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絵本読み聞かせノート

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子どもへの読み聞かせの時間を通して、気づいたことや考えたこと、見出した問いを掘り下げてみた備忘録です。
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記事一覧

川の日なので加古里子『かわ』を読む|あわせて『たいふう』『だむのおじさんたち』も…

今日、7月7日は七夕ですが、それと同時に「川の日」でもあるそうです。ということで加古里子…

自然とわたしとあなたのかさなり|庭を描いた絵本を読む

よく、よい家庭ができるためには、家だけでなく庭も大切、だから「家庭」なんですよ、というホ…

建築への妄想力を高め、おうち時間を充実させてくれる「オススメ絵本リスト」

子どもが読んだり、読み聞かせしてもらったりすることを想定しているにもかかわらず(だからこ…

バーバパパは「はいまわった」のか?|戦後新教育と楽しい学びあい

「そうだ、あたらしい がっこうを つくりましょうよ。こどもたちに ぴったりの たのしい …

元・建築設計士アネット・チゾンが描く絵本『バーバパパ』の世界

世界的人気を誇るキャラクター「バーバパパBarbapapa」は、アネット・チゾン(Annette Tison:1…

絵本作家・石崎なおこの世界|〈似ている〉が生み出す発想の転換

最近、わが家の「オヤスミ前の読み聞かせ」レギュラー絵本は『ものすごくながいちょんまげのと…

住むこと 生きること 働くこと|絵本よみきかせノート はじめに&目次

noteのマガジン「絵本よみきかせノート」や「子育て観察ノート」に書き散らしていた文章たちを再編成して目次化してみました(うち5編は下書き段階)。ふたりの娘とのやりとりや、絵本を読み聞かせたりする時間がキカッケになって、住宅や生活や労働について考えた雑文たち。そんな架空書籍の目次とその前書きになります。 改訂:2019年7月15日 はじめに ――こわいゆめをみませんようにいつも眠る前に娘6歳はおまじないをします。「どうかこわいゆめをみませんように。おねがいします」と。「パ

異なるスケールをつなぐ|おおでゆかこ『シロクマくつや』3部作を読む

子どもに絵本を読み聞かせしていると、子ども向けと侮っていた物語に「おお!これは!」と深遠…

西山夘三の嘆き/加古里子の願い|高層アパートと持ち家・一戸建てをめぐって

1974年12月27日。帰宅した西山夘三(1911-1994)は家に残されたメモ書きを発見します。「子供…

ねんねすること/ねんねすると言えること/そして、表現できること

寝る前の読み聞かせ絵本。寝る前だけあって『おやすみなさい』(ヴィルジニー・アラジディほか…

加古里子と住まいの復興|絵本『あなたのいえ わたしのいえ』を読む

絵本作家・加古里子(1926-2018)の愛らしい絵本『あなたのいえ わたしのいえ』(図1)。家を…

夏休み、実家に帰るメカニズム|絵本で読む戦後日本型循環モデル

のりもの絵本の巨匠・山本忠敬(1916-2003)の代表作『しゅっぱつしんこう!』(福音館書店、1…

建築好きなら読んでおきたい『月刊かがくのとも』10選【工学・技術編】

福音館書店からでてる『月刊かがくのとも』は、1969年4月創刊。対象年齢5~6歳の薄い冊子な…

家財道具との連帯|絵本で読む「モノ」と「ヒト」の関係とその再編

民俗学者・今和次郎(1888-1973)は、敗戦直後の1945年末に出版した『住生活』(乾元社)の冒頭に「生活習慣遮断の体験」という耳慣れないタイトルの文章を書いています。 敗戦直後の日本では兵役や空襲により、これまでそこにあった「物」や「人」のいずれかが欠けて、生活習慣が「遮断」されてしまった住まいが膨大な数にのぼりました。罹災者の声を今はこう書き留めています。 はじめは恐ろしかった体験から興奮状態で無我夢中でしたが二三週間も経つと、いろいろと淋しさが湧いて来る。永年住