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【読書レビュー】メモの魔力

はじめに(飛ばし読みしてください)

今回はひさびさの読書レビューをしたいと思います。なぜなら、久しぶりに2回読み直すほど感慨深かったから。そしてメモの魔力によって知的生産性が上がったからです。

ぜひ皆様にも知っていただきたいと思います。かなりの人気ぶりなので、もう読んだって方も多いかもしれませんが・・


私の読書ペースは月1~7冊くらいです。多いか少ないかは別として自分の尊敬する人がオススメする本や書店でたたり次第本を開いて気になった本を買う・またはkindleでポチるようにしています。

知識量はだいぶ増えたと自負していますが、それをどう生かすかが自分の中の課題でした。

そんな時に役立ったのが前田裕二さんの「メモの魔力」でした。


どんな人が読んだ方がいい?

「好きな事がわからない」「何をすればよいのかわからない」「色々考えるけど良いアイデアが出てこない」って人はとても多いと思います。

この本はそんなそんな自分探しをしたい人や脳を活性化したい人に超オススメです。


どんな内容?

前田裕二さんは異常なほどのメモ魔です。しかし、前田さんのメモの目的はは「記憶」するためのメモではなく、「知的生産を上げる」ためのメモです。

どういうことでしょうか?


何気ない事象でも深く追求することで大きな発見ができます。

この本には書いていませんでしたが、数年前に参加したNewspicksさんの講演会で前田さんが仮説を検証すれば論理の飛躍が出来ると言っていました。

この飛躍こそが「知的生産性」を高めるマジックなのです。

「じゃあ飛躍して考えて」と言われたらどうでしょう?

おそらくできる人はごくわずか。でも大丈夫です。この「メモの魔力」に方程式が書かれています。

それは・・


ファクト(事実)⇒抽象化⇒転用

ファクト:インプットした事実(気づき)
抽象化:気づきを応用可能な状態にする
転用:自らアクション出来る形にする

この中の抽象化が大切なのですが、受け手にとって解釈が変わりやすいので補足をします。

リンゴというファクトがあったとします。

リンゴ⇒果物⇒食べ物と抽象化しました。するとリンゴより食べ物のほうが応用が利くようになるのです。


1つ事例を挙げます。

アメリカで鉄道が衰退した時期がありました。それは鉄道会社が「鉄道」のみに囚われていたことです。

どういうことでしょうか?

鉄道会社はライバルを同じ鉄道のみと考えていたのです。つまり「小田急線のライバルは山手線」と考えていました。そのためバス・タクシー・飛行機など他の交通機関の事は考えていなかったのです。そのため客は別の交通機関を利用し鉄道利用が減りました。

もし鉄道⇒乗り物⇒交通機関と抽象化したのなら、転用してバスや飛行機などもライバルとして戦っていたでしょう。


日本でも新幹線、高速バス、飛行機(LCC)は抽象化して同じ交通機関と考えたから、サービスを駆使して戦っているのです。 


ここで前田さんの話を引用します。

1、大阪のおばちゃんはよくアメちゃんを持っている
2、チラシにアメちゃんをつけると大阪でチラシが飛ぶようになくなった
3、東京では同じ方法で1/3の効果しかなかった

これがファクトです。

このファクトを抽象化して「大阪の人は東京の人よりも直接的なメリットに反応する」となります。

実際、前田さんが運営するSHOWROOMというサービスでも、大阪のユーザー課金単価は東京に比べて低いという事実が明らかになったそうです。

SHOWROOMには演者に「ギフティング」という投げ銭の仕組みがあるのですが、直接的・物理的なメリットが見えにくいので、大阪人は東京人に比べると、そこでお金を使う気にはならないのではないか。そんな仮説が出てきました。


この仮説をベースに、さらに思考を発展させると
1、大阪人がお金を使わない
2、価値を感じないものにはお金を使わない
3、吉本新喜劇は今も盛況

大阪人にとって「笑いは価値が高い」


そこから、「大阪人も納得するような“おもろい”コンテンツを用意して、それに対して対価を払うようなビジネススキームをインターネット上で用意すればいいのでは」という仮説が成り立ち、「リアルの場では入りきれない芸人のネタを、プレミアムコンテンツとしてSHOWROOMで配信する」という転用に至ったそうです。

この事例はファクト(事実)⇒抽象化⇒転用を2回繰り返したことによる結果です。

このようにメモを使って思考を整理することで論理が飛躍し知的生産性が高まるのです。

最初で述べましたが「好きな事がわからない」「何をすればよいのかわからない」「色々考えるけど良いアイデアが出てこない」って方にはおすすめできます。

PS:「メモの魔力」には自己分析が出来る1000の質問が付属されています。


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