2022.7.17
横浜ラジアントホール
hotシュシュ横浜大会
〜HOT LIMIT〜


茹だる様な酷暑
立ってるだけで皮膚がジリジリ焼けていってる感覚
水分を摂っても摂っても汗になり流れていく
だがhotシュシュの試合会場は喫煙者に優しい
煙草を吸い溜めし気を落ち着かせる
会場内は空調がバッチリきいていた
席に着き汗を拭いながら売店の方を見てみるとゆづき選手は笑顔でファンサービス
そんな姿を見るだけで少し得した気分になる
汗はだいぶ引いたようだ



誰がために鐘は鳴るのだろうか？




カーンカーンカーンカーン

鐘の音が会場に響き渡る
その刹那バロックとHMが融合した様なゆづき選手のテーマ曲に切り替わる
バイオリンをフィーチャーし荘厳でいて激しくも美しい

入場ゲートからゆづき選手が姿を現す
ゆっくり歩を進めリングの前で礼
そこからは時折りポーズを決め微笑みながらリングを一周
威風堂々
その表情に曇りはない

青コーナーのポスト前に立ち赤コーナーを見据える
ゆづき選手の後ろ姿が好きだ
その背中を押したい様な付いて行きたい様な
未完のプロレスラーの揺れる様が美しい


場内には替わって先日亡くなった故・坂本龍一氏の代表曲「Merry Christmas Mr.Lawrence(remix)」が流れる

真琴選手の入場
ゆづき選手とは逆にサッとエプロンに上がりロープの前で微笑
潜った瞬間に気合いを入れリング内を一周
イメージカラーの紫の紙テープが乱れ飛ぶ
匂い立つ様な色香
オリエンタルドールの名に相応しい


くりくりで愛らしいhotな瞳のゆづき選手と切れ長で涼しげなICEの様な瞳の真琴選手の目が合う
自分の中に緊張が走った

真琴選手はコーナーポストに少しもたれかかり両肘はロープに乗せたままゆづき選手を見据えてる
ゆづき選手の方から近づき両手を差し出し

「お願いします！！」

真琴選手も

「お願いします！！」と握手で返しクリーンなスタート

と、当たり前の様に思っていた

が、なんと真琴選手はこれを拒否
シッシッと手で追い払う様な仕草
「嫌です！」
「お断りします！」

それでも首を少し横に傾けニッコリ笑い
「お願いします！！」と食い下がるがさらに激しく手で追い払い断固拒否の姿勢に

「どうしたらいいの？」
と、自身のコーナーに下がる


全く予想外の展開になった
事前の「負の感情があるならぶつけてきてもいい」という発言に勝手に先輩から後輩への余裕からくる器の大きさを見せる展開を想像していた
デビュー戦のvs宮崎選手の時の様に

勝手に自分の頭の中で共通項を探して関係性を構築していく
それが楽しいと思うプロレスファンは自分も含め少なくはないと思う
が、それが盲点だった

首脳陣3人と三田さんを介して真琴選手とゆづき選手は繋がっている
だが首脳陣と三田さんを頂点に置いたとして三角形だと思ってた関係性
実は底辺が繋がってない事に気付かなかった

そして真琴という選手を自分は知らなさすぎた
月に一度試合スケジュールが真琴選手のSNSで発表される
ビックリするくらいの試合数であり色んな団体からのオファーがあることが察することができる
通り一辺倒のフリーランスが生きていける訳がない
現場現場で求められる顔は違う
更に常にファンの半歩から一歩先を行かないといけない

だがこれは嬉しい裏切りである
これもまた自分の読みを裏切られれば裏切られる程熱くなるのもプロレスファンならではなのでは？


真琴選手の思わぬ行動に一体ゆづき選手はどう切り崩していくのか？


この時の気持ちを後に語っている

「意外と相手にされてるんだな」

常に試合中は「わーヤバイヤバイ！わー！！」と思っているとも語るゆづき選手
だが重要なポイントで冷静な読みが出来る
真琴選手の挑発には乗らなかったということになる


さあどうなるんだ？！
ICE(冷静)とhot(情熱)の間で
戦いのゴングが鳴り響いた



続く、、、んだけど長くない？