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Searows, Lucy Tun…今週のおすすめ 5 Best Songs:2023-40

今週も新人の新譜から厳選して5組のアーティストを紹介します。音楽ブログ「abstract pop」の「5 Best Songs」の企画では、国内の音楽メディアでは紹介されないような、海外の新進気鋭なアーティストを毎週紹介していきます。過去に紹介したアーティストは下記にまとめてあります。

Spotifyのプレイリストも更新してます〜


Searows

USのポートランド州・オレゴンを拠点に活動するAlec Duckartによるインディー・ベッドルーム・プロジェクト、Searowsが新作EP『End Of The World』をMatt Maltese主宰のレーベル〈Last Recordings on Earth〉からリリース。
昨年彼が自主で発表したアルバム『Guard Dog』に出会った時は、こんなにも透明度が高く中性的で神々しい美声があるのかと驚きました。TikTokを中心に人気を博した彼ですが、TikTokを通して出会ったMatt Malteseも同じく彼の美声に魅了された1人です。
素朴で温かみのあるアコースティック・ギターのストロークに、シルキーで柔和な美しい声のみというシンプルな弾き語りで、ここまで琴線に触れることはあるだろうか。Phoebe Bridgersをはじめ、Adrianne Lenker、Skullcrusher、Etta Marcus、runo plumなどこのブログを通してさまざまなインディー・フォーク系のアーティストを紹介してきましたが、Phoebe Bridgersを肩を並べるほどの新人が現れたと感じています。今後もますます彼から目が離せません。


Lucy Tun

ミャンマーをルーツに持ちロンドンを拠点にDJ/トラックメイカーLCYTNとしても活躍するアーティスト、Lucy TunがデビューEP『Unreal』をリリース。
ベッドルーム・ポップ系のサウンドを軸としつつ、彼女がDJの面を活かしたエレクトロ・ポップやダンスミュージック、マッドチェスターなどを取り入れた煌びやかでダンサブルな音楽性が魅力的。甘美で可憐な歌声も合わさることでより華やかな作品に。


June McDoom

NYを拠点に活動するシンガーソングライター、June McDoomが新作EP『With Strings』をレーベル〈Temporary Residence Ltd.〉からリリース。
60〜70年代のアシッド・フォークから、ジャズやソウル、ボサノヴァなどを、現代的なアンビエントを絡めた、荘厳でありながら幻想的なサウンドに仕上げた一作。彼女の甘くて瑞々しい美声は異世界に誘うようで、さらにストリングスの音の厚みが加わることで夢見心地な気分になるEPに仕上がっています。


Niecy Blues

サウスカロライナを拠点に活動するシンガー・ソングライター、Niecy Bluesが待望のデビューアルバム『Exit Simulation』をリリース。彼女に初めて出会ったのがContourとの関わりから経由して知って、2020年のコロナ禍に発表した3曲入りの作品『CRY』で心を鷲掴みにされました。そこから約3年、個人的には待望となるアルバムです。
SolangeやTirzah以降となる、ottaやUma、Sarah Meth、Lea Senなど主にサウスロンドンシーンで発展しつつある、アブストラクトで淡いR&Bサウンド
と共振するような作品に。ニューエイジやジャズ、エレクトロニカなどの要素を絡めて、耽美で厳か、夢幻的な音楽世界を繰り広げています。


dyl dion

ノースカロライナ出身のベッドルーム・ポップ・アーティスト、dyl dionがデビューEP『bad weather』をリリース。プロデューサーにはd4vdのEPに収録されてる「The Bridge」のプロデュースにも参加したMichael Harrisonが全曲参加しています。彼のアーティストとして面白い部分が、プレイリスターとしても有名ということ。彼の更新しているSpotifyのプレイリストたちのフォローワー数がえげつないです。TikTokで毎回更新しているらしんですけど、それがバズって結果的に彼のアーティスト活動の方も広がっています。
彼の作り上げる音楽は、淡く儚げなサウンドスケープが特徴的なベッドルーム・ポップに仕上がっていて、Jimi SomewhereやDreamer Boyなどに通ずるような感じです。彼の甘酸っぱく優美な歌声も相まって、シネマティックな音像が駆け抜けていくよう。


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