機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星 まとめ

第01話「青い瞳のキャスバル」
本作は『機動戦士ガンダム(1979年04月07日~1980年01月26日)』(以下ファースト)の前日譚である。むしろ、『機動戦士Vガンダム』の時代(ファーストから75年後)に放送された伝記ドラマかもしれない。
本話で、ダイクン家とラル家は没落し、ザビ家が台頭した。もっとも、ザビ家が台頭した理由は、ギレン達家族という名の人材が豊富だったことに由来するわけだが。
ジオンが心臓発作で死ななかったら、ファーストを含む宇宙世紀ガンダムシリーズの歴史は大幅に変わったかもしれない。後付けと言えばそれまでだけどね。
宇宙世紀なら再生医療が大幅に進展しているはずと私は考えた。しかし、ファーストの放送時や本作の原作漫画発表時には、再生医療と言う発想自体が知られていなかったからな…。とにかく未来予測は難しい。
キャスバル(後のシャア・アズナブル)は気丈である。彼がザビ家を憎む最初の原因は陰謀論者であるジンバの洗脳教育に由来する。このことを考えると、彼が不憫に思える。いや、むしろ、彼は最初からザビ家を父ジオンの死に関する八つ当たりの対象にしているのかもしれない。だからこそ、彼はジンバに同調したわけで。
アルテイシア(後のセイラ・マス)は可愛い。彼女の愛猫ルシファも可愛い。
アストライアは余りにも気の毒である。
デギンは老獪で慎重、ギレンは意外と神経質、サスロは優秀(ジオンの死を漏洩した)だがキレやすい、ドズルは善人で、キシリアは冷静で冷徹、そして、ガルマはただの子供である。個人的には、サスロとドズルは「2人で1つ」と私は考える。
ランバは実直である。クラウレは彼の事実上の「糟糠の妻」である。

第02話「母との約束」
本話こそが、シャアとセイラにとっての「全ての始まり」である。実際、キャスバルはエースパイロットとしての片鱗を見せたわけだし、アルテイシアが彼と決別する切っ掛けが生じたわけだし。
キャスバルとアルテイシアはムンゾ自治共和国だけでなく、ダイクン家における権力闘争の敗者でもある…。
ローゼルシアにとって、アストライアはむかつく存在である。
ギレンは囲碁好き。彼の対戦相手は、コンピューターか知人なのかは不明。なお、彼とキシリアの仲はあまり良くない。
キシリアは全裸で寝るが、このシーンは暗くごまかされた。
クラウレは非常に有能な男前女子である。彼女がいなければ、ランバは自分の実力の半分しか発揮できなかったであろう。
もしかしたら、ジンバは初期の認知症に罹っていたのかもしれない。

第03話「エドワウとセイラ」
キャスバルとアルテイシアはテアボロ・マスの養子になり、名をそれぞれエドワウとセイラに変えた。
ジンバはテアボロにもウザがられている。なお、キシリアの刺客により、前者は殺され、後者は生き延びたとはいえ、シュウ・ヤシマの計らいで、テキサスコロニーに移住することになった。
本話がセイラにとって、ミライやアムロとの因縁の始まりである。
アナハイム・エレクトロニクス社は独自の論理で動いている。
ドズルはランバをエキストラ・バンチ ダーク・コロニーに案内し、試作モビルスーツ(MS)の開発現場を見せた。
黒い三連星はランバとは旧知の間柄である。

第04話「さよならアルテイシア」
当時、ジオニズムが台頭し、シャア(本物)もその影響大きく受けていた。
MSは試作段階であった。当然、ランバ達には労働者災害補償保険の類が適用されたよな?
アストライアは病死した。そして、ルシファもその後を追うように死んだ。
アストライアとクラウレは旧知の仲である。
エドワウ達はルウムに移住しても、ザビ家に監視されていた。
ルウムでエドワウはシャア(本物)に出会った。なお、前者と異なり、後者はチャラ男である。
エドワウは後のシャア・アズナブルとしての片鱗を示すことになった。
そして、エドワウはシャア(本物)を犠牲にして、シャア・アズナブルと名乗り、士官学校へ入学した。これが彼のザビ家に対する復讐の始まりである。
セイラは羽ペンで手紙を書いていたが、ファースト放送時では、そのスタッフやキャストはPCやインターネットの登場を予測できなかったからね。

第05話「シャアとガルマ」
ジオン自治共和国(後のジオン公国、以下ジオン)国防軍士官学校(以下同校、サイド3 ガーディアン・バンチにある)で、シャアは頭角を伸ばすだけでなく、卒業時にはカリスマ性も身に付けた。
同校で、シャアとガルマの因縁が始まる。また、重装行軍訓練の時点で、前者と後者の差が明らかになり始めた。当然、前者の方が優位に立っている。
ガルマは取り巻きに囲まれながらも、ザビ家の重圧に押しつぶされそうになっていた。そんな彼にとって、シャアは良き友でありライバルである。一方、シャアにとって、ガルマは潰すべき敵の1人でしかない。シャアがガルマに駐屯する連邦軍兵営を奇襲して武装解除させようと焚き付けたことも、その一環である。
連邦軍艦の事故がジオン独立の切っ掛けになった。たとえ、それがギレンの謀略だとしても。
デギンはガルマを溺愛しているが、その理由は前者が後者を自分の後継者と見做しているためである。ギレンとキシリアは狡猾だし、サスロは故人だし、ドズルは軍事には強いが民政には弱いし。
ミノフスキーはドズルにとっても、MSにとっても「救いの神」である。

第06話「ガルマ立つ」
「暁の蜂起」は成功したとはいえ、一年戦争の発端になったことは、当時は誰もが予想できなかった…。
ガルマはビビりであるが、ヘタレではない。
リノはやはり謀殺される運命にあった。彼のおかげで、シャアは仮面を入手できたけどね。
ドズルは典型的な兄馬鹿である一方、ザビ家における「怒られ役」になっている。また、本作におけるギャグキャラでもある。これが、彼が比較的愚直な性格であることに由来する。
本話がドズルとゼナの最初の出会いとなった。
デギンはギレン、ドズル、および、キシリアは猛々しいと言った、この3人が子供の頃、デギンには余裕が余りなかったらしい。ガルマはこの3人とは年が離れているからな。
ガルマが軍人にならず、学者になったらファースト以降の歴史は大幅に変わったかもな。
本話の時点で、シャアはドズルから嫌われるようになった。
シャアは地球に行くことになった。
テムとアムロはサイド7に引っ越した。

第07話「ララァとの出会い」
本話で、シャアはララァと初めて出会った。また、この出会いは、シャアがニュータイプの力に目覚める切っ掛けになる。
ララァに出稼ぎ女性の悲哀を感じる。カジノ荒らしのおやじの様な俗物ごときが彼女のニュータイプとしての力を利用しても、せいぜいルーレットのポケットの番号当てにしか使えないわな。
ララァにとって、シャアは救いの神である。
シャアは、ジャブロー基地でのモビルワーカーの作業員としての生活を結構気に入っているようである。なんだかんだ言っても、周囲とのしがらみや軋轢は余り無さそうだし。
カジノでの監督の元ネタは安彦良和(以下敬称略)、それとも、今西隆志?
地球連邦(以下連邦)でのRX計画は進行中である。その一方、ジオンはMS-04ブグの実用化に成功させた。そして、これがランバと黒い三連星のMSパイロットとしてのデビューでもある。
MSの運用でも、連邦とジオンでは顕著な差が認められる。連邦:ガンキャノンによる物量攻撃、ジオン:ブグによる機動戦。なお、ガンキャノン対ブグの戦闘で、シャアのブグが大健闘した。
ミノフスキーの亡命は、彼の死で幕を閉じた…。彼の亡命が成功したら、連邦のMS開発は著しく進展したであろう。

第08話「ジオン公国独立」
本話で、ジオン共和国はジオン公国を名乗り、独立宣言した。
本話の時点で、アムロ、フラウ、ハヤト、および、カイ(ただのお調子者の馬鹿)との縁は繋がっている。
当時のアムロは内向的で凡庸な学生であった。なお、彼はテムの部屋にあるコンピューターからガンダムの存在を知った。
テムはアナハイム・エレクトロニクス社の社員になっている。そのため、アムロは地球連邦軍の警備兵から半分誤解に基づいているとはいえ、優遇されている。
カイ達を殴った警備兵の元ネタは、弘前大学時代の安彦良和総監督の仲間を殴った警察官と思われる。
キシリアの謀略は巧妙かつえげつない。
ザクIはコア・ファイターよりもはるかに強いからなぁ。ランバが不快感を示すことは当然である。
ドズルはギレンの命令を受け、アイランド・イフィッシュを使ってブリティッシュ作戦を実行することになった。ランバが軍を辞め、予備役になるのは当然だわ。なお、ドズルは本質的には善人ゆえ、ランバに「共犯者」になってほしかったわけである。当然、ユウキ達アイランド・イフッシュの住人は自分たちの末路を今わの際に知ることになる…。
ちなみに、作中には登場しないとはいえ、シーマ・ガラハウもこの作戦に関わっていた…。

第09話「コロニー落とし」
オープニング・テーマが「BEYOND THE TIME ~メビウスの宇宙を越えて~」に変更されたから、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の時代を示唆するカットが欲しかったね。
ブリティッシュ作戦は本来の目的である地球連邦軍総司令部ジャブローの破壊に失敗したとはいえ、地球総人口の約半数である約25億人を死に追いやった…(感染症の大量発生や飢饉等の二次災害の犠牲者を含む)。なお、この作戦は後世において、ジオン公国に悪の烙印を押しただけでなく、ティターンズ出現の遠因になった…。なお、ユウキやロザミア・バダムのこの作戦の犠牲者である。
ギレンは単に「戦争に行かせる者の責務」を果たしているだけに過ぎない。その様な彼にデギンは憤っている。一方、ただの暑苦しい親馬鹿に過ぎないドズルは「力こそが正義」と考えるようになった。
ジオン公国首脳陣、特にザビ家の者は敗戦したら、戦犯として処刑されるからな…。
サイド5 ルウム 首都バンチ ミランダでは、ジオン派と連邦派が対立している。
ミランダで医学生になっているセイラは、タチ中尉から兄キャスバル(シャア・アズナブル)が生きているらしいことを知った。
シャアと黒い三連星は犬猿の仲である。
ランバは只の飲んだくれ。
ルウム戦役が始まる。

第10話「赤いモビルスーツ」
シャア(本物)がエドワウの替え玉にされて死んだことに気付かずに、テアボロは亡くなった…。セイラはこの件を伝えることはできなかった…。
テキサスコロニーにおける連邦派暴徒による襲撃が、セイラを「女傑」に変えたわけである。
シャアはセイラの身を案じてはいるのだけどね。
クラウレは気を鎮めるときに、ピアノを弾きながら歌を歌う。
ガルマはデギンの下で勉強中。
レビル将軍は有能な将軍である。
艦隊戦では、連邦軍はジオン軍よりも有利である。しかし、MSの出現により戦局は著しく変わることになる。
シャアは自分のザクIIの安全装置の電源を敢えて切ることで、その性能を極限まで引き出している。

第11話「ルウム会戦 」
ルウム戦役(以下同戦役)での艦隊戦では、連邦軍はジオン軍よりも有利であった。しかし、後者のMSにより、戦局は著しく変わった。その結果、同戦役では後者が前者を圧倒した。
同戦役では、シャア・アズナブル+指揮官用ザクIIと黒い三連星+ザクIIが大活躍した。特に後者はレビル将軍の拿捕に成功した。
言い換えれば、MSが戦争に大きな革命を齎したわけである。
ミノフスキー粒子により、レーダーが使えなくなった影響は余りにも大きすぎる。
高機動型ザクII オルテガ専用機のジャイアントヒートホークは見応えがある。
何だかんだ言っても、シャアは結構面倒見がよい。
ドズルは熱血というか、暑苦しいというか。基本的には礼節を弁える人からな。
ギレンは指令室で居眠りをしたのかな?なお、彼は連邦軍の人命尊重主義という体質を見抜いている。
リュウは悪運が強い。

第12話「赤い彗(すい)星のシャア 」
本話はファースト第-(マイナス)01話である。
ギレン対キシリアの確執・対立は本話で本格的に生まれたわけだし。また、ガルマ(ムキになりやすい)はシャアに本格的に対抗心をむき出しにしたわけだし。
ガルマは苺ショートケーキが好きである。
オルテガはお調子者である。
マ・クベは軍人ではなく、美術館の学芸員になれば、長生きできたのかもしれない…。
政治家であるデギンと武官であるレビルの間にある壁は余りにも厚くて高すぎる…。
文化系であるマ・クベと体育会系であるドズルは水と油だからな。
ドズルはシャアを使って、V作戦を潰そうとしている。
シャアはMSパイロットであることに拘っている。
キシリアは黒幕として、レビルの臨時捕虜収容所からの脱走に関わっていたらしい。
ズムシティ公王庁舎はどう見ても前衛建築である。

第13話「一年戦争」
本話はファースト第00話である。
シャアがレビルをわざと見逃した理由は、「デギンやキシリアの顔を立てる」ためと思われる。
スコット・シティーで南極条約(以下同条約)が休戦条約として締結されることになった。しかし、レビルの「ジオンに兵なし」演説(要は啖呵)により、同条約は戦時条約として締結された。
当然、彼の演説に、デギンはキレた。そのせいか、マ・クベは中将から大佐に降格された(泣)。
なお、レビルの予言は結果的に当たったわけである。
ドレンは良くも悪くも素直だからなぁ。
ガルマはハリウッド映画(本作の世界では古典映画である)のファンかもしれない。
テムは彼なりに、アムロのことを気遣っているのだけどね…。
アムロがガンダムの件を知っていることにケンプは気付いた。その後、防諜担当者を使って、テムが自宅(部屋は結構汚い)に持ち帰っていた資料や機材の全てを回収した。当然、アムロはケンプに確り絞られた。
カイはアムロを恨んでいる一方で、アムロはカイを相手にすらしていない。
当時「無医コロニー」であるサイド7にセイラが行くことになった。目的は兄であるキャスバル(シャア)を探すためである。
ブライトは当時、普通に使命感に燃えていた。

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