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「今、ここ」って何?

僕は20年前に合氣道を習っていた頃から瞑想や呼吸法の類が習慣づいていたので、最近はやりのマインドフルネスってをよく知らず、瞑想の一種ではあるんだろうけど具体的にはどんな感じなのかってのを知るために最近一冊の本を買って読み始めました。

マインドフルネスって?

この本の中の冒頭近くではマインドフルネスのことを、

『マインドフルネスとは、自分の体や頭や心のなか、さらに身の周りに起きていることに意識を完全に向けること。批判や判断の加わらない「気づき」』

だと説明しています。

なんかわかるようなわからないような。

もっとわかりやすく一言で言ってしまうなら、

意識していないで自動的にやってしまいがちなことを意識すること

だと言ってしまってもいいかもしれません。

例えば、毎朝起きて歯磨きをするとします。でもこの歯磨きって毎朝当たり前にやってしまっているので、その動作ひとつひとつにしっかり心を向けていることって無いはずです。

歯を磨くときの動作をするときにいちいち

”右手が歯ブラシを持つぞ”
”今から腕を上がるぞ”
”歯ブラシが口に入るぞ”

なんてことは意識しませんよね。

でも、こういう動作のひとつひとつにしっかり心を向けることそのものが瞑想であり、「今、ここ」の感覚です。

僕が日頃やっている瞑想も同じです。僕がやっている瞑想法は自分の呼吸だけでなく、自分の五感全てを同時に意識する方法。

自分の足が地面についている感覚を味わう
手が腿の上に乗っかっている感覚を味わう
聴こえる音に静かに耳を澄ます
薄目を開けながら目に映るもの全てに意識を送って感じる
鼻で感じる匂いを感じる
舌で感じるものを味わう

これらを静かに座りながら行っています。

瞑想・マインドフルネスは何がいいのか?

主に寝る前に少し10分15分とやるわけですが
これを日々やっていると何がいいかって

自分の感情に対して冷静になれる

というのが何よりいいです。
感情に惑わされなくなる。

人間って何かするとき、特に慣れてしまっていることをするときはほとんど無意識にやっているので、その無意識にスルーしてしまっているものに、敢えて意識を向けてみましょう、というのが瞑想。

意識していないことを意識できるようになると何がいいのか?

心・身体の感度が良くなるんですね。
心と身体のアンテナの感度が上がります。

そのために新たな発見が多くなる。

それに、無意識に何かをやってしまう状態というのは、言い換えると”心ここにあらず”の状態。

ここにない心はどこに行ってしまっているのか?というと、過去・未来・空想のどこかです。

過去・未来・空想の全てが楽しいことが浮かんでくるのであれば、何の問題もないのですが、多くの人は過去の失敗や傷が頭に浮かびがちになりますし、先のわからない未来に対して不安を抱きますし、その結果空想もイヤなことばかりを想像してしまいがち。

こういう状態だと、人は集中出来ません。従って、スペックも下がる。その結果、今やっていることも失敗しがちで、余計に過去・未来・空想の中身が悪くなる、という負のスパイラルに陥りがち。身体が疲れているときならなおさら。その負のスパイラルに一旦リセットをかけるのが瞑想です。

では、瞑想しないと「今、ここ」に集中することは出来ないのでしょうか?

そんなことはありません。

人は、何かに集中している状態、自分が得意なことをしている状態、自分が好きなことをしているときには自然と「今、ここ」な状態になれています。

僕がやっていた合氣道も、動きながら「今、ここ」な状態をつくるための修練、太極拳なんかもそうです。太極拳はとてもゆっくりゆったりとした動作で行いますが、あれも動きながら「今、ここ」を常に作り出すための修練。

それに、瞑想・合氣道・太極拳に限らず、達人の域にまで達しているものは全て「今、ここ」の状態を実現しているといってもいいでしょう。武術や各種修行に限らず、スポーツ・勉強・音楽・美術・趣味など、どんなものです。

瞑想やマインドフルネス・合氣道・太極拳などは、無意識のうちに「今、ここ」を実現するのではなく、意図的に意識して作り出すための修練、といって良いです。

ですから、瞑想・マインドフルネスと聴いて”怪しい”、”スピリチュアル”的な印象をついつい抱いてしまいがちな人もまだまだ少なくないかもしれませんが、自分でも知らないうちに、生活のどこかで「今、ここ」を実現しているんですね。

「今、ここ」状態の意外な効能

あと、「今、ここ」という状態を実現した状態だと、寂しさを感じることがありません。

僕の経験をお話しますね。

中国北京で暮らし始めたのが2010年。その2年目くらいに義父母とも長いこと同居させられたことで疲れが溜まり、家族との関係が悪くなり、勤務先が片道2時間通勤のところまで毎日通っていたこともあり、さらに疲れが溜まって中国語の勉強も全く出来ない最悪の状態になってしまいました。

なので、家族とは距離を置いて、勉強にも専念するために会社の近くに一人家を借りました。

当時は日本人の友だちもいなくて殆ど人付き合いがありませんでした。中国人の友人も会社の同僚くらいしかいなかったので、かなり寂しい環境のはずなんです。

でも、毎日朝の出勤前と退勤後にとてもリズムよく中国語の勉強に専念できていたために、寂しさを感じることが全くありませんでした。

当時を思い起こして、「何で全然さみしさを感じなかったのだろう?」と考えてみると、生活そのものが瞑想に近かったんですね。

とにかく「今、ここ」に集中できていた。こうした集中力の高い日々を過ごしていたおかげで、9が月という短い期間とはいえ、フルタイムの仕事をこなしながらもビジネスレベルの中国語を習得することが出来ました。

まとめ

このように、瞑想状態、集中状態、「今、ここ」の状態を実現すると、とにかく人としてのパフォーマンスが抜群に上がります。

・集中力が著しく向上する
・心と身体のアンテナとしての感度も良くなる
・さみしくなくなる

と、いいことずくめ。

瞑想・マインドフルネスみたいな修練をせずに「今、ここ」状態を作りやすくするには、勉強でも仕事でも趣味でも何でもいいのですが

・アタマを使う
・努力の要らない毎日の習慣化
・単純なルーティンにならないように毎回テーマを決める

ということを、是非意識してみてください。

脱・孤独感プロジェクト note.5

「今、ここ」というのは、過去・未来・空想に心を飛ばさずに今の自分の状態・動作に心・意識を集中すること

瞑想・マインドフルネスのような修練はもちろん、勉強でも仕事でも趣味でも何でもいいから。

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