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G2 紫苑S・G2 セントウルS:ダブル中間考察

皆さんこんにちは。
バークレーでございます。今週はなんと、G2に昇格した紫苑Sと、スプリンターズSへの登竜門セントウルSという2レース分の中間考察を1つの記事でお届けしたいと思います。なんとも無謀な試みではありますし、一部の方には変態認定される可能性が非常に高いですが、それでも何か無性に記事が書きたい気分でございます。しかも今回は完全無料でお送りしていきます。おそらくこの記事が書き終わる頃には、私は灰になっていることでしょう。ぜひとも記事の拡散にご協力ください。ではこんなしょうもないことを話している時間さえもったいないので早速予想にまいりましょう!


G2 紫苑S:予想基本方針

G2 紫苑S:中山芝2000m右内回り
【コース形状考察】

中山競馬場芝2000m右内回り:コース形状

こちらが紫苑Sが行われる中山芝2000mコースの形状となっています。まず内回りで開催されるということを頭に入れておきましょう。スタートは4角出口手前あたりからとなっていて、1角までの距離は約405mと2ハロンの距離でハナが争われることになります。そして忘れてはならないことは紫苑Sは「3歳牝馬限定」の重賞であることです。オークスは置いておいて、牝馬というのは牡馬と違いあまり2000mでの重賞が行われません。フローラSが思いつくところだと思いますが、東京芝2000mというコースは非常に特殊なコースですので「フローラSを経験しているから大丈夫!」と短絡的に考えてはならないのです。しかも紫苑Sが開催される中山競馬場には皆様ご存知の通り「急坂」が存在します。さらにその急坂を「2回上る」ということが大きなポイントになると考えられるわけです。牝馬にとっては、かなりキツいコースであるというわけです。近年この紫苑S好走馬から、秋華賞でも活躍する馬が多いのはそういうことなのでしょう。ここから先に行われる2000m以上の牝馬限定重賞において、好走する馬が今年も出てくる可能性があります。下記をご覧ください。
2022年1着スタニングローズ→秋華賞1着
2022年3着ライラック→エリザベス杯2着
2021年1着ファインルージュ→秋華賞2着
2022年2着スルーセブンシーズ→宝塚記念2着
2019年3着カレンブーケドール→秋華賞2着など

こんな感じでしょうか。しかし、だからと言って紫苑Sは長距離適性がある馬を選べばよいというわけではありません。やはりそのまま秋華賞などで突き抜けるためには、ある程度メンバーの中で圧倒的な力がないといけないのではないかと私は思うのです。事実紫苑Sで好走した後に、もう少し短い距離で活躍している馬もたくさんいます。あくまでもメンバーを見て、その力関係を冷静に考えなければなりません。

【断面図考察】
続いて、コースの高低差を考えていくことにいたしましょう。夏競馬では札幌競馬場の重賞を考察することが多かった関係であまり高低差について詳しく述べることはしてきませんでした。久しぶりなので楽しみです。

中山競馬場芝2000m右内回り:断面図

こちらが高低差を表したコースの断面図となります。スタートから2ハロンの間には、1回目の急坂が含まれることから、ハナの切り合いが激しすぎてしまうと、逃げ馬は持たないのではないかなというようない印象を受けます。私は考察部分で何度も何度も述べていますが、中山競馬場にはもう一つ特徴的な形状があります。それは「ゴール盤後の坂」です。1角はほぼ上りっぱなしという形状になりますので、やはり逃げ馬にとっては厳しいはず。事実、直近15年の中で良馬場開催が13年分、要するに39頭馬券に絡んだ馬たちがいるわけですが、その中で「逃げて着内」という結果をつかんだのはたったの「3頭」しかおりません。複勝率7.7%という結果になっています。まぁこれも「逃げた馬13頭」を母体にすれば複勝率23.1%という数値にもなりますが…。そういう数字のアヤみないなものをどうとらえるのかも競馬の醍醐味の一つでございます。私は形状から基本展開の土台を構築していくタイプですので、逃げ馬に関しては軽視する方向で行きたいとは思います。まだ馬の状況が分かっていないので何とも言えないのですが…。1角最後の方からは一気の下りが始まります。この下りでペースを上げ過ぎてしまえば最後まで持たない、一方でブレーキを掛け過ぎてしまってもいけません。ブレーキをかけることはすなわち「前半身に負荷がかかる」ということを意味するからです。馬の前半身は操縦性と心肺能力を司ります。かつ前脚に大きな負荷がかかることから怪我を誘発しやすくなります。騎手は馬全体のバランスを考えながら走らせていきます。この下り坂が後半にあるのであれば、そのまま一気にスパートということも考えられるのですが、まだまだ前半戦。いくら中山競馬場開幕週とはいってもここで無理をさせて怪我をしたら元も子もないわけですから、騎手の皆さんは慎重な入り方をするでしょう。
さぁ、では向こう正面に出たタイミングでペースと上げるかというとそうでもありません。中山競馬場は最後の直線が1.5ハロン程度と短い競馬場となっています。ということは決め手を持った馬でなければ直線の少し手前からまくりに近い形で前へ進出してくる可能性があるわけです。その後方からまくりを決めるような馬たちに「どうやって不利な状態を作るか」というのが逃げ馬に騎乗する騎手に求められることだと思うのです。当然まくりを決める馬たちが向こう正面でペースを上げるわけがないと思いますので、逃げ馬も向こう正面で動くことができないということになります。コース形状からそんな騎手心理が読み取れるということになります。

G2 紫苑S:逃げ馬考察

【逃げ馬考察】
では続いて逃げ馬の特定を行っていきたいと思います。今回は3歳限定重賞で過去の出走レース数がどうしても少なくなります。しかも若駒のレースというのは前半が緩んで後半上がり勝負というタイプのレースが多く存在しますので、ちょっとその馬のテン自体が速いかどうかを見抜くのが難しくなってきます。なので今回は「逃げる意志」を持っているかどうかを優先したいと考えました。ここは直近5走で逃げたことがある馬、要するに過去私が逃げ馬の特定の際に行っていた観点で考察を進めていきたいと思います。
★逃げ馬候補★
※直近5走で逃げたことのある馬
アマイ・ソレイユヴィータ
フィールザオーラ・マーゴットミニモ
ワイズゴールド

今回はこの5頭が該当いたしました。意外と多い印象ですね。ここでは➊どんな逃げ方をしたか、➋逃げた時の成績、➌今回逃げるかどうか、この3点を中心に考えていきたいと思います。
アマイ
→逃げたのは前走と4走前。まず4走前から考えていく。4走前は福島未勝利戦1800mで前半1000mが62.0秒と1800mのレースとしてみると緩いことは明らか。前半緩いペースに落とし込めたことで最後粘り切れたものと考えられる。事実上がりも全体3位のタイムを出している。前走は函館1勝クラス2000mだった。こちらも前半1000mは61.3秒。函館2000mはスタートから1角までの距離が2ハロンくらいあるコースなのでそれなりにハナの争いは激しくなるがここでもある程度のペースに落とし込んでいる。当日は稍重で上がりのかかる馬場。そういったことを考えての先行策だったと思われる。ともに結果は1着だったので、この馬にとっての形であることは間違いない。他の馬次第ではあるが、枠順に恵まれて緩いペースに落とし込めるような状況が生まれたならば逃げる可能性はある。
ソレイユヴィータ
→逃げたのは4走前未勝利戦。1月の小倉2000mという舞台でハナを切った。ここからこの馬のスタイルは決まったといっても過言ではない。安定して前につけられるようになってからは一気の3連勝で今回の重賞に挑戦してきた。逃げた時の前半ペースは61.1秒だが、当日は重馬場というコンディションだったことを考えると結構飛ばしていたはず。前3ハロンも35.5秒と速いものだった。2走前でも前3ハロンは35.1秒、前走も36.2秒というタイムであることを考えると、逃げるだけのテンの速さは十分にあるのではないかと思われる。また1800mと2000mではちょっと異なった走らせ方をしているのも興味深い。
フィールザオーラ
→直近2走でともに逃げている。ダ1800mと芝1800m。ダートはおいておいたとして前走は福島1800mで前半1000m61.0秒という逃げ方。前半緩めて後半上げていくという典型的な逃げ方をしている。この逃げ方は基本的に距離適性がギリギリの時に行う逃げ方なので2000mという距離、しかも中山という急坂を2回駆け上がるコースで同じことができるとは思えない。ただ、好位につける可能性は十分にあると考えられる。
マーゴットミニモ
→出られるかはわからないが、直近5走ではすべて逃げている馬。ダ1700m~ダ1800mで逃げていることから2000mという距離は十分に対応が可能かと思われる。2走前では未勝利戦ダ1700mで前3ハロン35.5秒という逃げ方をしていると考えれば、十分テンの速さで前に出てくる可能性はある。ただ出走できたとしても今回が初めての芝コースであることから、そもそも出走してくるかも怪しいところ。
ワイズゴールド
→こちらもダート馬。しかも地方戦しか走ってこなかった。前にはつけると思われるが、出走するかどうかも怪しいところだしダ1600m中心で関東オークスでは後方からの競馬をしていることから、逃げるだけの長距離適性は正直ないと思われる。地方は高低差がない競馬場がほとんど。その中で中山2000mで逃げるとは考えにくい。
上記の内容から、ソレイユヴィータか出走できたらマーゴットミニモあたりが今回はハナを切ってくると考えられます。そしてともに控える競馬が基本となるでしょう。そうなると後傾ラップになると考えるのが自然と言えるでしょうか。では次に前後半のペースを考えていきましょう。

【ペース考察】
過去15年で良馬場開催だった紫苑Sの前後半ペースを見てみましょう。

G2紫苑S:前後半タイム

こちらが良馬場開催の紫苑S前後半ラップとなります。ここで面白い特徴が見て取れます。2015年と2016年の間に線が引かれていますが、こちらは「重賞になった年」を表します。2015年まではOP特別でのレースでした。重賞に紹介してからが2016年以降ということになります。こちらを見ていただければお分かりかと思いますが、重賞に昇格してからは明らかに後傾ラップになることが多くなっています。重賞かどうかでやはりエントリーしてくる馬の質は変わります。秋華賞を意識した馬がエントリーしてくるという要素が強くなるでしょう。この傾向は無視できません。やはり今回逃げ馬からも考えられた通り、前半は控えて後半勝負という形になりそうです。

G2 紫苑S:能力比較

【持ち&上がりタイム考察】
では今回の出走馬における能力比較を行っていきましょう。まずは基準から確認をしていきたいと思います。

芝2000mタイム比較:中山基準

こちらが能力比較をする際の基準となるタイムです。新馬戦未勝利戦を除いた全レースの平均タイムを出し、競馬場毎に比較していきます。中山芝2000mというコースは札幌函館のような洋芝のコースと、形状的に非常にタフな中京競馬場を除き、4番目にタイムが出にくい競馬場であることが分かります。上がりに関しても直線が短いということが要因となってなかなかタイムが出にくいようですね。しっかり頭に入れておきましょう。ではまずは持ちタイムから比較していきましょう。

持ちタイム比較:中山換算

なんと今回8頭もの馬が2000mという距離が未経験ということになりました。それだけ牝馬芝2000mというレースは少ないことを意味します。もちろん未経験だから軽視するというわけではありませんので、こちらの表では能力が比較できない馬も候補として考えていく必要があります。タイムが比較できる馬の中では圧倒的にグランベルナデットが良いという結果になりました。グランベルナデットが今年出した忘れな草賞の119.2秒というのは非常に優秀です。2022年勝ち馬アートハウス120.3秒、2021年ステラリア118.0秒はちょっとずぬけたタイムですが、良馬場で言えば2019年ラヴズオンリーユー120.6秒、2018年オールフォーラヴ120.5秒、2016年ロッテンマイヤー123.3秒、2015年ミッキークイーン123.5秒、2014年ディルガ120.9秒、2013年セレブリティモデル123.7秒となっています。阪神で行われた秋華賞2年分と比べても2022年スタニングローズ118.6秒には及ばないものの、2021年アカイトリノムスメ121.2秒には勝っているわけですからね。これは持ちタイムでトップに立っても納得がいきます。ただ、2位には現在14番人気で穴馬となっているダルエスサラームが入っています。すいません…表はダルエスサラームになっていますね…今からもう一度表を直して貼るのが…ちょっと面倒なので許してください。謹んで訂正を速攻でさせていただきますwww さて、本題に戻します。このダルエスサラームが2番目のタイムになるということは、そもそもこの時は時計が結構出る馬場だったのではないかとも考えることができます。そもそも近年の4月阪神競馬場、いわゆる桜花賞が行われる時期というのは非常に時計が出やすくなる傾向があります。とはいえ今回の紫苑Sは中山開幕週である程度時計が出る馬場であるということを考えれば、そういう馬場で結果を出したことがあるというのは軽視できません。ただダルエスサラームに関しては忘れな草賞では10着と結果は出せていないですから少し割引。まだ高速馬場を経験していないけれど対応ができそうな馬を優先すべきかと考えます。そういう意味ではキミノナワマリアは注目です。
続いて上がりタイム比較を行いましょう

上がりタイム比較:中山換算

こちらが上がりの能力比較となります。中山競馬場というコースはあまり上がりが出るような競馬場ではありません。ただ、函館や札幌のように洋芝だからこそ力が必要なので時計が出ないということでもありません。やはりコースの形状から上がりが出にくいと考えるのが自然です。函館競馬場で素晴らしい上がりタイムを出しているルーチェロッサ。函館は直線に急坂があるわけではないのでその部分は差し引かなければならないかなと思います。そうするとやはり次点として緑色にした3頭については要注意です。

能力比較:総合評価

総合評価を見ていきましょう。登録馬の半数程度しかおりませんが、この中で文句なしで能力比較で高いと判断できるのはグランベルナデットとキミノナワマリアの2頭ではないかと考えます。先述の通りダルエスサラームは高速馬場で結果は出せていませんし、ルーチェロッサは急坂があるコースではここまでの上がりは出せません。よってピンク色の2頭が能力比較では考察該当馬であると言えます。
★能力比較考察該当馬★
キミノナワマリア⑦・グランベルナデット①
(ダルエスサラーム⑭・ルーチェロッサ⑱)

G2 紫苑S:ラップ考察

【ラップ考察】
ではラップ考察に参りましょう。まずはラップの視覚化からしていきます。ここでは3つのグラフをみていただきます。なぜならば「OP特別の時代」「重賞」「2つの比較」という3つを確認した方が方向性が見いだせそうだからです。まずはOP特別時代の紫苑Sです。

紫苑S:OP特別時代ラップ

赤字で記してある平均ラップだけ見ると、ある程度標準的なラップになっているように思います。3ハロン目、いわゆる1角に差し掛かったところで一気に緩み、そして基本12秒台のラップで進んで最後3ハロンでスパートをかけていく。ということは少なくとも最終カーブの手前あたりでスパートが掛かっているということになるでしょうか。では続いて重賞のラップを見ていきます。

紫苑S:重賞時ラップ

見比べてみると非常に面白いことが分かります。まず明らかに全体的にラップが「似ている」ということです。前半で大きな違いはないように思います。ばらけるのは最後の2ハロン、ここに何かヒントがありそうですね。一気にばらけています。これはおそらく差し馬台頭の展開なのか前残りの展開なのかを指し示すのでしょう。

2つのグラフを見てきましたが、やはり重ねてみないと分かりにくい部分がありますので、「平均値のみ」を比較したグラフを見ていくことにいたしましょう。

紫苑S:グレード毎のラップ比較

橙色が重賞、青色がOP時代を表しています。明らかに重賞になってからは後半のロンスパ勝負になっていることが分かります。今回の逃げ馬を考えてみても、今年も重賞ラップのようなペースでレースは進むのではないかと思われます。そして勝負のポイント、ラップの分岐点はゴールから4ハロン手前の部分「1200→1400m」のところになりそうです。

~1ハロン毎の物語を紡ぐ①~
まずは最初の1ハロン目から考えていきたいと思います。

紫苑S:1ハロン目

今回は残念ながら(残念じゃないか…)隊列予想はここでは行いません。というか正しくはここに記載はいたしません。最終見解にて簡単ではありますが隊列予想を行っていきたいと思います。逃げ馬はマーゴットミニモかソレイユヴィータが逃げてくると想定しました。マーゴットミニモは出走できるか分かりませんので、ここではソレイユヴィータが逃げたと仮定して話を進めていきましょう。この馬は1800mの方が前半控え、2000mだと少しペースを上げて粘るような競馬をするタイプの馬なので、今回はある程度ペースを速めてハナを取ってくると考えられます。その後に出走できたらマーゴットミニモがつける展開になるでしょう。紹介した逃げ馬候補の馬はほぼすべて前半を緩めたいタイプの馬たちですから、ソレイユヴィータが多少緩めても何の問題もありません。むしろ緩めてくれた方が位置取りだけを注意しておけば良いわけですから好都合です。しかし、今回ソレイユヴィータは他の想定よりは流れる前3ハロンを作ってきます。結果としては番手集団にいるようなワンチャン逃げられるかもと思っている馬たちにとっては想定外のペースになります。予想外に脚が使わされてしまうということですね。実際の隊列は前集団と後ろ集団が二つに分かれて、それぞれ少し縦長になるような感じ。イメージで言うと昔冷凍庫で凍らせて真っ二つに割って食べるアイスキャンディーみたいな形でしょうか…?非常に分かりにくい説明でごめんなさい。そんな感じになるでしょう。

~1ハロン毎の物語を紡ぐ②~
次に2~3ハロン目を見ていきます。こちらはラップも見ていきましょうか。

紫苑S:2~3ハロン目

2ハロン目までは結構流れるというか、平均やや速いくらいのペースで進んでいくでしょう。結構前に行きたい馬自体は多くいますし。ただ、3ハロン目は平均やや遅いくらいのペースに落ち着いていくものと思われます。3ハロン目は緩ませて、その分次からの数ハロンはある程度のスピードを維持して進んでいくことになります。ソレイユヴィータ自体は2000mの経験は複数回あるにしても強烈に長距離適性があるわけではないですからね。

紫苑S:200→400mラップ

私のイメージに一番近いのは2018年でしょうか。OP時代の平均くらいには進めておいてそこから一気に緩めるような感じです。400→600mの部分はもう少し緩めるかもしれません。11.0→12.3くらいの感覚でしょうか。

~1ハロン毎の物語を紡ぐ③~
続いては後半戦に入った部分を一気に見ていきたいと思います。

紫苑S:6~7ハロン目

さて、ここでハナを切っていると想定されるソレイユヴィータはどういう騎乗を意識するのでしょうか。私はこの部分の丁度真ん中、いわゆる3角に差し掛かったところが勝負ではないかと思います。ここで一気にラップを速めていくということではなく、「平均ラップ」程度に調整できるかどうかが大切になってきます。といっても過去レースの平均ラップをすべて頭に入れて騎乗なさる騎手の方はいないと思うのであくまでも感覚的なものになってしまいます。それまでは完全に緩んだ流れですからそこからどの程度スピードアップするか、それはまさに騎手の差し加減でしかありません。イメージとしては12.0秒というラップでしょう。2000mを1ハロン12.0秒平均で走れば120秒、いわゆる2分というタイムになるわけです。2000mレースというのはこの120秒が全ての基準になると私は思っています。だからこそ12.0秒は完全なる平均ラップです。正直この12.0秒というラップは遅くも速くもありません。追えばもっとタイムは出させられるし、逆もしかりです。だからこそこの12.0秒というラップをソレイユヴィータに騎乗する予定の西村淳騎手が刻めるかどうかです。このタイムを刻むと後続馬がまくりを決めようとすれば平均以上の脚を使わなければならないですし、緩めたとしたらもっと逃げ馬との距離が開いてしまいます。まさにこのラップが刻めるかどうかでソレイユヴィータの着順は決まると言って良いでしょう。しかも何度も申し上げていますが中山開幕週ですからね。12.0秒というラップはいつも以上に楽な手ごたえで作れると思うのです。

私は結論「少し速くなる」という場合もあるなと想定しています。仮に11秒台のラップを刻んでしまうようなことがあるとどうなるか。後続馬は追いついてきません、というか無理に前に出た馬が後で垂れていくことになるわけです。そういう騎手も…いるだろうなwww

残りの2ハロンの展開は、今は書きません。さすがに最終見解まで残しておこうかと思います。

G2 紫苑S:バークレー指数上位馬

さてここからはバークレー指数上位馬を紹介していきます。
上がり優秀馬
1位 以下の3頭が該当(0.7)
アグラシアド・アップトゥミー・キミノナワマリア

さすが3歳馬限定重賞、なかなか指数に差はつきません。3頭がトップで該当する形となりました。まずはアグラシアドから紹介していきましょう。
未勝利戦を勝ち上がるまでには3戦を要しましたが、そこからは2連勝。上がりも脚は安定的に使える馬で左回りでは33秒台を出してきます。一方右回りではあまり上がりのタイムが出ていないことから、コーナーはあまり得意ではないのかなということと、どちらかというとキレ脚タイプなのかなと想像します。ちょっと映像見てきますね。うんやっぱりそうでしたね。エンジンがかかるのは遅いですがかかると突き抜ける力を持っていると感じます。ミモザ賞もゴール直前まで壁ができていて、それでも最後の1ハロンで一気に3着にまで上がるキレを持っています。中山ではそのキレは生きると思います。ただ、そうなるとどうしても位置取りが必要になってきます。枠順に恵まれて、ある程度好位で競馬ができるようであれば面白い1頭かもしれません。
続いてアップトゥミーを紹介します。
こちらも安定して脚が使える馬ですね。ただ、データ上だけで判断するならば、むしろ長く脚を使うタイプで器用な感じかもしれません。左回りで上がりが出しやすいレースで33秒台の上がりを記録したこともありますが、それは前半極端に緩んだ展開。むしろ中山1800で記録した35秒台の上がりに私は注目します。こういう上がりが記録できるというのはまくりに近い形で競馬ができた証拠です。こちらも映像見てきます。見てきました。やはり長く脚を使うタイプの馬でした。こういう馬も結構展開が味方する必要があります。今回前半ペースが多少緩むと判断していますので、2走前のようなまくりが決められるかは分かりません。前を行く西村淳騎手の騎乗次第といったところでしょうか。
最後にキミノナワマリアです。
フローラS・オークスと跳ね返されてしまいました。そこまでは非常に安定した成績を残していたのですが…。一方でハービンジャー産駒らしく札幌の重い馬場への対応力は見られました。後は開幕週の高速馬場に合うかどうかというところでしょうか。鞍上はルメール騎手の予定。陣営も…勝ちにきているかな?

コース適性優秀馬
1位 マーゴットミニモ(1.5)
2位 キミノナワマリア(1.3)
3位 以下の3頭が該当(0.7)
エミュー・ソレイユヴィータ・フィールザオーラ

コース適性はマーゴットミニモがトップとなりました。
徹底的に右回りに出走し、そして6戦1勝ながら5回馬券に絡んでいる関係でこのような順位となりました。一方でダート馬だということも考えておかねばなりません。これだけダートで走れているわけですからパワーのいる馬場なんかは合うとは思いますが…正直開幕週の中山で走れているところは想像がつかないでいます。
2位はキミノナワマリアですがすでに紹介したのでここでは割愛します。
3位には3頭が該当しました。まずはエミューを紹介します。
桜花賞では結構期待されていましたよね?こちらもハービンジャー産駒らしく道悪くらいの方が能力を発揮するのかもしれません。ただ中山で3勝している事実は無視できません。3勝のうち2回は良馬場でしたし、相手もそこまで弱くはありません。総合指数次第では馬券に絡ませた方が良いのかもしれません。
次にソレイユヴィータを紹介します。
今回のレースのカギを握っているのがこの馬です。上がり馬ということにはなりますが西村淳騎手はテーマをもって騎乗してくるタイプの騎手ですから侮れません。しかも3勝は全て小回り、2着と結果を出した時も小回りです。良馬場でも結果を出していますので、渋った方が良いかもしれませんが対応は可能。結果が出ている4走は全て西村淳騎手が鞍上です。どれくらいのペースならば耐えられるかも熟知していると思いますし、何よりもここで結果を出せればという思いがあるでしょうしね。唯一の不安は形状から考えてハナを切ると厳しくなるということくらいでしょうか…。
最後にフィールザオーラです。
こちらは先行力を生かして粘りこむタイプの馬となります。こちらも小回りでも結果を出せているので先行した方が間違いなく良いタイプの馬。ただ相手関係を考えた時、未勝利戦でスキルヴィングに1.6秒もの差をつけられているというのはちょっとさすがに1枚劣るかなという印象はあります。この馬がソレイユヴィータに変わって逃げたら…前半もっと緩むかも…?逆にまくりは決まりやすくなる展開となるかもしれませんね。

距離適性優秀馬
1位 キミノナワマリア(0.6)
2位 以下の2頭が該当(0.5)
アグラシアド・マーゴットミニモ

距離適性でもキミノナワマリアが該当してきましたね。
ここでは3頭とも説明済の馬ですので割愛をさせていただきます。

総合指数優秀馬(途中経過)
1位 モリアーナ(8.267)
2位 キミノナワマリア(7.975)
3位 ソレイユヴィータ(6.869)
4位 エミュー(6.806)
5位 マーゴットミニモ(6.607)

総合指数トップはモリアーナとなりました。
一切の感情を抜きにして語りますwww 正直距離は長いと思います。それでもコスモス賞札幌1800mでは上がり2位でドゥアイズに勝ち切っているところを見てみると、2000mならばと思ってしまうところもありますよね。ただ、コスモス賞は札幌競馬場であるということがどうも気になります。2000mを挑戦させるのならば、なぜ中山2000mを選んだのか…秋華賞に挑戦するためというのは分かるのですがちょっといきなりは無理があるのではないかと思うのです。今回も典さんが騎乗することになると思いますが、今回はマイルではないので自然に好位につけて脚を溜められれば面白いとは思います。しかしどうしても開幕週はインに集中する傾向があると思うので…どう立ち回るかでしょうか。
その他の馬は全て紹介した馬となっていますね。

G2 紫苑S:中間考察該当馬

★中間考察該当馬★
エミュー⑥・キミノナワマリア⑦
グランベルナデット①・ソレイユヴィータ④
ダルエスサラーム⑭・モリアーナ②

今回はこの6頭を中間考察該当馬として推したいと思います。上位人気、中穴、大穴と良いバランスの馬が残ってくれました。



G2 セントウルS:予想基本方針

この部分を書き始めた時点ですでに23:30を過ぎております。確実に終わらないことが分かっておりますので、ある程度の部分まで書いたら残りは木曜日に追記させてください。やはり一気に2つの中間考察は無理過ぎました…。情けないですがお許しください。
G2 セントウルS:阪神芝1200m右回り
【コース形状考察】

阪神競馬場芝1200m右内回り:コース形状

こちらがセントウルSが行われる阪神芝1200mのコース形状となります。こちらも内回りを使用します。が、そんなことより大切なことがあります。それは「阪神開催」だということです。ここ数年で競馬人口は非常に増えました。最近競馬を始めたという方も多いのでしょう。最近のセントウルSは中京開催だったこともあって、阪神のイメージがわかない方もいるのではないでしょうか。そもそも阪神と中京では回りが違います。一気に下ってから上るという形状には共通点があるのですが直線の長さも全く違いますから注意が必要です。阪神芝1200mというコースはスタートが向こう正面に入ったくらいのところから。3角までの距離は243mとわずか1ハロンちょっとしかありません。しかも阪神競馬場は内回りにしては緩やかなカーブを描きますので、そういう意味では息を入れる暇がないようなレースになりがちかと思います。最後の直線は356mと1.5ハロンちょいとなっています。短距離に長く脚を使うとかそういうことはあんまり関係ないですよね。だから1.5ハロンで決め切るというのは正直普通です。むしろ息を入れる間もない感じで進むラップをどうやって攻略するのかというところがポイントになるかと思います。

【断面図】
では続いて断面図を見ていきたいと思います。

阪神競馬場芝1200m右内回り:断面図

この断面図を見てレースを想像した時の第一印象は…「こりゃ大変だ…」でした。よっぽどの逃げ馬がいてすぐに隊列が決まるような特殊な展開になるならまだしも、1200mスプリント戦というのは他の距離とは違ってスタートからの追い方がものすごいですよね。そこにきて3ハロン目くらいから一気の下りが始まるわけです。騎手が上手くコントロールしないと前のめりなラップになりすぎて、そこに最後の急坂が登場するわけですから…。スプリンターは本当に大変だ…。スプリンターというよりむしろ1400m適性があるくらいの方が合うのではないかと思ってしまう形状です。しかも内回りは外回りと比べて急激ではないにしても下りの部分が長いんですよね。それがさらにこのレースを過酷にさせていると感じます。中京だとローテ的にも形状的にもスプリンターズまではどうかなと思っていましたが、このセントウルを勝ち抜いた馬は本当に強いのではないかなと思ってしまいます。とにかく形状的には「ドS」であることには間違いありません。無事に怪我なく全人馬がレースを終えられることを願うばかりです。

G2 セントウルS:逃げ馬考察

こちらもテン速さ比較で逃げ馬を特定するのではなく、あくまで今までのレースぶりと陣営の意図を読み取りたいと思います。
■逃げ馬候補■
※直近5走で逃げたことのある馬
アグリ・ジャングロ
ドルチェモア・ビックシーザー

直近5走で逃げたことのある馬は上記4頭だということが分かりました。意外に少ない印象ですね。では1頭1頭紫苑Sと同じ観点で見ていきましょう。
アグリ
→明確に逃げたのは5走前ではありますが、この馬は間違いない行き脚の持ち主なので先団には高い確率でつけてきます。ただそれがスプリントということになると話は別です。前のめりなラップで押し切ることもできなくはないですが、やはり1400mあたりを中心に走ってきた馬でもありますので、できればそこまで前半流れるようなレースは避けたいところ。要するに自分のペースを守って番手につけているというよりは、逃げ馬のペースに合わせる形でタイムが決まるタイプの馬になっているので、現実的に逃げるとは思わないのですが逃げ馬がどういう逃げ方をするかは大切な要素になります。
ジャングロ
→アイビスSDに出走したのには驚きました。前々走NHKマイルでは出遅れが響く形になりましたし、前走アイビスSDが約1年ぶりのレースでしたので行き脚の速さを生かしたかったのか、復帰戦だからこそテンの速さを思い出させるためにアイビスSDに参戦したのか…その辺の意図は分からないのですがテンの速さは間違いない馬だとは思います。そして休養明けとは言え1200mよりは長い距離でのレースにも対応してきた経験がありますので怖い存在にはなります。脚部不安で約1年の休養ですからちょっと大丈夫かなと思っていたのですが、不安もなさそうなのでこの馬が今回の逃げ馬候補筆頭といって構わないでしょう!
ドルチェモア
→世代のマイル王がスプリント重賞に参戦です。この馬のポイントはやっぱり折り合いなんでしょうかね…。折り合いというのはペースを抑え込もうとするような時に欠いてしまうことがあります。そういう意味ではある程度流れるスプリントの方が折り合いはつきやすいのかもしれません。そして鞍上も池添騎手という数々の癖馬を相手にしてきたジョッキーです。なんか陣営の祈りみたいなものを感じるのは私だけでしょうかwww 逃げたのは新馬戦とNZTでのこと。NZTの時の和生騎手のコメントを私は忘れられません。「それにしても負けすぎです」いやいや、やりようがあった部分はないんかい!確かにその後のNHKマイルのことを考えればNZTの前3ハロン35.0秒、これ以上は緩められないですよね。まだ完全に競馬が上手くなっているわけではないわけですからね。ただね…。そして本題ですが…私は逃げないと思います。多分行き脚的に逃げられない。折り合いを欠いて途中で前に出ちゃうことはあり得ます。
ビックシーザー
→スプリント界の新しい星ビックシーザーが出てきました。賞金的にはどうなんでしょうかね。もうスプリンターズSに出られるようであればここはメイチではないでしょうね。逃げたのは5走前の未勝利戦ですので今回も逃げることはないと思います。好位からの競馬をするでしょう。前走初の重賞挑戦となった葵ステークスは爆発的なモズメイメイのスタートがちょっと大きかったです。それでもトップまで0.1秒ですからね。力があることは証明しました。

私の結論は「ジャングロが行けるところまでいく」という感じです。
ではセントウルS自体の前後半ペースがどうなっているのかを見ていきましょう。

【ペース考察】

セントウルS過去レース:前後半タイム

こちらが前後半タイムでございます。やはり予想通り前傾ラップになる年が多いようですね。しかも後傾ラップになった3年のうち2回は前半33秒台となっています。前は流れると考えて問題ないと思われます。一方でジャングロが行けるところまでいく、が私の予想ではありますが、それでも32秒台になることは考えにくいし34秒台に緩むことも考えにくいと思います。そうなれば33秒台前半くらいを刻んで後半勝負という形になるということでしょうか。

G2 セントウルS:能力比較

それではセントウルS出走馬における能力比較を行っていきたいと思います。こちらの部分を書き始めるのが木曜日となった関係ですでに出走しないことが確定している馬も載ってしまっております。例えばホウオウアマゾンなどですね…。そちらはお許しいただければと思います。ホウオウアマゾンは歩様が乱れて大事をとって回避とのこと。また復活してくれることを願っています。ではまずは能力比較の基準となるタイムから見ていくことにいたしましょう。

芝1200m:タイム比較(阪神基準)

セントウルSが行われる阪神競馬場を基準として、各競馬場平均タイムとどのくらいの差があるのかを示したものになります。過去15年新馬未勝利戦を除いた全平場レースの平均タイムを採用しております。右側の表が阪神競馬場を基準とした比較表ということになりますが、マイナスがついている競馬場は阪神競馬場よりもタイムが出にくいところだと思ってください。高速馬場での開催が多い小倉競馬場、後半はずっと平坦な道が続く京都競馬場、坂を下っていく形で進む中山競馬場に次いで阪神芝1200mというコースはタイムが出やすいということが分かります。上がり3ハロンで見ていくと京都競馬場に次いで2番目に時計の出やすい競馬場であるようですね。これは内回りにしてはコーナーが緩く、加速しやすいという形状が要因となっているのでしょう。京都競馬場のカーブもやっぱり緩いですしね。タイムが出やすい東京競馬場では1200m戦は行われないのでこのような順位になったということなのでしょう。では早速まずは持ちタイムから比較していくことにいたしましょう。

持ちタイム比較:阪神換算

こちらが持ちタイム阪神換算の順位となります。テイエムスパーダが1位になっておりますが…。すいません…私はおそらく相当の変わり身がない限り今後テイエムスパーダを買うことはないと思います。ちょっとCBC賞でのタイムというのは斤量の要素が大きすぎました。大好きな馬なのですがすいません…。タイム的に抜けているのはピクシーナイトです。実は表の一番右側にある「差」という部分に掛かれた数字ですが、過去最高のタイムを出した時の斤量と今回の斤量との差という意味でございます。確かにピクシーナイトも最も良いタイムだった時と考えて5㌔もの差があるのですが、かなり前の記録ということもありますし馬体の成長も見られるので差し引きという感じで考えました。斤量との兼ね合いで考えるとスマートクラージュとビックシーザーは少し有利だということが分かります。さすが世界一と言われる日本のハンデキャッパー、予想する側を惑わせてきますねwww あと私が少し驚かされたのはエイシンスポッターでしょうか。中京競馬場で出した67.4秒というのは実はとても優秀です。中京競馬場はタイムがなかなか出にくいコースです。それだけタフだということになります。その中でこのタイムは評価できるのではないかと思います。ボンボヤージのタイムも上位ではあるのですが北九州記念という舞台であること、そしてやはり内枠の恩恵は大きいと考えます。今年の北九州でも内枠2番を引くことができましたが5着、6歳ということもあり少し力は衰えてきていると判断せざるを得ません。そういう意味では評価は一枚劣るのかなと思います。では続いて上がりの能力比較を行います。

上がり能力比較:阪神換算

上がりの能力比較は上記のようになりました。上がりだけを見た純粋な順位は上記の通りにはなっていますが、今回はちょっと違う試みをしています。各馬が上がり最高タイムを記録したレースでの「前3ハロン」を調べました。そして上がり阪神換算とその前3ハロンを足したもので順位を出してみたということです。私の中で能力比較を行う時の「イメージ」というものがあります。それに何とか近づけるためのデータを探し始めて早3年…。少しずつ近づいているとは思うんですけどね…いやいや競馬は本当に勉強の連続です。さて、上記のような計算をしてみた時、上がりから考えてベストの能力を持っているのはやはりピクシーナイトではないかということが分かりました。そして2位はなんとスマートクラージュ!3位はエイシンスポッターとなったのですよ!これ私のⅹ(旧Twitter)をご覧になっている方はお分かりかと思うのですが、今回馬体で注目した2頭が入っているということになります。私は馬体等診断を行う際はなるべく客観的に見るように心がけていますので、純粋に馬体が良いなと思って呟いたのですがまさかデータでも該当してくるとは思いませんでした。

能力比較:総合評価

今回の能力比較において、当確とさせていただいたのは上がり部分で紹介した3頭となります。そして少し衰えが見えるとはいえボンボヤージのこのデータを見るとちょっと消すわけにはいかないということで次点、ビックシーザーも成長途中ではありますが高い能力を持っているということが分かりましたのでこれまた次点とします。ロンドンプランはまさに展開次第といったところでしょうか。
★能力比較考察該当馬★
エイシンスポッター⑦・スマートクラージュ⑥
ピクシーナイト④・ビックシーザー①
ボンボヤージ⑭・ロンドンプラン⑨

さて、能力比較ではこの6頭が残る結果となりました。いいですねぇ、ドキドキしてきましたね!!

G2 セントウルS:ラップ考察

さぁ、続いてラップ考察にまいりたいと思います。まずはラップの視覚化からしていきたいと思います。

セントウルS阪神開催:ラップ

こちらが阪神で開催されていた時のセントウルSラップでございます。こちらを見るとやはり一番の特徴は3~4ハロンでの緩みが小さいということでしょうか。まさに息をいれにくい形状であると言える、と普通であればこのように考えるでしょう。しかし、それもまた先入観であることが分かりました。次のグラフをご覧ください。

セントウルS中京開催:ラップ

こちらが直近3年間、中京開催だった時のラップになります。2006年にも中京でセントウルSが開催されたことがあるのですが、こちらはさすがに古すぎるデータということでこちらには入れませんでした。さて、直近3年間中京で行われた時のセントウルSは『阪神開催時よりも息が入れられないレース』だったということが分かりませんか?もちろん昨年メイケイエールが勝利した時のセントウルS勝ち時計66.2秒ということから分かる通り、非常に高速馬場になりやすい時期であることは分かっているのですが、それにしても前半のペースが速すぎると思えてなりません。ただこれでは違いがいまいちわかりにくいので阪神開催と中京開催の平均のみを比べて見てみることにいたしましょう。

セントウルS開催別:ラップ

こう見てみると違いは明らかですね。赤線が阪神開催、青線が中京開催を表しています。スタートから緩やかな上り坂を経て一気に下ってから急坂を迎える中京1200mの方が、どうしてもラップが前のめりになるということが分かります。そして阪神の方が直線の距離が短いことから、ゴールから2ハロン前いわゆる直線に入ってから一気にペースが加速していくということを意味しているのでしょう。これは何を意味しているのでしょうか。

阪神はゴール手前2ハロンの時点から各馬エンジンがかかりますが、その手前1ハロンの部分は中京とペースはほぼ一緒。スタートから2~3ハロンが中京に比べると緩いことから隊列は中京に比べ短いものになります。そしてそこからペースが変わらず最後一気のスパート、明らかに「キレ脚勝負」ということになりませんでしょうか。もちろん前目にいてしぶとく残るという場合もなくはありませんが、そういう馬が残り400mという時点からのスピードアップに対応するためには、かなり前で競馬をする必要が出てきてしまいます。これは隊列予想が非常に大切になってきそうな気配がしてきました。

ただね…、やはり隊列予想というのは針の穴に糸を通すような作業です。隊列や展開予想が100%的中して、馬券も的中!なんてことはほとんど起こりません。ただ、近い形になることはあります。その近い形を私は求めて隊列予想をしているつもりです。「展開なんてどうせ当たらないから能力で選んで後は運任せ」こういう予想は私にはできません。競馬で当てるためには最後は運の要素が強い、それは分かっています。ただ「最後は運だからね」といって成長できるかもしれない機会を失いたくないと私は考えます。だから隊列予想をするのです。

~1ハロン毎の物語を紡ぐ①~
では早速1ハロン目を考えていきましょう。ここはまさに隊列予想が中心です。

セントウルS:1ハロン目

さぁスタートはどのような形になるのでしょうか。枠順発表前ではありますが大まかな隊列予想をしてみました。次の表をご覧ください。

セントウルS隊列予想:枠順発表前

右回りなので縦にしてみました。今回中間考察の記事には載せていないのですが、テン速さ比較もしっかりやっております。今回のテン速さ比較とは関係なく、私はジャングロを逃げ馬として想定したわけですが、実は出走馬にはテンが速い馬が今回複数います。したがって前3ハロン33秒台には収まるとは思うのですが、馬群全体が前に前にという状態になる可能性があると思っています。まず赤字で記した2頭がどんなペースを作り出すのかが大きなカギを握っていると思います。普通に考えたら3列目くらいの馬まではある程度テンの速さを持っているので下手したら33秒台前半のペースで進んでいくかもしれません。そうなると青字で記したグループが展開的には向くのではないかと思っています。普通に考えれば開幕週ですから前が有利と考えるのが普通だとは思うのですが、今週は週半ばの天候も不安定で当日どういう馬場状態になるのか未知数なところがあります。土曜日の馬場を見て最終的には判断していかねばならなくなるでしょう。エイシンスポッターに騎乗する角田河騎手がどういう位置取りをしてくるのかにも注目をしています。そういう意味ではピクシーナイトも同じでしょうかね。本来であればこの2頭は後ろからの競馬になる可能性が高いわけですが、3~4ハロンあたりでそこまでペースが速くならなかった場合、隊列は短い状態でカーブに突入します。先頭と後方との距離がさほど開いていない状態で直線を向くのであれば、エイシンスポッターにも十分可能性が出てきますが、大外をぶん回す!みたいな単純な力技に出てしまうと展開的にはちょっと厳しくなります。位置取りには注目ですね。

~1ハロン毎の物語を紡ぐ②~
続いて4~5ハロン目を見ていきましょう。

セントウルS:4~5ハロン目

中段後方の馬が動き出すとしたら4角に入るか入らないかというくらいでしょう。阪神開催のセントウルはキレ脚勝負、最後の1ハロンないし100mである程度の位置にいれば最後決め手がある馬は前に出られます。そうすると直線向いてから1ハロンで一気に位置を上げなければなりません。それってすでにキレ脚勝負ではないですよね。仮に最後の決め手勝負に持ち込むのであれば、直線向く手前くらいで少し位置を上げて、直線向いたら少し我慢して、パワーがあるタイプであれば急坂に差し掛かってから、そうでなければ急坂少し手前で勢いをつけて駆け上がるという戦法をとってくるはずです。ただ、実は今回あまりキレ脚タイプの馬っていないと思うんですよね…全盛期のピクシーナイト、それ以外ならば馬体的にエイシンスポッター、前走馬体であればスマートクラージュ、そしてモリノドリームくらいでしょうか。それ以外はそこまでキレ脚タイプでもないと私は思っています。ということは上記で上げた馬たち以外は少し早めにスパートをかけ、急坂あたりから一気にキレ脚タイプの馬が台頭してくる流れになるでしょうか。

セントウルS過去レース:600→1000mラップ

この部分はどの年もある程度一気にスパートをかけてくる部分となりますので、年によって大きな差がありません。11秒台の脚を使って皆がスパートをかけてきます。逆に言えば逃げ馬であっても11秒台の脚が使える余力が残っているということになります。やはりポイントはゴール手前2ハロン目の途中からということになるでしょう。なんか一気の突き抜けというよりも馬群がごちゃってなった状態でゴールしそうな匂いがプンプンしてきますね!

さて、今回のセントウルS考察部分は以上となります。ここからはバークレー指数上位馬をみていきたいと思います。もう少しお付き合いください!

G2 セントウルS:バークレー指数上位馬

【バークレー指数上位馬】
上がり優秀馬
1位 エイシンスポッター(1.7)
2位 ディヴィナシオン(1.6)
3位 以下の3頭が該当(0.9)
ジャングロ・ビックシーザー・モリノドリーム

上がり優秀馬トップはエイシンスポッターとなりました。
ラップ考察でも少し出てきましたが、基本は後方からの競馬になるという形でしょうか。しかし、上がりの脚は間違いなくあります。14戦中8回上がり最速を記録していますし、特に前走は前3ハロン34.8秒で回ってきて33.0秒上がり最速を記録しているところから、確実に成長をしているなと感じます。馬体的にも非常に充実していると感じます。後は「どう騎乗するのか」というところだけでしょう。角田河騎手…頼む…。
2位にはディヴィナシオンが入りました。
こちらは本当に堅実に上がりの脚を使ってくるタイプです。突出したタイムというばかりでもないのですがこの安定感は評価ができるところです。今年のオーシャンSで2着に入っているところから見ても、直線が短い競馬場への対応力はありそうです。ただ、確実に馬場は渋らない方が良いタイプと言えます。おそらく大丈夫だとは思うのですが、当日高速馬場が出来上がっているようであれば一発あってもおかしくはないと個人的には思います。鞍上は団野騎手です。約2年ぶりのコンビでしょうか。これは正直プラス材料ではないと思います。団野騎手がどうということではなく、上がりの脚を使って結果を出すタイプと考えると…やはり良く知っている騎手の方が良かったかな…というかプラスマイナスゼロという感じでしょうか。
3位には3頭入っています。
まずはジャングロから紹介していきましょう。
この馬が上がり優秀馬で該当するとは思いませんでした…。基本的に前で競馬をしたいタイプですが、ある程度のスピードで逃げても後半脚を残して置けるのがこの馬の良いところですし、3走前NZTで勝ち馬になった時は最後の直線で非常に良い粘りを見せてくれました。根性がある馬だと思います。アイビスSDに出走して行き脚を確認し、今回を本線として戦いに挑むと思いますが、やはりどうしても1200mだとゴチャゴチャしちゃうというか…せわしない感じになりそうに思えてなりません。時計がかかる馬場であれば面白いのかもしれませんが、高速馬場となると…ちょっと厳しいかもしれません。
続いてビックシーザーです。
今まで一度も馬券を逃したことがありません。それだけ条件戦では力が抜けていたということでしょう。圧倒的な人気を背負って出た前走葵ステークスでは3着と勝ちをもぎ取ることができませんでした。皆様ご存知の通りモズメイメイが超ミラクルスーパー良いスタートを切ったレースですね。1200m戦であのスタートを切ってしまうと、それだけでものすごいアドバンテージです。陣営もその分で勝ち切れなかったと考えているようです。私もそう思います。Xでもつぶやいたのですが、実はこの馬はキレのあるタイプの馬ではないと思っています。どうしても最後の決め手という部分においてはズブいところがあります。モズメイメイが普通のスタートであれば届いた可能性もありますが、そうはいってもルガルに最後差されています。ここがこの馬の最大の課題だと思うのです。当日の…馬体に注目です。
最後にモリノドリームについてです。
ラップ考察の際に述べた通り、強烈なという感じでもないのですがどちらかと言えばキレ脚タイプの馬だと私は思っています。こういう馬こそフォトパドックの写真を見せてほしい…。情報を与えるのであれば平等に出してもらいたいところです。さて、この馬は条件戦を勝ち上がったばかりの馬ということになりますが、その勢いは本物です。5戦連続で連対、そのうち4回は勝利をつかんでいます。いずれも札幌か函館でのレースということになりますので直線は短い競馬場。まぁ札幌はコーナーが緩いのでまだしも、函館で勝ち切っているのはキレがある証拠ではないでしょうか。中山競馬場でも結果を残していますのでね。もともとダートも走っていた馬ですのでパワーで坂を上り切るタイプなのでしょう。私この馬がある意味展開的には結構向きそうだなと思っておりまして密かに注目しています。ただ…テン乗りはやはりマイナスです。

コース適性優秀馬
1位 以下の2頭が該当(1.8)
アグリ・スマートクラージュ
3位 ジャングロ(1.5)

コース適性1位には2頭が該当しています。
まずはアグリから見ていきましょう。
阪神競馬場ではすでに3勝しておりまして、残りの2戦も馬券を逃しておりません。そういう意味では阪神巧者といって構わないと思います。ただ、阪神で勝利しているレースはすべて1400mという距離で、1200m重賞では未だ結果は出せていません。高松宮記念では不良馬場が響いて7着、前走は海外競馬を経験して5着という結果でした。その後このレースに直行した形となります。まぁもちろん獲りに来ているとは思うのですが叩き的な要素も強い気がしますよね…。馬体的にももう少し引き締まった方が良いのかなという印象を受けました。
次にスマートクラージュを紹介します。
左回りに比べると明らかに右回りの方が好走率が高くなっています。そしてこの馬に関しては好走の条件がもう一つあります。彼自身が前のめりなラップを刻まないことです。前33秒台で突っ走っていかれると終いの弱さは残ってしまいますので、最低でも34秒フラットくらいのペースで追走していく作戦をとってほしいところ。鞍上は岩田望騎手で、現在ノリに乗っている騎手ですからその辺は自信をもってうまく乗ってくると思いますが思わぬ凡走もあり得る馬だとは思います。馬体に関しては完全に前走CBC賞がメイチでした。今回も非常に良いとは思うのですがそこまで完成しているわけではありません。メンバーも強くなる今回、どこまで通用するのでしょうか。こちらもパドックでの馬体に注目です。
3位のジャングロに関してはすでに紹介しましたのでここでは割愛をさせていただきます。

距離適性優秀馬
1位 ビックシーザー(1.4)
2位 エイシンスポッター(1.1)
3位 モリノドリーム(1.0)

距離適性トップはビックシーザーとなりました。
まぁ徹底的に1200mで使われてきていますからね。当然の結果かと思います。ここの3頭はすでに紹介してきた馬ですね。

総合指数優秀馬(途中経過)
1位 ビックシーザー(11.536)
2位 ジャングロ(11.315)
3位 アグリ(10.264)
4位 スマートクラージュ(9.688)
5位 エイシンスポッター(9.119)

総合指数でもトップに立ったのはビックシーザーでした!

G2 セントウルS:中間考察該当馬

★中間考察該当馬★
アグリ②・エイシンスポッター⑥
スマートクラージュ⑤・ピクシーナイト④
ビックシーザー①・モリノドリーム⑧

今回の考察で選ばせていただいた馬は上記6頭とさせていただきます。

今回は初の試みとして2重賞の中間考察を書いてみました。
本当に大変だったので、個人的には二度とやりたくないですwww ただいつも以上に2つの重賞について深く深く考えることができました。これだけ考え抜いた経験は必ず今後の予想力の糧となっていくと信じて、これからも頑張っていきたいと思います。フォロワーも12000人を超え、本当に多くの方に考察を読んでもらえるようになりました。馬体診断も含めて今後も精進していきますので、よろしくお願いします。記事を読んでくださった全ての方に幸あれ♪

予想には一切妥協しません!独自の指数データを日々改善させて的中率をあげていきます!