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木造建築の語られ方

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木造建築の「語られ方」を観察することで、多様なイメージや意味をまとった木造建築の布置と可能性を探ります。
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2018年7月の記事一覧

木造建築を科学化せよ!|〈創造的代用〉としての新興木構造【2】

戦時下の日本では木造建築も戦争に動員されました。 「飛行機格納庫は物置みたいなもんで戦勝…

隈研吾が50周年記念展示場を手がけた理由|東日本ハウスのジレンマ

木造住宅メーカー・日本ハウスHD(旧・東日本ハウス)の50周年記念展示場はご覧になりました…

構造派のドン?佐野利器を学びほぐす|愛とユーモアと新しいモノ好きと

図1 佐野利器 このダンディなおじさまの写真は、昭和戦前期に建築界のボスとして君臨した…

木造建築を動員せよ!|〈創造的代用〉としての新興木構造

「しんこーもっこーぞー」ってご存じでしょうか。漢字では「新興木構造」と書きます。戦時中、…

建築史家・内藤昌と木割のモダニズム|1950年代、建築モデュール研究と建築史学の復権

『モデュールと設計』という小冊子があります。 日本建築学会が1961年に出版したもので、建築…

自己啓発としての棟梁・西岡常一|最後の宮大工は社会にどう受容されたのか

むかし、中学2年生の国語教科書(光村図書)に建築学者・小原二郎の「法隆寺を支えた木」が掲…

山本学治『森のめぐみ:木と日本人』を読む|1970年代、再評価される「木」

かの思想家・高橋ジョージが詩編「ロード」に書き記しているように、何事にせよ「何でもないような事が幸せだったと思う」ものなのだと思います。 それが当然すぎるほどに周りにあるときには意識することもないわけで、そもそも意識し、ちゃんと語れるような状況、あるいは、そうしないといけない状況になってるときは、もう「それ」は稀少なものになってるのが世の常。 『森のめぐみ:木と日本人』建築技術の歴史を考究しつづけた学者・山本学治(1923-1977)が亡くなる2年前に出版した『森のめぐみ

明るい農村住宅の嫁と姑|戦後農村生活改善の理想と現実

進取の嫁と固陋な姑いつの時代も嫁姑問題はあるもの。 太平洋戦争に突入した翌年に出版された…