見出し画像

Daudi Matsiko, EKKSTACY…今週のおすすめ 5 Best Songs:2024-2

今週も新人の新譜から厳選して5組のアーティストを紹介します。音楽ブログ「abstract pop」の「5 Best Songs」の企画では、国内の音楽メディアでは紹介されないような、海外の新進気鋭なアーティストを毎週紹介していきます。過去に紹介したアーティストは下記にまとめてあります。

Spotifyのプレイリストも更新してます〜


Daudi Matsiko

ウガンダをルーツに持つUKのノッティンガムを拠点に活動するシンガー・ソングライター、Daudi Matsikoがデビューアルバム『The King of Misery』をリリース。UKのラジオDJ・Gilles Petersonをはじめ、ラジオを中心に多くのDJや聴き手を魅了したというアーティスト。
それもそのはずで、彼の音楽を一聴するとスッと彼の音楽世界へと導かれるような不思議な魅力を持ったサウンドを奏でています。静寂の中に密かな情熱を帯びた、優美で穏やかな美声。アコースティック・ギターの流麗で柔和な旋律。時にはチェロが、時にはサックス、時にはピアノがそれぞれのメロディーと美しく溶け合い、フォーキーで牧歌的な素晴らしいサウンドスケープを生み出しています。Nick DrakeやElliott Smith、そして最近のKara Jacksonのように、聴き手の苦しみや不安に寄り添ってくれる力を持った、シンガー・ソングライターだと感じます。


Anjeli & Ledbyher

ロンドン拠点に活動するアーティストで実の姉妹、Anjeli & Ledbyherが共同で初のEP『achy』をリリース。Ledbyherはgirliのツアーのサポートアクトも務めたことのあるアーティスト。
2人でトラックからプロデュースまで手掛けたという本作は、メランコリックで淡いトラックが特徴的で、クールで甘美な2人の歌声が重なり合うものに。R&Bやヒップホップ、ベッドルーム・ポップなど、そこにサイケデリックなテイストを加えた音楽性は、現行のアンダークラウンドなロンドンのポップスに通ずるサウンドだと感じました。かなり精巧で独特なトラック含めて秀逸です。


Torri Weidinger

NYを拠点に活動するチェロ奏者/シンガー・ソングライター、Torri Weidingerが新作EP『in the back of my closet』をリリース。
颯爽に靡くような瑞々しく甘美な歌声に、インディー・フォークをベースとしたオーガニックで木漏れ日のように煌びやかな音楽性が重なり合った、透明感あふれる作品に。フォークにアンビエント、フォークトロニカ、インディー・ポップなどを織り交ぜ、そこに数々のストリングスやピアノ、ノイズなど、曲によっては実験的な試みをしている楽曲もあり、そこも魅力的でした。Luna LiやS. Careyなどを想起させるドラマティックなメロディーセンスもあるので、そこら辺好きな人にもおすすめです。


Lily Seabird

アメリカのバーモント州・バーリントンを拠点に活動するSSW/プロデューサー、Lily Seabirdが新作アルバム『Alas,』をリリース。
今週のアルバムをディグっているときにたまたま見つけた、個人的にも衝撃的なアーティストです。Big ThiefやSoccer Mommy、Runnnerなどそこら辺のUSインディーやSSW好きであれば間違いなくどストライク間違いなし。ゆらゆらとした穏やかなフォークさに、ノイジーでオルタナなギターサウンドが混ざり合った音楽性に、少しダウナーで凛とした歌声が乗るという、最高なサウンドでした。シンプルなメロディーと音楽的構成、すごい才能を秘めているかと。


EKKSTACY

カナダ・バンクーバーを拠点に活動するアーティスト、EKKSTACYが自身の名前を冠した新作アルバム『EKKSTACY』をリリース。
近年のKennyHooplaやJean Jean Dawsonと同じような文脈で、オルタナやインディー、そしてヒップホップなどが絡み合ったサウンドを奏でるアーティストが増えてきましたが、彼も近年その中で頭角を表してきています。
彼の音楽性は、80年代のポスト・パンクや、10年代のThe Drums、DIIVやBeach Fossils、Cloud Nothingsを彷彿とさせる、ダークで疾走感のあるバンドサウンドが印象的。そこにエモーショナルで淡い彼の歌声がミックスされる感じは、個人的には非常に懐かしくもありつつも新しさを含んだサウンドに感じました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?