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創業ストーリー (裏版)これまでの話

こちらは「創業ストーリー (表版)これまでの話」のnoteに一部連動してますのでそちらも見ていただけますと幸いです。このnoteは創業から今までの感情の話です。


創業前の話

起業して約6年、Ascendersを創業してからは5年が経った。スポーツ領域で起業してから今に至るまでの話をしていきたい。

なんで起業したか?社長になりたい、金持ちになりたい、ビックになりたい、自由になりたい、そんな考えは全くなかった。たぶん普通に就職して安定して生きていく人間だと思っていた。

起業した理由に野心もないし、綺麗事もない。成り行きだった。借金背負ってお金稼がなきゃやばい。必死にやっていたら「起業したら?」って言われて「キギョウ?...企業??」くらいのレベルだった。最初から強い想いと明確な目的は必要はないと思ってる。想いや視座は後からつくし、そこを高めれば最終的その領域のトップにもなれる。速いうちに軸と進む方向だけ決めておけばいくらでも修正できる。

バスケ始めた時は田舎で1年間で0勝全敗で勝った経験なんてなかった。でも気がついたら全国の上のレベルでやってた。「プロになれた?」と聞かれたらはっきりイエスと言える。当時のJBL1部は8チーム、これは入れないなと思ったから諦めた。今Bリーグは36チームある。トップでやれないならきっぱり辞めよう。自分で限界のラインを見極めるタイプだったし、線引きは正確な方だ。ただスポーツにはそのレベルに見合う才能とメンタリティが必要でどちらかが欠けたらトップには100%なれない。

早稲田に行くために浪人を選んだ。だって浪人するのに「早稲田行く」くらい言わないとかっこ悪いと思ってたから。なんで東大じゃなくて早稲田なのかは高3の時に亡くなる前におじいちゃんと最後に交わした約束が「早稲田にいけ」だったから。高校最後のウインターカップで顧問に試合中に「お前は大学行けない恥なんだからこれ以上、恥かかせるな」って言われた。バスケもきっぱり辞めて勉強を選んだけど模試の結果は偏差値28だった。1年あればいけるっしょと思ってた。

結果、早稲田には受からなかった。やばい、かっこ悪い。誰に会いたくない。携帯も解約して引きこもりを選択した。高卒で働こうかとも思った。でも東日本大震災があって、バスケを始めた思い出の地の仙台が被災にあい、直後に小学校の友人と話をして、もう一度頑張ってみようと思った。

実は1年目の方が頑張った。2年目は自分のペースでやった。結果そっちの方が伸びた。偏差値は77までいった。早稲田に合格した。入ったのは社会科学部で早稲田に入った後の話は別のnoteにも書いてるので読んでもらえると分かるかと。ちなみに最初はサークルで楽しむ普通の大学生だった。意識高い系では全くなかった。その後、色々あり「創業ストーリー (表版)これまでの話」の前書きに書いてあるように大学在籍時に数百万の借金を背負ったのが、起業したきっかけだった。

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創業して思った疑問

Ascenders株式会社のビジョンは創業当時から「スポーツの夢の国を創る」なのだが、たぶんこんなこと言うキャラじゃない。ただ何か始める時には昔から夢見る癖はあった。バスケでもNBA選手になる!勉強も1年で偏差値50上げる!根拠はないけどできそうなイメージだけはあるのだ。当然その道を知らないからでしかない。今では仕事に関してだけは制御できてると思う。

創業してから思い通りに行くことなんてなかった。最初は結局できることからやるしかないので、やりたいことは大体できない。一歩一歩進んでいくしかない。生きていくために先ずは稼がないと。1年目は食べていけるが投資に回せるほど余裕もなかった。5年後は?このままではダメだと不安しかなかった。

影響を受けた企業がGoogleとZapposだったのでIT企業にならねばと思っていた。就職経験もないし、IT領域に詳しいはずもない。プログラミングもちょっとかじってみたが向いてないと思い自分でプロダクト作るのは無理そうだった。でもアプリに挑戦したい。今思うとなぜアプリだったのか...webサービスでもよかったのではと思うけど、きっとアプリに憧れがあったのだと思う。

ベンチャー界隈のカンファレンスに参加したり、業界の人たちと繋がる機会があって、同年代の起業家、先輩起業家はビジネスを始めた理由は様々だったし、でも正直「なんか違うな」と思うことも多々あった。

きっとそれは体育会系と文化系の帰宅部との空気、感覚の違いに似たようなものだろうなと当時は思っていた。彼らの合理的な考え方、市場の捉え方、課題から始めるなど、むしろ自分も性格的にはそっち側が性に合うと思った。でもそこに熱狂を感じなかったし、なんか違和感を感じていた。

ベンチャーで数年経験して起業したり、昔から起業を志している人もいた。なぜそれをやってるかWhyを聞いても、そんなに強い熱を感じない。もちろん原体験を語る人もいるけど、本当にそうなのかな?なんて思うこともあった。後付けじゃないかな?会社を大きくできるならなんでもいいのかな?とか思うこともあった。

ピボットなんて当たり前、確かに手段はなんだっていいと思うけど、課題解決の意志やその業界への想いはそこにはないのかと思ってしまうことは正直あった。市場がない、お金にならない、だから続かないというのも分かるし、じゃあ辞めようとなるのか…

もちろん、熱を持ってやってたり、強い原体験からやってる人もいるし、最初は興味がなくても市場を選んで必死に理解するように努めて挑んでる起業家もリスペクトしている。

Why?

過去に、エンジェル投資家やVCに言われた「稼ぐためだけならスポーツである必要もないし、君がやらなくてもいい。君たちの強みを活かしてビジョン実現のために橋本くんにしかできない事やってほしい」と稼ぐためにサービスをやろうとした時、言われたことだ。

なぜ自分がその課題に挑むのか。自分しかいないからなのか、その課題解決で世界がもっと良くなるから、できるだけ早く解決したいからなのか。特にそうゆう理由がなければ、どこに課題があり、どこに市場があるのか?伸びるのか?どこから始めるのか?きっとそうゆう考え方でやっている起業家も沢山いるし、だからこそ彼らの判断はタイミングが重要で、組織力や資金力も大きい要因になる。

私がスポーツというドメインで始めたのは、ちょっとしたきっかけがあったからだけど、今でもこのスポーツ領域で挑み続けるには理由がある。上記のような起業家と同じである必要もない、競う必要もない。自分にしかできないこと、自分たちがやらねばいけないことをやればいい。

しかし、スポーツにおける強い想いや強烈な原体験やスポーツ界に蔓延する課題を解決したいかと問われたら実はない。このギャップに悩んだ時期があった。スポーツでスタートアップが少ないのは何故か?スポーツやってきた人は人口の半数以上だ。熱意を持ってやってた人も多い。でもなんでこんなにビジネスにならないとか、無理だとか言われるんだ。

会社としても何度も資金がなくなりそうになり、潰れかけた。個人で借金したり、自分の給与を止めたり自分1人で生きる方が遥かに楽で、スポーツじゃないことやった方が稼げるのでは?何度も自問自答した。

何者でもない自分が、小さな会社で自分たちに何ができるのか?お金も無くなるし、思うようにいかないことばかり。なんでお金もリソースのある企業やチームがやらないのか?むしろそこに就職して、そこでやればいいのでは?

就職しなかったのは、そう言って企業に就職した先輩たちが10年近く経ってもできなかった現実を知ったから。そんな待てるのか?次のオリンピックが東京なのにだ。チャンスなんて来ない。なんならそもそも確率は5%にも満たないのかもしれない。それなら自分たちで挑む方が後悔はないかと考えたこともあった。

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プライド以外に何がいるのか

本当にスポーツやりたいんだっけ?高校時代に「早稲田行く」と言って浪人した時に近い感覚だった。途中で投げ出せないだけ?「スポーツの夢の国を創る」って言ったからにはやらなければ...。それは使命感ではなく責任感だった。いや、ただのプライドでしかなかった。

創業して3年目で一旦、割りきった。理由がかっこ良くなくてもいい、原動力がただのプライドでもいい、諦めずやればきっと結果が出る。今までもそうだった。「NBA選手になる」「1年で早稲田に行く」って言ったし、両方とも思い通りの結果ではなかったけど、それなりのところまでいけたじゃないか。

プライドから使命に変わった瞬間は、実はつい最近だった。コロナになって世界が変わって、スポーツも大きな影響を受けた。そんな中でAscendersの存在意義、これからどうあるべきかを考えた。そして、より解像度を上げるため、リブランディングを決意した。言語化を徹底し、ビジュアル、戦略に落とし込むようにした。

会社メンバーで初の合宿をやって、これまでやっていた事業を全て辞めて、自分たちが本当にやりたかったことに挑みたいと伝えた。この時、組織としてあまりいい状態ではなかったけど「1人になっても、この道に進もうと思ってる」という覚悟をボイスメッセージや長文にして会社メンバーに送った。

これまで社員はひとりも辞めてないし、メンバーのほとんどが残っている。1on1でもメンバー1人1人にAscendersで何をしたいのか、何を成し遂げたいのかを再度確認にして、Ascendersはその成し遂げたいことを叶えれる場所にすると決心した。

「スポーツの夢の国」って何?ってよく聞かれる。スポーツの夢の国とは内に向けて言うなら「スポーツで夢を持つ人たちが集まり、夢を叶える場所」であること。外に向けて言うなら「スポーツのあるライフスタイルを実現する」ことである。もちろん具体的に目指すものも数字も戦略もある。

私自身にスポーツに熱狂を持ってるわけでもなく、強い原体験があるわけではない。ただ10年間バスケをやっていただけだ。でもスポーツという世界で、それも現場に近い領域で5年ほど関わってきて、このスポーツという領域には強い原体験を持った人が沢山いて、凄まじい数の熱狂がある。色んな想いがある。人生を賭けるほどの想いだ。

視座を高くする

Ascendersの代表として、合理的に考え、市場、課題から考え、何から初めてどう繋げることが彼らの熱狂を理想の形に繋げれるのかを考えなければ行けない。そこには高い視座が必要だと思った。

よく「視座を高めろ」と言うが、スポーツ界で視座を高くとは何を指すのか?「視座を高めろ」を言い換えると「より上の立場の人の視座から物事を見る」とか「より長期的な視点で考える」つまり「上の立場から視点は遠くに、視野は広くして考える」ということ。

視座によって捉え方も考え方も人によって違う。ある事柄に対して抱く問題意識は、立場や視座によって異なるということだ。私は視座が高い方と言われるが、それは周囲の人たちとAscendersのおかげだと思っている。

スポーツ領域は目の前の課題、近くの困っている人を助けたいという想いがある人はかなりいる。強い原体験があるからだ。故に、スポーツをそこまで産業構造的な視点で考えて構造変化を考えてる人は極端に少ないと思っている。

ただ個人の目の前の課題を解決する行動を高付加価値にして最大化する仕組みがない。レバレッジをかけて成長する産業にするにはどうしたらいいのか、彼らの価値を上げて、日々の生活を支える基盤(下部構造)をどう構築するか。スポーツ界にお金が循環するエコシステムとインフラをどうやったら整備できるのかを5年間考え続けたからだと思う。

5年たったがスポーツで大きく変わった領域もある。私がやっていたバスケ界なんてまさにそうだ。10年以上前、バスケ界に未来など感じてなかった。今では当時信じられないことが起きてる。

スポーツ界のミクロの課題、目の前の課題を解決してくれるのは熱狂をもったAscendersのメンバーやパートナーだ。自分のやることはマクロの課題を解決すること。ミクロの課題がより早く、楽に解決できる環境をつくること。それを実行する組織を作ること。

「君たちの強みを活かしてビジョン実現のために橋本くんにしかできない事やってほしい」そう言ってくれた人が投資をしてくれて株主になってくれている。

親にも株主にも会社メンバーにもパートナーにも感謝しかない。率いてるつもりもない。諦めが悪い代表なだけだ。ただ、創業から変わらないことを言い続けてる。きっと思い通りにはならないが、理想に近づくことは約束する。時間は少しかかるかもしれない。でもきっと大丈夫、うまくいく。

諦めなかったらある程度のレベルで結果は出せると思ってる。世界一になれなくても世界8位くらいになれるかな?あとは想いを引き継いでくれた人がやってくれる。小中高と1個下が毎度1位になってるジンクスもあるから大丈夫だろう。

最後に

これが創業ストーリーの裏側の話。イメージと違ったら申し訳ない。橋本という人間の素が少しでもわかってもらえたらと思い書いたがこういった内容のnoteはこれを最後にしたい。自身のブランディングをしっかりとやってビジョン実現に繋げていこうと思う。これから知る人もいると思うので。そのために自分という人間をアップデートしていかなければいけないから。

素晴らしいプロダクトを作るには素晴らしい仲間が必要で...
大きな資金を得るには素晴らしいプロダクトが必要で...
大きな実績を上げるには大きな資金が必要で...
大きな信用を得るには大きな実績が必要で...

つまり、必要なのは素晴らしい仲間が必要だといことだ。Goodpatchさんの言葉を借りるなら『偉大なプロダクトは偉大なチームから生まれる』だ。今いる素晴らしい仲間たちと、偉大なチームも、まだこれから出会う人も、一緒にスポーツの夢の国を創ろう。

第2創業期としてリブランディングを実施し、2021年6月9日よりAscendersは新たなスタートをする。これを読んでる皆さんにもAscendersが見てる景色を少しでも見せれるように発信していきたい。

その過程で「スポーツの夢の国を創る」に共感して、同じ方向を向いて奔走してくれる同志がいれば嬉しいです。

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たぶん政みたいな立場より、戦場(現場)のが向いてるから将軍タイプかも。勝てない敵(ハードシングス)に挑んでいきたい。いや、政のポジションのがいいかな?

総司令欲しいなぁ昌平君いないかな..?あ、でも裏.......キングダムの今後も楽しみですね!


自分にしか発信できない、スポーツに関わる全ての方にとって役立つ情報をGiveし続けたいと思います。