修道院で作られる、癒しのリキュール

30歳を越えると、何かにつけて、行動に責任がついて回る。そして、日々様々な決断を迫られるものだ。

辛くても苦しくても、前を向いて、背筋を伸ばす。誰かのせいにしたり、人の悪口を言ったりしない。楽をしようと思ったら、いくらでも堕ちていってしまう。

みんなの前だからとか、立場があるからとかじゃなく、自分を嫌いにならないために、いつだって凛としていなくてはいけない。

「美しく生き、美しく死ぬ以外に、価値などあるだろうか」

と言ったのは三島由紀夫だったか。今の俺はどうだろう。美しく生きていると言えるのだろうか。

高い山を登り続けるように、日々を過ごして、ちょっと腰を下ろそうとたどり着いたバーで、きまって頼む酒がある。

シャルトリューズというリキュールだ。

シャルトリューズは、フランスの修道院で作られる、400年以上の歴史がある、世界で最も古いリキュールの一つ。
修道院でリキュールというと意外に思う人もいるかもしれない。しかし、シャルトリューズを始め、修道院で作られてきたリキュールは、意外と多いのだ。

もちろん神父たちが酔っぱらう道楽のために作ったわけではなく、元は薬用として使われていた。アルコールは気つけ作用として、砂糖は疲労回復の甘み成分として、そこにシナモンやナツメグを始めとした130種類のハーブを加え、樽で熟成する。

飲めば永遠の命が手に入ると言われていた秘薬だ。標高1000メートルもの山奥にある修道院では、疲れた旅人を癒すために、シャルトリューズを振る舞ったという。

当時の、険しい山道を登った旅人たちに思いを馳せながら、そんな旅人たちを癒した酒を飲みながら、また明日、頑張ってみようか。もう少し、山を登ってみようか。そんな気分にさせられる酒だ。

では、よい夢を。

今回紹介したお酒

シャルトリューズ・ヴェール

シャルトリューズ・ジョーヌ

シャルトリューズを使ったオススメカクテル

アラスカ

シャルトリューズ・トニック


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