見出し画像

海外のデザイン賞って?reddot design award レポ(前編)

7月にドイツのエッセンで行われたレッドドットデザインアワードの受賞式典に参加したのでレポートします。式典への参加をまよっている時に「reddot」で検索をかけてもほとんど日本語の情報がなく事前の調査が大変だったこともあり、セレモニーで何が行われるか、reddot design musiumへのアクセスなどトリップTIPS含めここに書き記しておきます。

プロダクトデザイン業界では優れたデザインを審査し、認証するデザイン賞が多く存在します。知名度のあるものではグッドデザイン賞(日本)IF designreddot(ドイツ)、アメリカならIDAなどが知られていると思います。

「いまどきデザイン賞なんて意味あんの?」というのも否めませんが、プロモーションやブランディングにドライブをかけたい時など、現在でも広く普及しており近年アジア勢の参加で応募数も増加傾向にあります。気になる費用をざっくり比較してみました。(※標準的な概算 / 1€120円)

●グッドデザイン賞 審査23万 受賞22万 合計:45万円(5年間マークを使う場合 合計:110万円)
●IF design賞 審査5万 輸送10万 受賞33万 合計:48万円
●reddot賞 審査4万 輸送10万 受賞44万 合計:58万円

「ん? よく考えたら海外デザイン賞って割安じゃない??」
グッドデザイン賞はマーク使用に継続費用がかかるため長期的にみると割高になります。ついでなので受賞の難易度も比較してみます。

●グッドデザイン賞 応募数4,789件 受賞1,353件 倍率3.5
●IF design賞 応募数6,375件 受賞1,990件 倍率3.2
●reddot賞 応募数5,500件 受賞1,668件 倍率3.3

意外と受賞確率にさほど差はない、、、(もちろん海外はグローバルレベルになりますが) そういった気づきなどもあり、一度応募してみることで見えてくることもある! と会社を説得し、イングチェアーで始めてreddot応募を試みたところ、best of the best賞という各カテゴリーの良品に送られる特別賞がとれたこともあり受賞式典にも参加できることになりました。
アワードセレモニーに参加すると一体なにが行われるのか?紹介していきたいと思います。

reddotのサイトで見る限り、かなりバブリーな印象を持つアワードセレモニーですが、実際に行ってみての感想はその印象の通り、ものすごくリッチな体験を提供してくれます。

会場はドイツのエッセンという町で行われます。東京からだとデュッセルドルフ空港へ行き、空港からskytrainというモノレールでFlughafen Bafnhof駅へ移動し、そこからエッセン(essen hbf駅)までは電車で1時間。
※ちなみに乗換はVRRアプリ路線図を活用していました。デュッセルでは普通列車がS-bahn/RB、快速列車はRE、高速列車はICEと呼ばれています。

イベントの会場は、さらにトラムで15分ほどのzollverein駅が最寄りにあるツォルフェアアイン炭鉱跡から始まります。この炭鉱は世界遺産にも登録されている文化施設で、旧ボイラー工場がノーマン・フォスターの設計によって改修され、現在はデザインミュージアムとして活用されています。

かつての産業革命時代に、ルール工業地帯の象徴でもあった炭鉱を再活用してミュージアムにしているため、新旧のコントラストが際立って自然と歴史文脈を考えさせられるような、秀逸なブランディングが感じられます。一日のスケジュールとしては以下のように進んでいきます。

①14:00-16:00 デザインミュージアム見学 / 記念撮影・バスで別会場のアールトシアターへ移動
②18:00-20:30 受賞セレモニー・バスでデザインミュージアムへ再度移動③20:30-24:00 ディナー / パーティー

まずはデザインミュージアムの見学を行えます。ミュージアムで展示されているのはその年の受賞商品(1600点)で、家電や日用品から自動車までがほぼすべて展示されています。

イングチェアーも特別賞の展示ルームに展示されていました。オフィスチェアーカテゴリはハーマンミラー社COSMとイングの2点が特別賞となりました。

受賞製品の多くは欧州のメーカー中心となりますが、日本企業ではMAZDA、FUJIFILM、EPSON、Panasonic、SONY、フェリシモなどの方が受賞されており、担当デザイナーの方々とも交流することができました。日本人を見かけると思わず声をかけてしまうので日本のイベントで出会うよりも会話できる確率は高いかもしれません。

後編へ続く。

この記事が参加している募集

イベントレポ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?