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スポーツ市場にどう最適化してアプローチしていくか

私自身が実際にどうゆう選択をして、どうゆう考えなのかリアルな思考を書いていきます。あくまで個人的な考え方です。これが正解ではありません。

市場とドメイン

市場選択に関しては「市場で全て決まる」という投資家や経営者がいるくらい、大事になってきます。大きい市場、もしくは伸びる市場でなければあなたのやる事業は伸びないか、規模感がなくなるわけです。ビジョンが壮大であればあるほど、市場選びに失敗すると無謀になるわけです。ニッチになればなるほど小さくなり、稼ぐことは難しくなります。わかりやすくいうと、選手として、競技を選択した時点で稼げる金額の限界が決まるということです。

個人で生きるレベルであれば、大きさは関係ないかもしれませんが、市場の把握はするでしょう。それくらい市場選択は大事です。

例えば、“国内”市場においてはスポーツ市場は2015年に5.5兆円だった市場を2025年に15.2兆円に成長すると言われていますが、その数字が定かかどうか別として、今より伸びる市場であることは間違いないわけです。とはいえサイズで言えば、大きくはないといったところです。

弊社の『企業ドメイン(企業の活動の範囲や領域 )』は『スポーツ』になります。Ascendersは、『スポーツ企業』としてドメインを設定しました。

何度も言ってますが正直、スポーツに特別好きという感情を持ち合わせていません。嫌いではないです。身近なスポーツ好きの人と比較すると、間違いなく、好きじゃない部類です(とにかくみんなのスポーツへの愛が素晴らしい)私自身はスポーツをしていた人が好きだった、周囲の仲間に多かったからです。

経営戦略に感情は必要ないです。コミットできて、感情のボラティリティ(上げ下げの変動率)がないのが理想です。一番信用ないのは「今モチベ高いんで」と言う言葉。「あ、この人はモチベ高いから今この状態なんだ」と判断されます。低くてもハイパフォーマンスだと思われるのがベストです。

ちなみに、私はやる気あってもやる気ない顔と言われて育ちました。これはこれで損します。


市場セグメンテーションと事業ドメイン

事業ドメイン(企業が市場で競争優位性を獲得するための事業領域)を設定する際は、自社が行う事業の将来性や可能性、顧客、技術、機能を軸としたコア・コンピタンス(競合他社を圧倒的に上まわるレベルの能力、真似できない核となる能力のこと)を正確に理解、把握し、競争優位性を獲得できる最適な市場調査と市場の選択が求められます。

弊社の選択した事業ドメインはHR(Human Resource)です。人、人材領域ですね。人にフォーカスした事業です。

先ず事業を始める前に自社として何をもっているか?

顧客に何らかの利益をもたらす自社の能力競合相手に真似されにくい自社の能力複数の商品・市場に推進できる自社の能力

を有してるかが大事になります。
なので、弊社のスポーツHR事業において、自社の能力は何かということです。Ascendersが創業からの強み、今も変わらない強みはなにかを当時から考えていました。


会社の強み

あなたが選んだ市場での競争においてあなた方の強みがどこまで有利なのか?

弊社の場合、市場セグメンテーションが決まってるので、サービスを展開する際に対象である顧客の「思考」と「嗜好」を分類し、市場をさらに細分化した上でいくつもの事業をつくって相関的にシナジーを生む戦略をとっています。

これは市場を定めたとして、顧客や消費者のニーズが多様化、複雑化する中、市場を細分化し同質のニーズを持つ顧客群を見つけ出した上で、効率的に事業展開を行うための有効な市場戦略が必要になってくるからです。ただし、最終ビジョン(ゴール)からの逆算。これはブレてはいけません。目的を失う可能性があります。


先ずは支える側にフォーカス

スポーツにおける事業を考える上で「選手、体育会、ファン」といったワードにいきがちな中で、支える側を「インキュベート(育成)、マネジメント(管理)、エージェント(繋ぐ)」にフォーカスした会社はないのではと思いました。

支える側を増やすことが業界を変え、選手にもファンにも価値を提供できると、さらに主役である選手を輩出し、成長させれる人の集団こそキーになると思ったわけです。その中で組織として個が活きる会社がベスト。

最初は競技を絞らない、全競技共通項である「身体」の専門家に注目した組織作り。こちらは横に展開することもできる、専門性でありながら汎用性高いからです。

冒頭で市場選択で全て決まるといいましたが、例えばサッカーに絞ったらそれはサッカー市場になります。弊社はそもそもスポーツに絞っていたからこそ、競技を絞ってはより狭くなってしまうことは避けたい。

身体の専門家を集めることはスポーツ市場だけでなく、親和性の高い市場に参入しやすい領域だからこそやる意味ができてきます。

トレーナー、栄養士、身体の専門家から始めた理由はなんとなくイメージできたのではないでしょうか?

例えば、オスカープロモーションは、「美文化の創造」を、 あらゆるエンターテイメント分野で具現化するプロ集団です。女優・歌手・タレント・モデル・アーティストは6800名が所属しています。さてオスカー所属を何人言えますか?

我々が目指すところは「スポーツ文化の創造」をあらゆるスポーツ関連分野で具現化するプロ集団です。選手・トレーナー・栄養士・指導者・ビジネスマン・タレント・モデル・アーティスト・クリエイターなどなど、6000人所属する会社なんてワクワクしませんか?

育成やスカウト、オーディションといったものにも将来的には力をいれていくことでしょう。スポーツ界のNSC(吉本興業の養成所)ができて、1期生は誰になるんでしょうか?笑

現状の「他業界の企業→スポーツ事業」ではなく「スポーツの企業→他業界事業」に参入する構図が必要なのです。1000回くらい、これ言ってます。これこそスポーツ産業を伸ばすキーになると思っています。1兆円のスポーツ企業になるために不可欠な考え方です。

実現、実行するためには、「企業カルチャー」と「組織の優位性」がある企業がこの領域に限らず、勝ち残る要因だと思っています。

「企業カルチャー」は企業の根底にあるもので勝てるチームなのか?どんなタイプの人が集まってくるのか?全員が「私たちみたいな誰か」を対象に、仲間として発信することが大切だと考えています。


企業カルチャー

AscendersはAscend(上昇する)er(人)のs(集まり)なので、上を目指し成長し続ける人が集まる会社です。

口で言わなくても、無意識化でそれができて、やっと文化と言えるでしょう。それらは「コアバリュー」や「行動規範」などによって明文化され無意識化されます。

Ascenders創業前にシリコンバレーでGoogleに、そしてラスベガスでZapposに行ったことが大きなきっかけになりました。企業カルチャーこそ継続的な成長になると、スポーツの世界も強いチームのカルチャーこそトップチームであり、日本でも強豪校と呼ばれてきました。

「組織の優位性」は非常に大きいと思っています。個の力なんてたかだかしれています。また、ビジネスモデルだけだとお金や数で後発でも実現、対抗できる可能性もありますが、その組織の特性とビジネスモデルやスキルが密接であれば、より優位ですし、簡単にはマネできなくなります。

ビジョンを設定して、描いたものを言語化する、すると必ず自分と同じビジョンを持った人がいるはずです。それをやろうとした自分より優秀な人たちができない、できなかった理由を分析する。同じ戦略では意味がない。失敗する例、原因を分析し、言語化する。その対策をしながら戦略を練ることが大事になります。

複数の事業を持つ場合、それぞれの組織に裁量を与え、オーナーシップを持つことで、事業を成し遂げる時の「組織としての能力」や、その組織が持つ独自の強み、ケイパビリティを高めていくことができます。


成長曲線と成長戦略

ビジョンや会社の在り方で、成長曲線も違うので、戦略も変わります。エグジットするかしないか、IPOするかバイアウトするのか、その期間はいつまでなのかでも戦略は変わってきます。

調達をしてエグジットを考えるのであれば、一気に成長しなければいけません。キャズム超えるまでは非常に辛い時期も過ごします。徹底して仮説検証とユーザーインタビューをしてプロダクトに磨きをかけ、顧客の声を聞いてUXを改善し、マーケットフィトしなければいけない時期があります。

スタートアップはリスクを背負い、一気に成長する戦略のもと大きく飛躍して利益を出し、成長し続けなければいけません。しかし、必ずしもその戦略がマーケットや領域にフィットするとは限りません。

弊社が参考にしてるエス・エム・エスの諸藤さんのインタビュー記事で(https://signifiant.jp/articles/shuheimorofuji-president-2/

将来大きくなる潜在的な市場は、その複雑性から当初は顕在化している市場が小さすぎるので、大企業が収益を確保しながら参入できるだけの余地がない。そうした市場は事前予測でのシステムアプローチをしようとしてもスケールしないために、ワンプロダクトで突き抜けられない。
世の中の多くのスタートアップは、ワンプロダクトで大きく成長していくことを前提としており、VCもそうしたストーリーに投資するとなると、従来のVCやスタートアップの発想だと、エス・エム・エスのような事業は創りづらいのかもしれませんね。
起業家にしても、日本の場合、基本的にアメリカの事例をパクったワンプロダクトで上場できちゃうじゃないですか。同時に、そうやってワンプロダクトで上場した会社は、事業領域にフィットしなくなって、次に行けなくなることが多いとは思いますが。
介護業界にも、ベンチャーキャピタル(VC)から資金調達していきなり大がかりなシステムを作る会社もあったのですが、それが凄いことなのかも分からなかったですし、絶対ワークしないんじゃないかという感覚がありました。実際にその会社はワークしなかったんです。どうして、いきなりシステムをつくる会社がワークしなかったのかというと、介護業界は、行政の動向と、実際の介護事業者の動向と、ユーザーのリテラシーが複雑に絡み合うので、それらを事前に一つのシステムに差し込もうとしてもうまくいかないからです。それなのに、他の会社は技術に自信がありテクノロジードリブンで資金を調達して事業を進めていたので、システムは完成するんだけど、うまく顧客を集めてそれを活用してもらえないままに死んでいくんですね。

スポーツという潜在的な市場は、その複雑性から当初は顕在化している市場が小さすぎるので、大企業が収益を確保しながら参入できるだけの余地がない点において当てはまります。

スポーツ業界は、行政の動向と、実際のスポーツ事業者の動向と、ユーザーのリテラシーが複雑に絡み合うので、それらを事前に一つのシステムに差し込もうとしてもうまくいかないのです。

スポーツ界に足りないのは、ゴールから逆算した圧倒的な成長戦略のもと、連続的に変革を起こし、継続的にアクションを起こせる企業を実現できる企業だと思っています。


今後の動向最終的な着地点

HR、人にフォーカスした複数のサービスを展開、人を使ったソリューションを展開、オンラインとオフラインで人課題を解決していきます。最終的にはAscendersはスポーツ総合商社になろうとしてます。親和性の高い領域からスポーツ企業→他業界の産業に積極的に参入し、事業ドメインを広げていきます。

「人→モノ→情報」という事業戦略をスポーツの世界、そして他業界に広げていくので楽しみにしてください。

自分にしか発信できない、スポーツに関わる全ての方にとって役立つ情報をGiveし続けたいと思います。