【VFK】開幕 山形戦1-2
こんな2.18が訪れるとは、夢にも思わなかった。ここまで酷い試合が待ちに待った甲府の開幕戦だなんて。
スーパーカップ。中盤が全く整備されておらず、個人技と根性でなんとかマリノスに食らいついた。セカンドボールはことごとく回収され、中央は蹂躙された。
相手がマリノスだったからなのか、そもそもチームがチームとして成り立っていないのか。開幕戦で後者であることが明らかになってしまった。
昨年よりも見られた選手同士の話し合いは、前向きなものというよりは、無から有を生み出すための必要に駆られた行動なのだろう。
どこで奪う、どう運ぶ。
チームとして描かれるべきオーガナイズは、選手たちの中に描かれているのだろうか。
一瞬の閃きや卓越した個人技で突発的にゴールを奪えるだろうが、整備される気配のない守備は崩壊の一途を辿る。
早急にテコ入れしないと、まず間違いなく、歴史に残る低迷をすることになる。
山形は強い。
それ以上に夢や希望を見出せない自軍のありように言葉にならない苦しさを覚える。
駄目なことだけはわかるが、なにをどうすればいいという考えが浮かばない。ここを、こうすればという枝葉の議論になる以前の、根本がチームにない。かける言葉が見つからない。
最終ラインの統率は山本に、決定力はウタカに、サイドの攻略は三浦、水野。セットプレーは品田で、中盤の活性化に武富。個人に依存する場面ばかりが目に届く。
選手個人個人はいい選手でそれぞれが全力で勝利を目指して戦っている。
それを最大限引き出す、弱点は補い合うポジショニングや組織、約束事を整理してあげるのが監督の大切な役割で、それが果たされているようには到底見えない。
だからこそ、大塚ヘッドコーチには、吉田達磨前監督のエッセンスと、篠田監督のやりたいことを上手くミックスして、トレーニングから選手たちに落とし込んでくれることに期待している。
組織としての成長がない限り、来年度もJ2にいられる可能性は低い。J1昇格は夢のまた夢。
チームの最高責任者は監督だが、チーム作りは選手、コーチみんなで行うもの。最大限の危機感をもって、チームの戦い方を選手間で統一しなければならない。
大ベテランに2戦連続フルタイム出場してもらわねばならないほど守備の構築ができない原因が何か、真剣に向き合わないといけない。
ミスはなぜ起きるのか、セカンドがなぜ取れないのか、サイドはなぜあんなにも簡単に突破されるのか。スーパーカップで見つけられたはずの課題に修正は加えられたのだろうか。
方向性が間違っているとかそれ以前の、ピッチ上で選手が困惑し、迷っている現状を打破しないと、3月には取り返しがつかなくなっていると思う。
キャンプの時間はもう戻ってこない。だが、昨年度を経験した選手たちだ。勝利のためにできることを自分たちで考え、全力で取り組んでくれるだろう。
キャプテンを務める須貝に、昨シーズンの長谷川のような辛い顔をさせたくない。勝利を分かち合いたい。
そのために、サポーターができるのは、選手の闘志が燃え尽きないように、歌を、手拍子を響かせることだけ。
真に、自ら考え、主体性をもち、勝利を掴み取る集団への進化。須貝、山本、関口、荒木。彼らならきっとやってくれる。
このままではいけない。
圧倒的な危機感の共有。
この警鐘を高らかに響かせたことについて、価値ある開幕戦だったと言えるかもしれない。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?