君のピアノと臆病者たち

久しぶりに九州出身の同期で集まろうよ、と声をかけてもらったので、ここ2年なんだかんだスルーしていた年末帰省、今年は帰ることになった。今回も飛行機でnoteを書くという謎の習慣でキーボードを叩いている。

結構大きな会社なので、地方出身で固まることって大事なんだろうなと思って内定時代から積極的に交流を仕掛けてきたけど、今も続いていることは嬉しい。配属されてからはみんな勤務地が離れてしまって、年末にみんなが帰省したタイミングが1番集まりやすかったりする。

表題の「君のピアノ」とは僕が学生時代に作った曲名であり、とけてなくなるという名前の音楽プロジェクトの3枚目のアルバム名でもある。これがまたいい曲なんだ。聴いたことがないひとは聴いてほしい。ピアニスト、音楽家の古賀小由実とのコラボレーションだ。

とけてなくなる-君のピアノ

このソロプロジェクト、就職して関東にきてからどうも手が進まず、かといって興味ないわけでもなくて大切な自分の音楽をやるための場所なんだ。自分を奮い立たせるためにHPをリニューアルしてドメインも取得した。少しずつ、少しずつ、また動いていきたい。まずは、昔の自分のために、やりかけたアルバムを作りきるよ。

http://toketenakunaru.com/

そして表題の「臆病者たち」は友人の書いた小説から抜粋した。考え方、感性が近く、仲良くしてる友達、小説を書いてみたいと昔から言っていた。僕はいつものように無責任に絶対書いて!やれる!書いて!と言い続けてきて、はじめて見せてくれた。そしてそれが「君のピアノ」を聴いて浮かんだ情景もヒントになっているというのだから、これほど嬉しいことはない。

その文章の全文はここに載せることもないし、いつか誰かが見られる形になるかもわからないので、極めて個人的なラブレターになってしまうが、まぁ、いいよね。一部抜粋しながら、君のピアノとのコラボレーションを味わっていきたい。

3歩先で息をするその青色を、飽きること無く眺めていたいと思った。
「海を見に行こう」

冒頭からこれだよ。君のピアノは海をモチーフにした楽曲というわけではないのだけれど、アルバムに「海が見える」という曲が収録されていることと、このCDの裏ジャケットが気が遠くなるような海の写真なんですね。まさに海は、僕にとっても「飽きること無く眺めていたい」存在。そして、大切なひとと見たい存在。

掠れた声が音を紡いで、落ちる。唇から溢れるメロディはいつかの日と同じ音の羅列。

このへんは君のピアノのメインフレーズである「君のピアノ 少し軽いリズムであの日を駆けていく」に通ずるものがありますね。いつかの日と同じ旋律が、今流れて、今を駆けて、あの日まで遡っていく。

いつだって、自分の手を引いて、3歩先を歩く凛として姿が、好きだった。

これは「いつまでも君の背中を見ながら 落ちていく 窓から見える夕日と」の、君の背中を追う部分がリンクしてるのかな、と感じました。面白いのが、歌詞のストーリーを忠実に再現した小説ではまったくなくて、情景、雰囲気、目線、そういったところを少しずつ拾い上げて、まったく別のお話を作っているところなんですね。だから、まったく別物だし、君のピアノを聴いて思い浮かんだところから書き始めたなんで言われなければまったくわからないわけです。

でもそういう形で、コラボレーションとかいいつつ、明に言えるような関連性はないけれど、自分の作品に書き落とした自分の感性が、友達の感性を通じて別の文章にアウトプットされるって最高に楽しい遊びで、ところどころにリンクした部分を感じるともうニヤニヤが止まらないですね。

短い短い、儚い恋物語は、青い海と防波堤、そして整理できないまま諦めへ言い聞かせる登場人物の心が美しく描かれていました。いつか、歌詞も書いてもらいたいな。今度こそ、とけてなくなるでコラボしよう。

僕は音楽が好きだけれど、音楽よりは、誰かと何かを一緒にすることが好きみたいです。1つと同じひとはいない人間同士で、何かをやる、何かを成し遂げる、何かを作り上げるのが好き。

僕はメロディと言葉を紡げる。絵でも言葉でも楽器でもなんでもいいから、なんでもいいから、何か一緒にやりましょう。僕という人間に興味を持ってくれたひとは、何か一緒にやりましょう。

2017年こそは、とけてなくなるで新しい音楽を生み出せますように。

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