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G1 2023年阪神JF:中間考察

皆様こんにちは。
バークレーでございます。今週は阪神JFの中間考察をお送りしていこうと思います。今回は意図あって中間考察はリポストしていただければ無料でご覧いただけます。最終見解に関してはさすがに有料で公開をいたしますが、印の馬だけであれば最終予想動画でもご覧いただけます。ご注意ください。

チャンピオンズCの後にこの記事を書き始めていますが、何とも悔しい結果になってしまいました。毎回勝っても負けても分析には数時間を要しています。しっかり月曜日には簡単ではありますが回顧をポストしていきますのでよければそちらもぜひご覧ください。では早速考察を始めていきましょう。

G1 阪神JF:予想基本方針

G1 阪神JF:阪神芝1600m右外回り
【コース形状考察】

阪神競馬場芝1600m右外回り:コース形状

まずコース形状から考えていきます。スタートは2角出口あたりからとなっています。3角まではの距離は444mとなっていて2ハロンちょいということになります。これはハナを切るには急がずともある程度距離に余裕があります。それがnetkeibaコース形状での「内回りに比べるとペースが落ち着きやすい」と記載されていることの所以なのでしょう。しかし、ここで早速注意点があります。netkeibaのコース紹介というのはどのクラスであっても同じコースを使用するレースであれば同じ説明が書かれています。やはりG1と平場では全くレースというものは異なります。「ふーん、そうか。じゃぁ単純によーいどんになるのね」なんていう解釈をしてしまっては痛い目を見ることになりかねません。チャンピオンズCでもレモンポップが大外枠であるということでどれだけの人が消しのマークを付けたでしょうか。今や情報過多の時代。その情報から真実を選び抜く力がなければ損をしてしまいます。かという私も情報をつかみつつ、情報を発信している立場ですので、気を引き締めなければならないと自分に言い聞かせています。さて、話を戻します。「平場と同じ感覚で考えてはいけない」ということをある種証明する意味でも少しデータを示したいと思います。
12/3(日)
5R新馬戦…38.2秒→63.7秒
12/2(土)
3R未勝利…35.1秒→59.8秒
10/1(日)
11Rリステ…35.9秒→59.9秒
6R1勝 …36.0秒→59.7秒
9/24(日)
2R未勝利…35.3秒→60.8秒
9/23(土)
5R新馬戦…36.1秒→60.1秒
9/18(祝)
10R2勝 …34.7秒→58.6秒
2R未勝利…34.5秒→58.6秒
9/17(日)
10R3勝 …34.1秒→57.6秒
9/16(土)
4R1勝 …34.1秒→57.3秒
9/10(日)
4R新馬戦…36.3秒→61.2秒
9/9(土)
7R1勝 …35.7秒→59.3秒
これが秋競馬になってからの阪神1600m右外回り全レースのデータとなります。前3ハロン→1000m地点というタイムになっていますが、阪神JFのタイムはどうなっているかというと以下の通りになっています。
■阪神JF平均データ■(過去10年)
※3ハロン→1000m
「34.45秒→59.3秒」

これからお分かりのように、新馬戦や未勝利戦でもペースが流れたレースというのは存在するものの基本的には前半が緩く、後半直線に入ってからの勝負となることが多くなっています。G1というグレードになると、下手したら古馬と同等のテンの速さと、前半の流れたペースと、上がりの瞬発力を求められるということになるわけです。そもそものレース情報も少ないということに加えて、この部分が阪神JFと朝日杯FSというレースを難しくさせている要因になっていると思います。ちなみに次のデータも見てください。
G2デイリー杯2歳S1600m…「35.0秒→59.5秒」
G3ファンタジーS1400m…「34.1秒→56.7秒」
G2京王杯2歳S1400m…「34.2秒→57.3秒」
G3アルテミスS1600m…「35.9秒→60.0秒」
G3サウジアラビアRC1600m…「34.9秒→59.2秒」
G3新潟2歳S1600m…「35.4秒→59.8秒」

今年、1400~1600mで行われた2歳重賞全てのデータとなります。コースの条件はみんな違うものになっていますが非常に参考になると思います。これらのデータを考えていくと、今年の1600m重賞で言えば「サウジアラビアRC→デイリー杯2歳S→新潟2歳S→アルテミスS」の順に阪神JFに近いレースだったと言えます。アルテミスSはどちらかというと2000mとかそれ以上のレースに合うようなペースだったのではないかと思います。今回の登録馬でアルテミスS組は「サフィラ」のみとなっています。サフィラはその前に出走したレースでも好位にはつけていますが、前半はかなり緩いペースとなっているレースが多いです。アルテミスSでも前3ハロンは36.8秒で6番手追走となっています。先ほど紹介した通り阪神JFの平均前3ハロンタイムは34.45秒となっていますて、過去15年という区切りで言っても34.75秒となっています。私はこの10年で日本競馬の傾向は完全に変わったと思っていますので優先すべきは34.45秒という方なのでしょう。さて、平均が34.45秒であっても、今年も同じような速さで進むとは限らないことは分かっています。しかし、直近10年で前3ハロンが35.0秒を超えるタイムになったことは2度しかなく、しかも超えた2回はいずれも35秒台前半というペースになっています。アルテミスS組サフィラが今までのペースで進んだとしたらかなり後方からの競馬になるということになるでしょう。これは相当上がりの力が抜き出ていないと展開的には馬券に入ることは難しくなるのではないでしょうか。
サウジアラビアRC組
ボンドガール:2着
デイリー杯2歳S組
該当なし
新潟2歳S組
アスコリピチェーノ:1着
ヒヒーン:8着
アルテミスS組
サフィラ:2着

意外と今回上記4レースに出走したのはこの4頭しかいないことになりますね。やはり人気所にはなってしまいますがボンドガールとアスコリピチェーノに関しては注意が必要だということでしょう。

そして次は1400m重賞について考えていきましょう。と思ったのですが、ここで私の中で大切なポイントがもう一つ出てきます。2歳のこの時期の阪神マイルは結構タフであるということです。阪神競馬場や中山競馬場という競馬場はコースの最後の最後に坂が来るコースとなります。坂自体、ラップにはさほど大きな影響は与えないのですが馬にとってはやはりしんどい。一番つらい部分で坂が来るわけですから。しかも前半は下手したら1400m重賞くらいのペースで進まなければならない。なので基本的に距離適性を重視すべきではないかと考えるわけです。そこで過去15年で着内に入った計45頭の馬すべてのその時点での距離適性を調べてみました。次の表をご確認ください。

阪神JF過去着内馬→距離適性一覧

各印の意味をお伝えします。
「◎→1800m勝利経験、○→1600m勝利経験、▲→1400m重賞着内経験、△→1400m平場勝ち馬経験」このように定義づけています。例えばマイルで勝利した経験があっても1800m経験があれば◎というような判断基準で印をしています。全45頭の中で1600m以上のレースで勝利をしている馬が38頭。実に85%近くを占めていることが分かります。一方1600mよりも短い距離での結果した出していない馬は45頭中7頭しか馬券に絡むことができていないという非常に厳しい結果が出ていることも分かりました。

距離適性→今年の出走馬

この距離適性を今年の登録馬に当てはめると上記のような形となります。唯一カルチャーデイにだけは色がついていない理由を申し上げます。さすがに1400m平場のみの勝利経験馬は買えないと思うのですが、1400m重賞で結果を出して阪神JFにて結果を出した馬には大きな共通点があります。「好位で競馬ができる」ということです。もう少し具体的に言うと1200mで使われているor1400mで複数回前3ハロン34~35秒前半で走っているというような共通点でしょうか。普段から34秒台で走って結果を出している。今回も流れるけれど好位で競馬をすると35秒前後で走ることになる。この分脚が溜まり1600m持つ、というような図式でしょうか。もちろん他にも要素というものはあるとは思うのですがこの部分を重要視してこの段階では残すことにいたしました。シカゴスティングとドナベティに関しては、ファンタジーSにてすごくお世話になった2頭なのですが、テンの基本スピードがそこまでない馬ではあるので距離が延びてもそこまで恩恵を被りません。残念ながら厳しいと言わざるを得ないでしょう。

はい、だいぶ長くなってしまいましたが、阪神JFがある程度流れた前半を攻略しなければ勝ち切れないレースであることは分かりました。そしてコース形状に関してもう一つ。やはり直線の長さがポイントになるでしょう。阪神外回りは右回りコースで最も最後の直線が長い競馬場となっています。十分な決め手がここでは発揮できるということです。前半流れて上がりも求められる、本当にタフなレースですよね…。お馬さんたちは本当に大変です。許されるならばレース後1頭ずつなでなでしてあげたい気持ちです。特に自分が実際に走ってみると大変さが分かります(まぁサラブレッドにはお前と同じにすんなと言われそうですが…)。さて、阪神1600m右外回りというのは473mも最後の直線があるわけですが、上がりの平均タイムを調べてみましょう。これは能力比較のところでいつも出しているものになります。

芝1600m平均タイム・上がりタイム比較

このようになっています。阪神マイルというのは新潟・東京に次いで3番目に上がりのタイムも出やすい競馬場と言えるでしょうか。ただ、私はここで少し違和感を持ちました。「もうちょっと速くても良いのでは?」という違和感です。新潟競馬場外回りの直線は日本一の長さで659m、東京は525.9mあります。こちらの方が上がりタイムが出るのは理解ができます。しかし京都競馬場はどうでしょうか。京都1600mは内回りコースですから最後の直線は阪神よりも150mも短い328mとなっています。それだけ最後の直線が違うのに上がりの平均差が0.12秒しかないというのはどういう理由があるのでしょうか。こういうことは予想に関係ないと思われていることが多いのですが、私は非常に大切だと思っています。理由は簡単です。一つは「急坂の有無」です。そしてもう一つ。直線が短い競馬場では4角曲がって直線を向いた時にある程度の位置取りができていないと届きません。なので結果的に仕掛け所が前にくることが多く、3ハロン丸々使って追うわけです。一方で阪神外回りは直線がある程度長いので、逃げ馬がペースを仕掛けてこない限り直線ヨーイドンになる可能性が高くなってきます。これが上がりのタイム差を縮めているそれぞれの要因と言えるでしょう。

まぁいずれにしても阪神マイルでは上がりの力が求められるということは分かりました。実際阪神JFではどれくらいの上がりが求められるのでしょうか。

阪神JF過去レース:1着馬


阪神JF過去レース:2着馬
阪神JF過去レース:3着馬

こちらを見ていくと、そこまで阪神JFでは上がりの速さが極端に求められるわけでもないということが分かります。あのリバティアイランドでも35.5秒で1着ですからね。ただ、それは裏返せば「前半の流れが厳しい」ということを表しているのでしょう。

【断面図考察】

阪神競馬場芝1600m右外回り:断面図

やっと断面図考察に入ることができます…。なんか最初にたくさん書きすぎて自分でもなんだかわからなくなってきましたww 先ほどの考察で急坂の部分に関しては少し述べてしまいましたので、ここではその手前に注目したいと思います。内回りと違って向こう正面最後に少し上りがありますが、ここはさほど気にすることはありません。ただ、馬に騎乗している騎手たちはこの坂に差し掛かった際に気づくのは間違いないでしょう。「坂が終わったからこの辺が2ハロン目の終わりだな」ということが認識できるということです。冒頭で述べた通り、今の時代は情報過多です。言い換えれば情報を求めればほぼ何でも手に入ってしまうということを意味します。武豊騎手なんかはレースの前には競馬新聞とにらめっこするなんておっしゃっていたようですが、こういうコースの情報に関しては競馬新聞がなくても調べられます。形状はここ10数年で一気に把握が進んだと思います。騎手の方々はあとはご自身の感覚とすり合わせをするだけになります。福永騎手がレースの朝は馬場を歩いて回って状態を確かめていたなんていう情報もありますが、残されているのはそういう生きた情報、リアルタイムでしかわからない情報だけということになるでしょうか。いずれにしても何を言いたいのかというと、阪神JFは騎手の方々がどの位置にいるのかを把握しやすいコースなのではないかということです。
そしてもう一つ忘れてはならないのが「急坂手前の下り坂」です。この下り坂はゴール手前3ハロン目の部分から始まっていくことになります。しかし、逃げ馬にとってこの部分でペースを一気に上げてもあまりメリットがないように思います。マーメイドSなんかの考察でも書かせていただきましたが、この4角の部分でペースを上げないことが前目で競馬をしている馬たちにとっては勝利をつかむポイントになります。
基本的に下りはペースが上げやすい。多くの騎手が下りが始まった部分から追い始めます。しかし、逃げ馬も一緒のタイミングでペースを上げてしまうと、隊列の長さが保たれたまま直線を向くことになります。それはそれで前と後方との距離を生み出すことにつながるので一つの手法ではあるのですが、4角の時点で逃げ馬がペースを上げないことにもメリットも存在します。
隊列が短くなる代わりに後方馬は「外を回される」
追い始めるタイミングを遅らせることによって脚が溜まる
この2点が主なメリットではないかと思います。来週の阪神競馬場は開幕2週目となっています。まだ前有利の馬場は残っているはずです。現実的に本日12/3阪神芝のレースは前半が極端に流れた10R元町S以外は勝利は全て最終コーナー2番手までにいた馬がつかんでいます。情報によると少し芝が重い感覚なのかななんていうことも聞こえてきますが、基本前有利なトラックバイアスである可能性は高いわけです。だとするならばほとんどの騎手は「外を回されたくない」という意識を持つのではないでしょうか。だからこそ多くの馬が前半位置を取りに来て、前半が流れるというからくりもあるわけです。話を元に戻します。そうするとおそらく騎手の手が大きく動くのは「直線を向いてから」ということになるでしょうか。さて、ここまで考えてきたことをまとめると、やはり阪神外回りというのは直線向いた時に隊列がどういう形をしているのかということが重要なのだろうということが少し見えてきました。ただ、これはさすがに出走馬が確定して、そして枠順が出て展開予想をしてみないことには考えることができません。その部分は最終見解にてしっかり考えていきたいと思います。

G1 阪神JF:逃げ馬考察

【逃げ馬考察】
それでは続いて、私の予想の根幹を担う逃げ馬の特定を行っていきたいと思います。今回は登録馬の馬柱がさみしい2歳重賞ですので非常にこの特定が難しいです…。まずはいつもの通り、直近5走で逃げたことがある馬を探しましょう。まぁ5戦も経験している馬は1頭もいないんですけども…。
■逃げ馬候補■
※直近5走で逃げたことのある馬(数字は逃げた回数)
クイックバイオ①・コラソンビート①
スプリングノヴァ①・テリオスルル③
ナナオ①・ビーグラッド

プシピシーナ①・ミライテーラー①
メイショウゴーフル①

なんと…9頭もいました…。これは大変だ…。まぁ回数だけで言えばテリオスルルかビーグラッドになるのでしょうか。ただ、どちらの馬も現時点では抽選対象の馬ということになりますので何とも言えません。となると、他の馬は1回しか基本逃げたことのない馬ということになりますので、分析するにも情報が足りません。なのでここは「テン速さ比較」から逃げ馬を考えていくことにいたします。

テン速さ比較

頼むから26頭も登録するのやめてーwww 朝日杯FSも結構頭数がいるようなので…ちょっと今月は大変です。では気を取り直してまいります。「出走権」と書かれた部分の印は「〇=出走可能」「▲=出走可能だがこの記事を書いている時点で騎手が決まっていない」「△=抽選次第」ということを表しています。さて、テンの速さを比較すると、実は1度も逃げたことのないカルチャーデイが最もテンの速い馬であるということが分かりました。そして数字を見ていただくとお分かりかと思いますが、今年の出走馬は決してテンの速さがある馬たちではなさそうに見えます。え?だからって前半ペースが緩むって?実は決してそういうわけではないんです。グラニットみたいな大逃げをかまして重賞で結果を残してこの2歳G1に乗り込んでくるような馬は珍しいです。参考までに昨年の出走馬でデータを作り直してみました。もう…こんなことばかりやってるから一向に考察が進まないんですよね…。ただこういうデータを出す方ってあまりいないと思うのでがんばって作ってみました。次の表をご覧ください。

テン速さ比較:2022年出走馬

これが昨年出走馬のテン速さ比較です。昨年でテンが最も速かったのはサンティーテソーロで、実際のレースでもやはり逃げました。ただ、実際のタイムは33.7秒とサンティーテソーロがもつ基本テンタイムから2秒以上も速い展開だったということが分かります。それだけG1という舞台が、そして阪神開幕週から間もないということがこれだけ前への意識を高めているのだということわかっていただきたいのです。そして2022年と2023年を比べて見た時、実は今年の方が各馬が持っているテンの速さは上であることも分かります。もちろんだからといって今年は昨年の33.7秒を上回るようなペースになるとは言っていません。前3ハロン33秒台前半なんてもう1200mのペースですからねwww ただ、今年も十分に流れる展開になるだろうということが読み取れるということです。
さて、今年のテンの速さから考えてみるとカルチャーデイがテンの速さとしてはトップであることが分かります。しかし、皆さん思い出してください。カルチャーデイは冒頭の考察部分では「▲」いわゆる1600mでは勝ち切っておらず、1400m重賞で結果を残したグループの馬ではありませんでしたか?ということは33秒台および34秒台前半で逃げるメリットがないんです。だったら大してテンの速さに差のないコラソンビートあたりに前に行ってもらえば良いですわけです。そしてテン上位には先ほど出走したら逃げてくる可能性のある、いわゆる「逃げの意思を持っている馬」が複数いるではありませんか。ということは結論今年の阪神JF展開を決めるのは「抽選」ではないかということになりませんか。テリオスルルとビーグラッドのどちらか、もしくは両方が出走権を得るようなことがあれば、今年もやはり前半は流れる展開になると思われます。そしてこの2頭がともに抽選で漏れるようなことがあれば前半のペースはある程度落ち着いたものになるでしょう。現時点でペースを特定することは難しいのですが、次に一応阪神JFの前後半ペースを見ていきましょう。

阪神JF過去レース:前後半タイム

こう見てみるとやっぱり前傾ラップの年が多いようです。先ほど考えたことをまとめて見ると…?
テリオスルル&ビーグラッドが出走→「前傾=45~46秒前半」
テリオスルルとビーグラッド登録漏れ→「前後半フラットor47秒程度」
こんな形になるのではないかと思います。

G1 阪神JF:能力比較

それでは続いて、能力比較を行っていきたいと思います。今回は冒頭で各競馬場毎の相関図は見ましたので割愛し、早速能力比較から入っていきたいと思います。今回から持ちタイムと上がりタイムをまとめてお見せすることにいたしました。ちょっと見にくいかもしれませんが拡大などしてご覧ください。

能力比較:持ちタイム&上がりタイム

なんかすっきりしていていい感じですね!それでは見ていきます。今回は1600m未経験の馬が結構います…。これが牝馬と牡馬の違いなのでしょうかね。まずは持ちタイムですが、キャットファイトの数値が非常に優秀ですね。夏前にデビューして、な8月のレースで馬格が少し大きくなってから一気に力をつけてきた馬ですね。このタイムは9/9の中山で記録した数字です。もちろん開幕間もないタイミングでのレースですので時計は出やすいものだったと思います。そして中山マイルは外回りを使用しているのですが、コーズ全体で最も高い地点からスタートを切る形となります。だからこその好タイムであろうとは思います。そして当日は稍重という馬場だったようです。父ディスクリートキャットで母父パイロという血統ですが、もしかしたらパイロの血が強く出ているのかもしれませんね。とはいえ形状としてはタイムが出やすそうであるとはいえ、平均タイムを大きく上回ったということは評価ができると思います。そしてこのレースは前3ハロン35.1秒、前半1000mが58.9秒というタイムで進んでおり、テンの速さはさほどでもないですが前半は阪神JFの平均を上回るペースで進んでいながら、2~3番手の好位で競馬をしているというところも見逃せません。十分スピード競馬に対応ができる馬なのではないかと推測できます。阪神JF勝ち馬の平均タイムは94.19秒です。いかに93.1秒というタイムが優秀であるかが分かります。早く馬体が見てみたいですね。そして新潟2歳Sを制したアスコリピチェーノのタイムも同じくらい優秀です。久々に北村宏騎手が重賞勝利を果たしたのでよく覚えています。この2頭が持ちタイムでは当確ラインかなと思います。

そして次に上がりタイムです。タイム的にトップだったのはスウィープフィートだったのですが、かなり前半緩い感じで進んでのタイムということもあるので素直に数字だけでは評価しにくいなというのが印象です。なのでその次、これまたキャットファイト、そして現在1番人気に推されているボンドガールが当確ラインと言えるでしょうか。ボンドガールは前走サウジアラビアRCでは出遅れてしまったことが少し響きました。ただそれでも勝ち馬はさらに後ろからいった馬でしたよね。川田騎手もそのことについてコメントにて触れていました。まだまだ2歳ならではの緩さが精神的なところにもあるのでしょう。今回の鞍上はマーカンド騎手です。外国騎手は折り合いをつけるのが本当に上手ですから一気に化ける可能性は十分にあると思います。ポイントはスタートから折り合いをつけて落ち着いていけるかどうかでしょうか。

では総合評価を見てまいりましょう。

能力比較:総合評価

今回はこの能力比較、特に当確の2頭はかなり信憑性が高いのではないかと勝手に思っております。特にキャットファイトは現状では中穴くらいですからね。
★能力比較考察該当馬★
アスコリピチェーノ
・キャットファイト
サフィラ
・スウィープフィート⓱
ステレンボッシュ
・タガノエルピーダ
ボンドガール

G1 阪神JF:ラップ考察

【ラップ考察】
先述の通り、今回はどの馬が抽選を突破するのかによって大きく展開が変わることから、細かい展開考察やスタート時点での隊列予想などは行いません。全体のラップを見ていきながら軽く分析をしていきたいと思います。ではラップを視覚化して見ていきましょう。

阪神JF過去レース:ラップ

人間直観というのは大切なものです。大体私はデータを収集してまとめている時にも傾向はないかどうかを考えていますが、このようなラップを視覚化した時に改めて受ける印象というものを大切にしています。まず。印はつけていないのですが3ハロン目の傾斜がさほど急ではないということですね。レースによっては3ハロン目でもっと急激に緩むことも多いのですが、ある程度流れている印象を受けます。そしてなんといっても最後の3ハロンでしょう。赤太線はあくまでも平均値ということになりますので年よってバラバラではありますが、ゴール手前3ハロン目か2ハロン目のどちらかに大きな山がくることが多そうです。どちら側に仕掛けのポイントが来るのかについて最終見解にてしっかり述べたいと思います。

阪神JF過去レース:ラップタイム

ただ一つ言えることは、逃げ馬考察の時にお見せしたように、ほとんどの馬にとって未知のペースでレースは進むということでしょう。他のマイル重賞と比べて極端に前残りが少ないように感じます。よっぽど緩まない限りは基本好位からの競馬組と差し馬台頭。こんな方針をもって皆様は競馬新聞や馬柱をご覧になると良いのではないかと思います。

今回の考察部分は以上です。今回は26頭という登録数の多さと2歳だからこそ枠順と鞍上が決まってからでなければ分からない部分が多く、最終見解に持ち越す内容が多くなってしまいました。ただ、それでもこの考察部分で考えたことは必ず意味を持ってくるはずです。皆様もぜひ参考になさってください。では続いてバークレー指数上位馬を紹介していきましょう。

G1 阪神JF:バークレー指数上位馬

【バークレー指数上位馬】
上がり優秀馬
1位 ルシフェル(0.6)
2位 以下の5頭が該当(0.5)
コスモディナー・コラソンビート
シカゴスティング・ステレンボッシュ
ドナベティ

上がりトップはルシフェルとなりました。
ムルザバエフ騎手が騎乗する現時点では6番人気の馬となります。過去3戦はいずれも上がり最速を記録していて、前走では1番人気の期待に見事にこたえて勝利をつかみました。前々走小倉で行われた未勝利戦では位置取りが8-8-2-1とまくりを決めての勝利をつかんでいること、そして上がりタイム自体はさほど強烈ではないことなどから、長く脚を使ってくるタイプの馬ではないかということが分かります。また、今まで出走したきたコースもすべて右回りとなっていますので右回りの適性はある程度あるのだろうと思われます。しかしこういう馬にはありがちではありますが長く脚を使える分前半のペースはかなり緩やかなものが多く、過去3戦の前3ハロンのタイムは「39.1→38.7→36.5」と推移していて、今回の前傾ラップに耐えられるか、そして前が流れた分、最後に上がりの脚を使えるのかというところに好走できるかのカギが隠されているように思います。現時点で2000mをしっかりこなしていることは今後のクラシック戦線に向けては好材料なのですが、狙い目はもう少し後かなという印象も受けます。
上がり2位にはなんと5頭も該当してしまいました…。大変ではありますが1頭ずつ確認をしていくことにいたしましょう。
まずはコスモディナーです。
こちらも好位から競馬をして上がりの脚が発揮できるタイプの馬となっています。過去3戦で上がり最速が2回、2位が1回とこちらも安定して上がりが使えるタイプとなります。ただ、好位から競馬ができたということ自体が少し恵まれていた要素があることも事実です。1800m戦で結果を出していることはプラス材料ではありますが、やはり前半は緩い展開のレースが多かったようです。前走では38.1の前3ハロンタイムで中段やや後ろにつけられていますし、前々走では37.4秒で3番手となっています。デビュー戦も38.9秒という緩み方で3番手に追走できています。デビュー戦こそ上がりは34秒台ではありましたが、その後は36秒台。前半が流れる展開でこの脚が使えるのかというと疑問です。37秒台で前半進んでしまったら先頭との距離は果てしないものになりますし、少し前につけようとすれば上がりは使えないという形になる可能性が高いと思います。
続いてコラソンビートです。
京王杯2歳Sの勝ち馬が出てきました。過去4戦すべてで上がり3位以内を記録しています。ただそれだけではなく、前半が流れているようなレースも複数経験しているのもプラス材料です。デビュー2戦では前3ハロン34.7秒というタイムで走って上がり3位を記録して2着に0.5秒差で勝利しています。デビュー戦ではボンドガールに最後キレ負けをしてしまって3着でしたが、前半が流れる今回のようなレースを考えれば展開的にはこちらの方が向く可能性もあるのではないかと思っています。鞍上は京王杯2歳Sを制した時の横山武騎手との再コンビです。経験しているのが最大12頭立てというのが少し気になりますが、前が流れた方が折り合える部分がありそうですし、横山武騎手自身も距離延長にも前向きなコメントを出しているので上手く先団につけて馬群をまみれるようなことがなければリズム良く走れるのではないかと思います。
次にシカゴスティングです。
ファンタジーSでは本命にして大きな配当の馬券を当てることができました。こちらも上がりは安定して使えるタイプの馬となっています。やっぱり人間ですから当てると思い入れが出てきてしまうものです。極力そういうい主観を排除して分析します。1600mは未経験というわけではありませんが、距離的にはやはり少し長かったという印象を受けた新馬戦でした。その後1200や1400を使って流れるペースを経験させて臨んだファンタジーSで3着と見事に結果を残して見せました。18頭中11番という外目の位置からでしたが上手く中段好位で脚を溜め、最後に鮫島駿騎手が弾けさせてくれました。成績も安定していますし、現状ではかなりの人気薄なので紐で考えても良いのかもしれません。一方で普通に考えたら今までのような好位で競馬をすると1600はまだ持たないような気もしますし、一方で後ろから競馬をさせてもよっぽど良い枠でないとこの馬の良さは発揮できないのではないかなという印象も持っています。本当に枠順次第という感じですね…。
ステレンボッシュについても紹介していきましょう。
ルメール騎手が選んだのはこの馬なのですね…。へーと思いました。しかも初騎乗なんですね…。東京マイルで上がり33.6秒、中山マイルで中段から競馬をして上がり2位の35.1秒。まずまずだと思います。ともに前3ハロンは36秒台前半ですので。ただ、ルメール騎手が選ぶほどの馬なのかなぁというのは疑問です。何か理由があるのかもしれません。ちょっともう少しレースを見て分析する必要がありそうです。もはやエピファネイア産駒の早熟説は結構信憑性があるものになってきてしまっています。そういう意味では競馬自体の完成度が高い馬なのかもしれませんね。
ドナベティについて紹介をしていきます。
再びファンタジーS組が出てきました。本当にお世話になりました。
京都1400で上がり33.9秒は立派です。札幌・函館でも上がり最速を出せていますのでパワーがあるのでしょう。阪神の芝が少し長くて重い、という情報を信用するならばこの馬にとっては走りやすい馬場になっているのかもしれません。ただ、競馬自体は安定しているわけではなくて、少し展開面が向く必要のある馬だと感じています。前走もやはり枠順が良かったですし、レース自体が大荒れになるほど1000mが速いタイムだったことも結果に影響していると感じます。坂井騎手がレース後に1400mをしっかり走り切るということがテーマだったと話しているように、少し1600は長いのかなという印象を持っています。

コース適性優秀馬
1位 ナナオ(0.8)
2位 ドナベティ(0.7)
3位 以下の3頭が該当(0.6)
コスモディナー・スウィープフィート
ヒヒーン

コース適性は僅差でナナオがトップでした。
ある程度のテンの速さを持っていますし、今まで出走してきたレースはすべて右回りということになっていますので、コース適性的には十分でしょう。ただ気になるのは、まだ鞍上がきまっていないこと。そして道悪のレース経験が多いということでしょうか。しかも4戦中3回が函館でのレースで、そのうち2回馬場が渋っているレースでした。馬格が大きくない馬ではあるのですが、走法的に重い方が合っているのだろうと思われます。前走もみじSで初めて1400を経験していますが、こちらも重馬場でのこと。当日はほぼ間違いなく良馬場での開催となると思われますので、狙うのはここではないのかなと思います。
2位には再びドナベティが入りました。
さきほど紹介をいたしましたのでここでは割愛します。
3位のうち、まだ紹介していない2頭を取り上げていきます。
まずはスウィープフィートです。
これまた人気薄の馬が該当しましたね。この馬が素晴らしかったのは前々走ですよね。結構2歳戦にしては珍しく前が流れる展開だったのですが、前3ハロン34.9秒で進んでも上がり最速の35.5秒を記録して勝ち馬となりました。素晴らしかったと思います。ただ、この時は斤量も52㌔と恵まれていたことも要因としてあると思います。斤量差はスタートに最も影響が出ると感じています。55㌔を始めて背負った前走は行き脚がつかず中段からの競馬となり、結果届かず2着となりました。この時の前3ハロンは38.2秒と完全に舞台は前々走と同じだったにも関わらずこの差がついてしまいました。もう少し馬格が大きくなってきてからの馬だと思います。
次にヒヒーンを紹介します。
こちらも現状鞍上が決まっていませんね。過去4戦と戦歴的には多い方です。マイルで勝利、しかも阪神マイルでの勝利ですからコース適性は高めに出ます。ただ、阪神で勝利した時は新馬戦。前半もかなり緩く37.1秒の前3ハロンタイム。ちょっと今回そのペースで好位につけられる可能性は限りなく0に近いだろうと考えると、残念ながら力不足でしょうか…。

距離適性優秀馬
1位 コラソンビート(0.6)
2位 以下の2頭が該当(0.5)
サフィラ・ステレンボッシュ

距離適性の最優秀馬はコラソンビートでした。
ここでは2位のサフィラを紹介します。
兄はサリオス、姉はサラキアという良血馬。私本当にサリオスもサラキアも大好きだったので応援しています。お兄さんはどちらかというと早熟っぽい感じでしたね。お姉さんは晩成型のようなイメージです。デビューしてこれだけ安定して走っているわけですから早熟の可能性も十分にあるかなと。ただ、アルテミスSは何度も言うように今回の阪神JFとは少し合わないレースだと思っています。そしてサラキアは当然ですがサリオスも私はずっと2000m以上で使ってほしかった馬です。そうすればもっと重賞で勝ち星が積み上げられていたのではないかと思っています。スピード勝負の阪神JFや桜花賞よりも、オークスで期待したいなと今は思っています。結論応援馬券で買うかもしれないのですが、ここは初志貫徹。重い印は打たないと思います。でもめちゃくちゃ応援しています。なんか分析になっていませんねww

総合指数優秀馬(途中経過)
1位 コラソンビート(6.770)
2位 ルシフェル(6.760)
3位 ドナベティ(6.460)
4位 コスモディナー(6.455)
5位 シカゴスティング(6.180)

総合指数はこのような形となりました。
そもそも2歳戦というのは騎手の指数が大きく総合指数順位に関わってきます。なので本当に参考程度ということになるでしょう。騎手の騎手と枠順馬番の指数がここに入ってくると上位勢はガラッと変わってくるかと思います。なのでここでは個別の紹介を割愛させていただきます。お許しください。最終見解には騎手指数などを含めた最終結果を載せたいと思います。

G1 阪神JF:中間考察該当馬

★中間考察該当馬★
アスコリピチェーノ
・キャットファイト
コラソンビート
・ステレンボッシュ
タガノエルピーダ
・ボンドガール
今回はこの6頭を中間考察該当馬とさせていただきます。何はともあれ抽選です。水曜あたりにはどの馬が出るのかが分かるのでしょうか。その時に所見をポストしますのでぜひそちらもご覧ください。

今回は少しでも多くの方に私の記事を読んでいただくため、リポストいただければ無料という形と取らせていただきました。ぜひ記事内容に関するご質問などもXなどでいただければと思います。私にお答えできることであればしっかりお伝えしていきたいと思います。今回も私の記事を読んで下さり本当にありがとうございます。記事を読んでくださった全ての方に幸あれ♪


予想には一切妥協しません!独自の指数データを日々改善させて的中率をあげていきます!