana Palladino』をJai PaulとA.K. Paulによる兄弟が立ち上げたレーベル〈Paul Institute〉からリリース。作品にもJai Paulが共同プロデューサーと客演で参加しています。
2017年のデビューシングルからJai Paulのレーベルから作品を発表してきて、謎めいたアーティストとして注目されてきたFabiana Palladinoのデビュー作、有無も言わず最高の作品でしたね。80年代〜90年代のR&Bやニューウェーヴなどの空気感を現代に昇華させた、ノスタルジックでSci-Fiなサウンドが魅力的で、耽美で凛とした歌声が絡み合うことで、さらに儚さや淡さも加わる作品に仕上がっています。


damon r.

以前このブログでも紹介したLAを拠点に活動するアーティストdamon rushが、アーティスト名を「damon r.」に変えて活動開始後、初のデビューEP『re』をリリース。こちらも2年前にブログで紹介したデトロイトのレイヴデュオ、Snow Strippersのツアーのオープニングアクトで同行しているそう。
それもあってさらに知名度を上げているdamon r.のEPは、レイヴやdigicore、hyperpop周辺の音楽性を散りばめた、中毒性のあるダンス楽曲が詰まった作品に。Y2Kのムードを絡めたサウンドでありながら、ダークで退廃的なムードを持っているのがdamon r.の魅力でもあります。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?