Railman@電車運転士の乗務日誌

三十路に片足を突っ込む電車運転士。好き勝手書いてます。文章が下手なのは仕方ないです、ご…

Railman@電車運転士の乗務日誌

三十路に片足を突っ込む電車運転士。好き勝手書いてます。文章が下手なのは仕方ないです、ごめんなさい。

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最近の記事

終電の余韻

他の職場の人だけど、好きな車掌さんがいる。 「好き」というのはラブとかそういうのじゃなくて、お気に入りのTシャツに抱くような「好き」である。 なぜ好きなのかと言うと、放送の声が聞いていて心地よいし、ちゃんと挨拶を返してくれて、またその時の笑顔が癒されるのだ。 先日、終電でその車掌さんと組んだ。 最近目が疲れやすくなってきたりして辛い終電帯、テンション爆上げである。 放送のモニター音量を大きめにしてラジオ代わりに。ハキハキした中にも柔らかさがあり、相変わらず癒される放送。

    • イロイロな気笛

      気笛は乗務員に与えられたある種のコミュニケーションツールだ。 鳴らす理由、鳴らす場所、鳴らし方などによって気笛と一言で言っても割とイロイロな気持ちが込められている。 「気笛合図」なんてのも規則で定められており、係員同士がコミュニケーションを取るために鳴らす気笛もある。 あ、気笛は「汽笛」とする方もいらっしゃるけど、弊社では「気笛」なので、こう表記します。 話を戻して… まずは良く駅で耳にする「危ねぇよゴラァ」という気笛。 電子ホーン(正確にはアレは気笛ではない)の時もあ

      • 仕事のツボ

        最近、「仕事のツボ」なる存在の偉大さを感じます。 こういう(電車の運転士)仕事ですが、私もひとりの一般人ゆえ、気乗りしなかったり気怠かったり、何かしらの突発的な悩みに苛まれたり、それこそ体調が悪かったり、常に100%の仕事が出来ている訳では無いのが実情。 ましてやここ数年は労働強化、いや、人手不足による効率化の必要性や多様な働き方の実現のために乗務内容(業界っぽくいうとスジ)が重くなる一方なので、ますます「仕事のツボ」の重要性は高まっています。 先週こんなことがありました

        • プロとは

          ずばりプロとは。 車掌がホームにいる撮影者に向けて(と思われる)中指を立てた画像ないし動画を見て、途方もない情けなさや恥ずかしさを感じました。 あんな奴、プロじゃない。 私はそう思います。 経験何年だろうが、あんなのはプロじゃないし、そもそも社会人としては失格、人間としては…まぁ人間は色々いますからね、そこは否定しませんが、とりあえず制服を着て乗務中の乗務員がとる行動ではありません。というかあってはいけません。 でも起きちゃいました。 私達現業社員は制服を着ていると「

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        • 日々雑感
          11本

        記事

          冬の運転台

          私は冬の運転台が好きだ。 早朝に出区するのが嫌な季節になった。 寝起きの冷えた身体を引きずって指定された番線へ行き、バッテリーを投入してパンを上げ電車を起こす。 場所によっては1km近く歩かされるので芯から冷え切ってしまい、もちろん車内も寒いので散々である。 「温風」とか「温風暖房」とか書かれたスイッチを入れると、音の割には心許ない温風が吹き出し口から出てくるが、あったまるには時間が掛かるので諦めて下回りや車内の点検に向かう。 下回りを見ていると当然ながら下を向きながら歩

          運転士が寝られる時間

          おはようございますこんにちは。 泊まり勤務明けのRailmanです。 さてさて、今日は有名YouTuberのスーツ氏も触れていた運転士の寝られる時間についての実情を書きたいと思います。 まず初めに質問です。 あなたは通勤通学の為に朝、電車に乗りました。運転台には泊まり道具(着替えや洗面用具)が入った自前のバッグを持った運転士が座り、眠そうな顔をして座っています。 さて、何時間ぐらい寝たと思いますか? 一概には言えませんが、だいたい4時間程です。 運転士(車掌も)には「

          運転士が寝られる時間

          書く理由

          今更何をと言う感じですが… このnoteは、自分の日記代わりでもあります。 人というのは、「喉元過ぎれば熱さ忘れる」という言葉があるように、その時々思ったこと感じたことをいつしかサッパリ忘れたり、いつの間にか美化してしまう生き物です。 だから、日記って面白いんだと思います。 書く意味があるんだと思います。 今の私は、恐らく15年ぶりぐらいに迷子です(笑) 何をしたいのか何をすれば良いのか分からず、かと言ってボヤッとしているのは嫌でとにかく目についたことをやってみるけどな

          時代おくれ

          河島英五さんの「時代おくれ」、良い曲です。 思えば何故私がこの世界を目指したのか、それを今更ながら更にじっくりと思い返させてくれる気がします。 ここ数年で私の会社は大きく変わりました。 もちろん必要な変化なのですが、変わらなくても良かったモノ、もっと言えば変わってはいけないモノも変わってしまいました。 そんな中、どこか私も必死に無理をしていたのかもしれません。 私が鉄道マンを目指した理由は、鉄道が好きということ以上に、人間臭い、いかにも時代おくれな雰囲気に惹かれたからで

          運転士と会社

          私はこの会社にあえて現場職採用で入ったクチだ。 理由は「しっかり現場経験を積みたかった」から。もっと言えば、ガッツリ運転士をやりたかったから。 しかし時代は変わり、なんなら会社が思っていたよりもずっとずっと早く変わり、我々社員もスピーディーな方向転換を迫られている。 今までであれば、駅から車掌、運転士を経験すればひとまず目標達成とみなされ、そこから色々な道が開けるシステムであった。 しかし時代は変わり、駅から直接運転士になれたり、それこそ「運転士なんて興味ないですね」とい

          ワイパー

          大半の電車にももちろんワイパーが付いていて、見たことが無いかもしれないがウォッシャー液も出る。 今回は、ワイパーとウォッシャー液のお話。 奴らの中には全く仕事をしないヤツも一定数いる。 ゴムが劣化していて目の前を往復するばかりで水滴を拭うどころか引き伸ばして余計見辛くしてくるヤツは特にイライラする。ちょっと屈んだり背筋を伸ばしたりして僅かな見やすい隙間から覗くように走ることもしばしば。 昼間ならまだ良いが、夜なんて「直前に急に何か現れても分からないだろうなぁ」なんて思いな

          本質の理解

          最近指導さん(教育担当の乗務員≠管理者)と話していて「最近の新人は何でもかんでも電話で聞いてくる」という話題が上がった。 手歯止め(輪止め)を装着する位置から、その場その場で判断すべき事についての電話が多いらしい。 手歯止めの装着位置なんて覚えるべきことの基本中の基本だし何ならマニュアルを参照すれば書いてあるのでナンセンスな質問として、その場その場で判断すべき事が判断出来ない新人が多いとのこと。 運転士は一人立ちしてしまえば基本的に一人で様々な事に対応しなければならない

          俺巧いじゃん!

          と、思うことがしばしばある。 昨日今日の泊まりもそう。 ダーっと突っ込んで行って、最後10mぐらいでトントンと緩めてピッタリ停車。 走る走るど定時で走る。どんなにのんびりした車掌さんが相方でも定時! エンド交換時にペアを組んだ車掌さんとすれ違って挨拶を交わすが、可愛い女の子だと、熱い視線を感じる。 気がする。 たまにはこういう日も悪くない。 思わず指差喚呼もビシッと気合が入る。 客室へのアピールだ。 お客さんは… 思い思いにスマホいじりや睡眠etc よしよし。 帰りの電

          初めて握ったハンドル

          初めてハンドルを握った時のことは正直よく覚えていない。 ただ一つ覚えているのは、正に初めて自分の手で電車を発車させたその瞬間だけだ。 「点灯!2番出発進行!時刻、ヨシ!制限45!」と喚呼しノッチを投入すると、軽い衝撃と共に初めてとは誰にも感じさせないスムーズさで電車が動き出したその瞬間だけは良く覚えている。スムーズってそりゃそうだ、電車は機械なんだから誰だろうが同じ操作をすれば同じ動きをする。サルが発車させたってお客さんは気が付かない。 そのあとのことは全く覚えていない

          初めて握ったハンドル