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仕事選び、「どんな人たちと働くのか」と「どんな苦労があるのか」

就職サイトをのぞいてみると、業種・職種・勤務地で求人情報を絞り込む流れが鉄板。たしかに膨大な求人情報を絞り込むには、この3つはまず思い浮かぶ項目だろうな。

とはいえ、業種・職種・勤務地の各項目をクリアすればよいかといえば、当然にそうじゃないだろう。じゃあ、どんなことを検討したらいいのだろう。業種・職種・勤務地の次にくる検討項目は、人それぞれ何を大事にするかで違ってきます。たとえば、一部上場企業かどうかとか、給与や休日だったり、研修制度、企業のブランドイメージなんかもそう。

でも、それでいいんでしょうか。以下、就職先選びとは、に関する何のエビデンスもない「~と思う」お話しです。

苦労の種類について知ることは大切

先日、Twitterに「現場監督の仕事」についてのわかりやすい図解を、まついひろきさんが投稿されてて、「ほほーっ」となりました。静岡県浜松市にある共栄建設株式会社で、実際に採用時の説明資料として活用されているのだそう。

現場監督の仕事が、そもそもどんな内容なのか。これはまぁ、当然に説明するでしょう。さらに説明は「求められる力」に及びます。もちろん採用される時点で十二分にこの力が備わっているわけではないにせよ、長きにわたって働いていく過程で、しっかりと磨くことになる力がどんなものなのか。そこんとこをちゃんと合意してほしいという会社側からのメッセージになっています。

そして、一番ステキだなぁ、と思ったのが二枚目のシートで説明される、現場監督を仕事にした際の「オススメな点」と「二の足を踏みそうな点」。前者を説明するのは、まぁフツーだとしても、後者について丁寧に説明する姿勢はとっての大切だと思いました。

そもそも「二の足を踏みそうな点」をはぐらかして巧妙に隠し通し採用に至ったとしても、結果的に「二の足を踏みそうな点」が躓き石となって退職されてしまったら、会社にとっても大きな損失になる。だからマイナスな情報についてもちゃんと合意した上で、その仕事を選んで欲しいというのは、さきほどの「求められる能力」をちゃんと伝える姿勢と共通しています。

実際問題、どんな仕事にだって「二の足を踏みそうな点」は存在する。そして、その「二の足を踏みそうな点」がどのくらいアリなのかナシなのかは、人によって違うでしょう。事務所でずっとパソコンにむかって作業しているのが落ち着く人もいれば、窒息しそうになる人もいるのは言うまでもありません。

就職活動中の学生さんと話をしてて、よく聞くフレーズに「○○って大変なんですよね?」という言葉です。この「○○」には、現場監督が入ったり、建築設計が入ったり、住宅営業が入ったりします。まぁ、「大変なんですか?」と問われれば「大変ですよね」となるでしょう。でも、じゃあ、他の仕事は大変じゃないのかというと、とんでもない。

それこそ、職場で「営業はいいよなぁ~」とか設計担当者が言ったとしても「じゃあ、仕事変わろうか?」といって「ぜひぜひ!」とはならない。逆もまたしかり。やっぱり人それぞれに苦労のストライクゾーンが違う。

だから仕事を選ぶ際には、どんな業種・職種かという切り口も当然に必要なんだけれども、どんな苦労の種類(苦種?)なのかも知ることが大切。他人が口にする「○○って大変」はあてにならない。

どんな人たちと仕事をするのか

あと、職場環境というか、もっと平たく言うと、どんな人たちと仕事をするのかというのも、とっても大事。同じ業種・職種だとしても、やっぱり会社によって、社員のキャラクターは大きく違ってきます。

もちろん、同じ職場内でもいろんなキャラクターがいるんだけれども、それは細分類で見ればの話で、中分類・大分類としてみたら共通した雰囲気がある。積○ハウスと住○林業とタ○ホームで、やっぱり違ってくる。

それは言い方を変えると、すごく圧の強いブラックな風土の職場が、むしろシックリくる人もいるし、全くもってあり得ない人もいる。のほほんとした職場で安心する人もいれば、そんなのトロくさくってやってられなく思う人もやっぱりいるわけで。

そんなこんなで、どんな人たちと仕事をするのかというのは、とっても大事。下手をするとそこさえマッチングできたら、業種・職種が意に沿わなくてもやっていけるんじゃ中廊下とさえ思います。

ちなみに「どんな人たちと仕事をするのか」というのは、職場の同僚に限らず、お付き合いする業者さんや顧客もそう。住宅営業なんかでいうと、扱う住宅の価格帯とお客さまの層(年収から趣味・嗜好、性格に至るまで)はゆるやかに対応しているので、自分がどういった層のお客さまに信頼されるかは成績(つまりは、やっていけるかどうか)を大きく左右したりする。

業種・職種だけでなく・・・

とまぁ偉そうに書き綴ってきたけれども、落ち着いて考えれば、そんなこと当たり前のお話。どんな苦労ならアリなのか、どんな人と一緒に働くのがシックリくるのか。でも、いざ就職活動となると、そんな当たり前の感覚が、なぜか脇に置かれてしまいがちです。

さんざん迷走した挙げ句、検討に検討を重ねて選んだ就職先が大いにミスマッチというケースは珍しくありません。というか、就職活動が模範的だった人が就職してすぐ辞めて、ボンヤリと何となく就職した人が着実に成長したりもします。

ちゃんと選んだはずなのに生じるミスマッチは、実は企業側だってそう。手間暇掛けて度重なる選考をくぐり抜けた人材が、すぐ辞めてしまったり、あるいは期待ハズレだったりすることも多いといいます。

採用する側も、試行錯誤するなかで、変な面接手法(圧迫面接だとか自分を何々に喩えてとか)だったり、業者に売り込まれた試験だったりを活用するなかで、その仕事が、どんな力を磨くことになるのか、どんな苦労が伴うのか、どんな人たちが働いているのか、といった情報を相手に伝えないまま済ませてしまうことが往々にしてあるみたい。

採用する側もされる側も、ともに懸命に努力してるのに迷子になってる状況があるようだ。そんななか、「二の足を踏みそうな点」をわかりやすく提示する共栄建設の試みはとってもステキに思えました。

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