見出し画像

ブランドの課題解決はギャップの発見にあり


Before After Method

いきなりnote1発目に何書こうかなと悩み…

自分が普段溜め込んでいる経験や考えをまとめる意味で、私が所属するFRACTAでブランディングの観点でよく求められる客観性について書くことに。

今回はブランドコミュニケーションを客観的に見るためのBefore After Methodと勝手に命名しているメソッド的な話です。

定性調査の類ですけど、これ定量的な調査だと見えない「ギャップ」がよく見えて非常に発見があります。

FRACTAでは客観的な視点でブランド(コミュニケーション)を見て欲しいというご依頼をいただくことが結構多いんですが、ご依頼いただく際は基本的にまずブランドの「現場*」を見ます。
*=店舗やwebだったり、実際に商品やサービスのタッチポイント全て!

私達はブランドの現場とブランドの理想を対峙させた時に出る「ギャップ」の発見がブランドを見直すヒントになると捉えてます。

今回の話のメソッドはそこから生まれた考え方。

ブランドの理想≠ブランドの現実

必ずしもブランドが伝えたいことが、顧客に通じているとは言えない。
もちろん通じていることがあり、その反面通じていないこともきっとあり、そのどちらも知ることが重要で、捉えることが課題としての解決、ブランド発展の第一歩。

皆さん世の中のブランドに向けたご意見って日常生活の中でも結構出てくると思うんですが、ことブランドの中に入ってしまうと毎日同じブランドのことを考え、毎日同じプロダクトやサービスのことを考えているから行き詰まってしまうことが多い。

単純に客観性を日々失ってしまう。これは致し方がないことだと思います。自分の中にビジネスシーンにおいて人格を分けるようなことができてないとなかなか難しい。

そこで課題解決の必要に応じて私達のような外部の視点を求められることになると思いますが、その際によく求められる「異なる視点」、これ私が思うに特別な視点が必要なわけでなく「ブランドに麻痺していないブランド側+顧客側どちらもの視点」であればいいんだと思ってます。

や、もちろんクリエイティビティな視点、先進的な視点は課題に向き合う際は必要なんですが、「ブランドを見る、感じる」ってことは職能とか好みの傾倒とかを意識しないってことが重要で。

特に「顧客であること、消費者であること」が私は凄く大切な感覚だと感じてます。これはまた別の機会に書こうかと。

FRACTAではブランド体験を大切にする文化があるんですけど、それはブランドの普段のビジネスサイクルや何か企画する時間の中だと見つけづらい価値を見つけるために必須なことだと感じてます。

そして、その考え方から発展したメソッドがこのような感じ。

Before After Method(BAM)
1. 顧客として体験(Before)
2. 体験情報の整理
3. ブランドが伝えたい情報を把握(After)
4. 把握情報の整理
5. 情報を対比させて差分(ギャップ)を知る

とまあシンプルなことなんですが、差分を出すことでブランドが伝えたい、または伝えたと思ってる情報と、実際に現場で伝えられていることの「ギャップ」が見つかります。

副産物として伝えたいと思っていることとは異なる発見も現場で起きたりするんですけど…!(これ結構いろいろ発見があります。現場の人の声って顧客より生々しい…みたいな!

さて、実際に実施方法も簡単にご紹介。

現場を見るのは…いわゆる覆面調査って感じですね。
めちゃくちゃ刑事ばりに手と足で調べて頭で考える。マジかよアナログすぎだろガテン系なんですが、なんだかんだこれに尽きます。

変化は会議室で起きてる訳じゃねえんですね。

1.顧客として体験(現実)
まずいち顧客としてタッチポイントでプロダクトやサービスの購入体験をしてみること。
体験する際にはできればスタッフの方に質問してみるなどリアクションを促し、ブランドの説明やどのような人向けなのか、どういうところにこだわりっているかなど聞いてみる。

店舗は人を通じてブランドの説明を行いきれている。ECサイトでは商品の価値が伝えきれていないなどなどを色々調べる限り調べる。

体験する際に、自分が顧客として困ったことを想定したり、複数人で行う場合はバリエーションを分けるのもいい。

例えば食品だったら「今日の夜ご飯を考えようかな」「子供の晩御飯は何にしようかな」「今日は仕事が早く終わったからご飯を作ろうかな」など商品やサービスを購入する際の複数の顧客の立場の情報を整理することができると差分の厚みがでてくる。


2.体験情報の整理
タッチポイントごとをグループに、それぞれ同じカテゴリーで体験の印象をまとめておくと、この時点でタッチポイントごとの差も出て面白いです。

例えば、WEBより店頭の方が親切感を感じる、商品をセットで購入したくなる説明を受けた、印象を得たなど、顧客としてブランドの何の情報が得られたか、どのような感想を持ち、どのような感情になったか、商品の品質感はどうだったかをできる書き出し、まとめておく。

3.ブランドが伝えたい情報を把握(理想)
顧客として体験したことは一度忘れて、ブランドの情報をヒアリング、洗い出し。

この人に向けて、こういうことを伝えたくて、こういう価格帯で勝負をしたくて、こういう効能があってなど、ブランドが伝えたい、伝えるべき情報を把握。

ペルソナやカスタマージャーニーマップなど整理された資料がある場合は資料を噛み砕き、ブランドマネージャーがいる場合はブランドの情報を出来るだけ聞き出すのが良い。
逆にいうとブランドマネージャーからブランドの情報を歪みなく聞き出すために、ヒアリングの時期に顧客としての体験をしないのが推奨。

またブランドの情報を頭に入れた上で商品やサービスの購入を行うと、顧客としての体験では得られなかった気づきを得られることもあるので、更にこの後の差分を見つけるのに加えてやってみても発見があると思います。

1,2とは別の人が担当したほうが感情も混在しないで良いかも…

4.把握情報の整理
2と同様。
ここではタッチポイントレベルで分解するのが難しいと思いますので、出てきた情報は全タッチポイントに共通するものとして整理してみてよいかと思います。

もちろんブランドとしてタッチポイントの役割が分割されていて、伝達する情報も異なり分けられるのであれば分ける。

5.情報を対比させて差分(ギャップ)を知る
「顧客として体験」「ブランドが伝えたい情報を把握」を並べた上で現実と理想の差分(ギャップ)が見えてきます。

善悪を探るのではなく、理想と現場のギャップに気がつくことが重要であり、ギャップの発見が価値です。

このギャップを見て、伝えるべきだが伝えきれていない情報の伝達を補うのか、伝えきれていない課題をもっと深堀るのか、ギャップがそんなに大きく見つからないのであれば、改めて可視化された状況から何を強化をするのかを検討するも良しです。

——————

といった感じです。

BAMはデータではなく体験によって知ることが重要です。
アンケート結果や定量データをみても発見しにくいものが見えるかもしれない。

ブランドがどれだけ伝わっているのかいないか具合の理解は現場だからこその感覚があり、人を通して店舗を通して伝わりの奥行きが異なり、この調査のディティールは定量調査では出ないため、ブランドに携わる方が行う場合は企画系の方、製造の方ほど店頭に行ってみることをお薦めします。

例えば、販売員の方がブランド説明をうまくできていないのであれば、スキルの問題か教育の問題か、そもそもブランドの説明内容が整っているのかを見直す。
店頭はブランドの説明が整っていても、ことECはどうだろうか?単純に伝えるスキルの底上げであれば、チャットボットに力を入れるかどこにコストをかければいいのかを判断する話ができるようになる。

逆にブランドコミュニケーションがうまくいっている場合でも、VMDやSPの印象が魅力に繋がっているということなら、更にそこに投資をしようという話がしやすくなり、顧客評価に繋がるところに投資すればいいという話ができる。

——————

FRACTAが普段ブランディングをする際の調査的な話になりましたが、ブランドを知る理解する上でこんなことを土台に、さて、それでは何をしましょうか?
といった流れでブランドを一緒にどう発展させていくかという話をしています。

ブランディングって何から着手すればいいんだい…
という場合、まず現状を知るということで、こんな方法を用いるってことも一つ有りなんじゃないかな〜と思います。

ブランドに関わるご相談いつでもお気兼ねなく!

ブランド支援
FRACTAは様々な分野のスペッシャリストが在籍しています。Business(ビジネス)、Technical(テクノロジー)、Creativity(クリエイティブ)の様々な分野のスペシャリストが、ブランド担当者と一緒のチームを作り課題解決に取り組みます。

Shopifyを無料で試す
DtoCブランドの立ち上げに必要な全てがここに。
FRACTAはブランディングの過程に商品やプロダクトを魅力的に届ける手段としてEコマースの豊富な知見からShopifyを推奨しています。
今なら14日間無料でお試しいただくことができます。この機会に、あなたもShopifyでECサイトを開設してみませんか?


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?