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abstract pop | x/o, grouptherapy.,Jerome Blazé...5 Best Songs:2022-14

「abstract pop」では、国内の音楽メディアでは紹介されないような、海外の新進気鋭なアーティストを紹介していきます。過去に紹介したアーティストは下記にまとめてあります。

Spotify更新しています〜

x/o

ベトナムにルーツを持つカナダ出身のエレクトロニックアーティスト、x/oがデビューアルバム『Chaos Butterfly』を〈Precious Metals〉よりリリース。今作はプレイステーション2の『ファイナルファンタジーX』の世界観や映画『ファイト・クラブ』などから着想を得ているとのこと。
インダストリアル的な退廃的なビートに、レフトフィールドやトリップホップ、グリッチ、アンビエントなどの要素を掛け合わせたドリーミーでメランコリックな音楽に仕上げています。ハードなサウンド面とソフトなサウンド面といった音のコントラストをうまく使い分け、鮮明な映像が頭に映し出されるようなシネマティックな演出がx/oの魅力なのでしょう。個人的には、暗雲立ち込める夜、雨がふり続ける中、人気のない街でネオンサインがチカチカと光り、地下からレイヴミュージックが鳴り続ける映像が浮かんできました。
しかも今回のアルバムがレコードでも出るそうでめっちゃ欲しい…。


grouptherapy.

LA拠点に活動するJadagraceとSWIM、そしてTJOnlineによるヒップホップ・コレクティヴ、grouptherapy.が新作『Truth Be Told』をリリース。最近ではRejjie Snowの最新アルバム収録の「Disco Pantz」というTinasheも客演で参加している楽曲参加して話題を呼びました。
彼らの音楽は中毒性が高くて、現代的なトラップビートからUKガラージといったダンスミュージックのビート、90's香るブーンバップビートやR&B的なもの、インディーロックまで組み合わせた、多彩なトラックが最高です。そこに矢継ぎ早で力強いラップや気怠げで力の抜けたフロウ、そして甘美でソウルフル、そして妖艶な歌声など三者三様の個々の才能が重なり合って今までにない独創的な音楽に仕上げています。個人的にはBlack Eyed Peas的なカラフルなポップセンスに、BROCKHAMPTONのような現代的なエッセンスを組み合わせたような独自性がgrouptherapy.の特徴だと感じました。


Jerome Blazé

シドニー拠点に活動するプロデューサー/SSW/マルチ奏者、Jerome Blazéが待望のデビューアルバム『Giver』をリリース。個人的に彼が2020年に出したEPに圧倒されたのをいまだに覚えてます。ポスト・クラシカルやインディー・フォーク、アンビエント、エレクトロニカなどを織り交ぜた幻想的でオーガニックな質感の音楽性に虜になってました。そのEPでは彼の歌声は入ってないのですが、今作を制作するにあたって自分の歌声を楽器として捉え、それを自分の中で腑に落ちるまでボーカルワークを試しに試して、今作を出来上げたそう。
とにかく彼の素晴らしい才能は、弦いわゆるストリングスや管楽器の取り入れ方、ピアノやキーボードの音など、ものすごく計算し尽くしたような繊細さ、かつ壮大に仕上げてしまうところ。
小川のせせらぎを感じるような穏やかさがありますが、ふと上を見上げるとそこには大きく広がる草原と山々。そんな情景が浮かぶような彼の作品は、Bon Iver S. Careyなどを彷彿とさせるもの。ぜひ通して聴いてみてください。


Orchid

グラスゴー出身で現在はロンドン拠点に活動するアーティスト、OrchidがデビューEP『Like Thunder』をリリース。
彼女の音楽性は、R&Bとエレクトロニック・ミュージックを掛け合わせたサウンドが印象的で、退廃的でSci-Fiなムードも素晴らしいです。PC Musicを想起させるようなグリッチやバブルガムのような鮮やかで眩い電子サウンド、そしてクールで妖艶な彼女の美声は、FKA TwigsやRina Sawayamaを彷彿とさせるポップシンガーとしてのポテンシャルも秘めてるように感じます。


Toby Corton

イーストロンドン拠点に活動するシンガー・ソングライター、Toby Cortonが新作アルバム『Some Songs Mixtape』をリリース。彼はCOLORSとかにも出たりして既に注目を集めています。ソウルやネオソウル、ジャズ、ファンク、レゲエなどを織り交ぜた、いかにもロンドンらしいと言えるメランコリックでメロウなサウンドに仕上げています。少し甘酸っぱく優美な歌声もアクセントとなっていいですね。


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