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渡米39日目 「約束が違う」と言われる

朝、目がさめると左目が酷く充血していてゴロゴロする。睡眠不足と目の酷使が続くと時々白目の部分が炎症を起こしてしまう。気をつけなければいけない。休職に伴う毎月の報告書をしたためていたところ、妻が部屋に入ってきた。昨日、長男の数学の宿題を帰宅後、3時間サポートしたものの7年生ともなると、英語での表現が難しく妻でもなかなかカバーしきれなかったとのこと。その上で、日本にいるときに、「アメリカに行ったら子ども達の宿題もサポートする」と言っていたのはどうなったのかと問い詰められた。

「きっとこうなることはわかっていた。大学院に勉強をしにきているわけだから時間がないだろうなと。できない約束ならしないでほしい」

大学院の授業が本格化してきた今、課題に追われ帰宅も遅い。特に週の前半は夕方から夜にかけて授業があるため、子ども達の帰宅と生活のリズムが逆転している。週末には英語を教えることにしているが、それだけでは十分ではない。返す言葉もなかった。妻が言っていることは正しい。ひとまず受け止めることにした。

「時間がない」というのは簡単だが、身近な家族のことも幸せにできないで、自分のやりたいことを追いかけているとしたどうだろうか。子ども達に対しても「まるで孫に接するかのように接していて厳しさが足りない」と、妻によく指摘される。僕としては、子ども達にはきっと自分で伸びる力があるだろうから、あまり何かを押し付けるようなことはしたくないという思いがある。これは以前、長男がまだ幼い頃、沖縄に赴任していた際にある自然学校を取材させていただいた際にそのことを明確に感じたことがあり、だから「子ども達が何をしたいのかを大切にして環境を整えてあげたい」という思いはあるものの、あまりあれこれ踏み込みすぎないようにしているところがある。(これは自分に対するスタンスにも似ていると思う)ただ、やはりある程度の厳しさも必要だと最近は感じている。

午後、大家のインさんがやってきた。家の鍵のスペアを作って持ってきてくれたのだ。彼女も上海から10年前にこちらにやってきて、本当は両親を呼び寄せようと今のこのブルックラインのコンドミニアムを購入したのだが、コロナ禍で計画が変わり貸し出すことにしたのだという。

「最初の数ヶ月はハードだと思う。私もそうだったから。でも大丈夫。段々きっと生活が落ち着いてくるから。困ったことがあったらいつでも相談してね」

鍵のお金はいいからとホームデポで複製した鍵を手渡しながら、彼女はそう言ってくれた。僕は8月末の鍵の引き渡しの際に、エマーソンのオリエンテーションがかぶっていて今日初めてお会いしたのだが、とても気さくで親切な対応をありがたく感じた。

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