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ファンと一緒にブランドを育てるSNSマーケティング実践法(宍戸 崇裕 著)

ファンと一緒にブランドを育てるSNSマーケティング実践法(宍戸 崇裕 著)

【どんな内容の本?】顧客と直接コミュニケーションが取れる時代のマーケティングの必要性と具体的な事例

仕事上SNSマーケティングの具体的な手法について学ばなくてはならなくなり参考書籍を探していたところ、「ファン」を作り「ファン」と一緒にブランドを育てるという手法で事業を立ち上げた方の著書ということで、他のハウツー本と少し違った視点なきがしたので手にとってみました。

著者の宍戸 崇裕氏は、Speeeやアライドアーキテクツなどの企業でマーケティングやSEOの支援に従事した後、「株式会社BOKURA」を立ち上げSNSを利用したマーケティングやファン育成の支援を行っている方です。本書ではSNSを利用したマーケティングやプロモーション手法を具体的な事例とともに実践できる手法として紹介されています。

【目次】

第1章 販売・サービス現場における顧客とのコミュニケーションのあり方
第2章 現場からネットマーケティングの世界へ。現場でつかんだ課題と解決手法
第3章 企業にダメージを与えるSNSの炎上パターンと防御策
第4章 SNSとSNSマーケティングの「これまで」と「これから」
第5章 SNSマーケティングの成功事例
第6章 SNSマーケティングの実践法

【読んでみて刺さった言葉】

・SNSを「拡散ツール」ではなく、「ユーザーと距離を縮めるためのツール」として使っていくことが大事
これは4章の終盤で結論的に掲載されていた言い回しですが、いわゆる「バズる」を狙って広告的な拡散効果を狙うのがSNSマーケティングだと(もちろんそういう側面も重要です)しか思っていなかった自分にとっては一番大きな気づきの言葉でした。得てして炎上を恐れ、フォロワーとコミュニケーションを取りたがらない企業も多くある中、積極的にフォロワーと接することでファンを育ててコアファンにし、コアファンがさらにファンを生むという構図が本著では一番の狙いとして記載されています。

・「うっとうしい」と不快感を与えるような、広告はこの世から駆逐したいのです。
もう本当にそう思いますね。とくにスマホでは誤タップを誘うような仕組みだったり、子どもにスマホを使わせたくない理由にもなるような内容の広告が山のようにあります。そのサイトに広告が出ていることでブランドの価値を下げるようなサイトも多くありますから、広告を出すことが効果がないだけではなくむしろブランディングに悪影響があるということに企業側は早く気づくべきだと私も思います。

総評:顧客と直接的なコミュニケーションを取れる時代とは、ヒトとモノに対する企業の姿勢が問われる時代かもしれない

「マス」に対する広告はそもそも効果が測りづらいものでありながら、大量の資金が投入されるものでした。資金力のある大企業ほど人の目に尽きやすくなる構図を生んできたのはその性質によるもの。しかし今日の1to1コミュニケーションが可能になった時代、必要なのは資金力ではなく企業としての姿勢、ある意味「人間力」なのかもしれません。自分たちのサービスや商品に真摯に取り組み、それを利用したいただく顧客の幸せを心から願う。そういった「心」が感じられることが「ファン」を生み「コアファン」を育てる。小手先の技や資金に頼らず、手間のかかる人付き合いのような「人間味」こそ、これからの時代に企業がもつべきものなのかもしれません。

ファンと一緒にブランドを育てるSNSマーケティング実践法(宍戸 崇裕 著)