商売の金言

あけましておめでとうございます。やってきたよ2019年。

我が家の正月は、父母と弟、僕の 4 人であけおめ、おせちを食べたあとに父方の実家に行って親戚一同そろって飲み食い、次の日は母方のほうで同じように過ごして、気づいたら胃腸がやられている…ってなものなんだけど、豪勢な食事をたらふく食べられるのも、みんなが頑張ってお金を稼いできたからなんだよね、ありがたやありがたや。

親戚が集まると昔話に華が咲くわけですが、やっぱり亀の甲より年の功、じじばばのお話は含蓄もりもりで聞き甲斐がある(ときにやかましい)のだけど、お金稼ぎっていう意味で一番深イイ話をしてくれるのは母方のおじいちゃん。この人は日本橋で呉服問屋をやっていた社長さんで、小学校4年生の時に終戦を迎え、中学校卒業と同時に上京。17年修行して独立したあとも呉服一本。引退するまでに稼いだお金で一軒家@都内の閑静な住宅街、と別荘二つにアパート三棟建てた、家系の中で一番の成り上がり者なのだ。今年も1月2日は、おせちをつつきながら、その武勇伝を肴に日本酒飲みのみ(おじいちゃんがゴルフの景品でもらってきたもの)。僕も社会人になって3年目、そろそろ人並みにキャリアを築きたい(というか起業してー!やっぱなるなら一国一城の主!)と思い出してる時分、ありがたーい商売の金言を頂きましたので、せっかくなのでシェア〜。

① 木綿問屋は潰れない

木綿、コットン。真っ白でざっくりした生地、一番衣料に使われている天然素材。コモディティ・オブ・コモディティで、木綿問屋がそれを売ることで得られる利益はほんのわずか。仕入れ値100円だったら売値は101円、下手したら100円50銭なんてこともある。当然ほとんどの人はそんな商売に魅力を感じないんだけど、逆にその薄い利益で商売を成り立たせられれば、競合の少ない市場を独占できちゃうわけです。で、どうするか、っていのは至極単純、粗利よりも経費を小さく抑えるんです。人件費、賃貸料、電気ガス水道に交通費交際費お茶代その他もろもろ全部を、木綿を売って得られる利益よりも小さくすることで、収支はあら不思議、黒字になるわけです。商売の本質は、売り上 - 費用 をプラスにすること。原価は費用の一部に過ぎません。全体で帳尻をあわせられればよいのです。

②ビジネスはボクシングだ

おじいちゃんが独立する前に勤めていた会社では、毎日、食堂に社員一人一人の営業成績が張り出され、お昼を食べに来る全員が見ていたらしい。100人からいるライバルに対して、おじいちゃんの目標は常に1番だったとのこと。1番以外は意味がない、何が何でもトップに立つんじゃい、って思って仕事してたんだって。ちょうど、チャンピオンだけにベルトが与えられるボクサーのように。
そのために、毎日4時に起きてその日の営業戦略を考えていたとのこと。あそこの呉服屋はせがれが6歳だったから今度の土産は〇〇屋のおもちゃにするか、みたいな、内容はシンプルだし、ある意味本質的ではないけど、お客のことを色々と観察して、いろんな手を考えているからできる戦略。そういう地道な積み重ねが成績に現れるわけだ。名ボクサーは一日にしてならず。

③体力があっての知力

この日は18時から22時までの長い宴だったんだけど、ほぼおじいちゃんしか喋ってなかった。ずっと同じ話が繰り返されたりして、年寄りのたわごとと言えばそれまでなんだけど、絶対に話の主導権を渡さない。こっちは合いの手を入れるのがやっとぐらいで、だんだん飽きてくると「なぁ、たっくん、そう思うだろう?」って肩叩かれて、嫌でも離さない。②で朝早くから戦略考えていたって話だったけど、仕事中に体力切れちゃってたら、せっかく考えたプランを実行できないでしょ?っつうわけ。いやはや、83歳ですよこの爺さん。秘訣はシンプルに運動と食事。しょっちゅうジムに行っていて、セミプロ級のゴルフは90歳までやる宣言。そんで肉も食うし魚も食うし、焼酎ガバガバ、つまり内臓が大学生。おせちで胃腸がやられている場合じゃないね、鍛えなければ。


2018年は個人的に転換期で、今後の身の振り方を考えさせられる時期だったのですが、その甲斐あって目標が明確になった、つまり起業を真剣に考えるようになったんだけど、このタイミングでおじいちゃんの言葉を聞けたのはとてもありがたくって、自分のやりたいことに向かうための道筋が見えた気がする。2019年はその目標達成に向けて一歩一歩、着実に前に進んで行きたいね!

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