FF16をクリアした感想(ネタばれあり)

FF16が発売され早2週間。ひとまず1週目をクリアし、ある程度感想も整理がついてきたのでまとめてみようと思います。

感想

結論
個人的感想としては要点として以下でしょうか。

  • スタッフがFF14でやりたくてできなかったことを盛り込んだ作品

  • ストーリー, 戦闘,その他どこかで見たことのあり新鮮味が薄い

  • 細かいところでストレスがたまる

  • やっぱり新規IPでよかったのでは…

サブクエスト、リスキーモブ、どちらも出現した時点でクリア、並びに討伐を実施したうえで、エンディングまでに要した時間は1週間ほどでしょうか。それなりに時間はかかりましたが、カットシーンの多いこと多いこと……

それはともかくとしまして。

一部で酷評されているほどひどい作品ではないのですけれど、かといって「FINAL FANTASY」の最新作として手放しで面白いかと言えば……という感じですね。よくも悪くもFFのナンバリングでなくてよかったのでは、というのが正直な感想です。
開発陣が作りたいものを作った、ということを端々から感じます。強いて言うのであれば、FF14ユーザ向けに作った、というところでしょうか。FF14のワードが多々出てきます。FF14をプレイしていない既存のFFファンには、ちょっと向かないでしょうね。
振り返ると、私には合わなかったという点も踏まえて、ネガティブなコメントが多くなりましたが、最新の「FINAL FANTASY」として見ると、というところになると思います。これが新規IPであれば、次回作に期待できる出来、という感想です。

まず、これだけは言っておきたいことです。今作アイテムが取得できるポイントが光っています。立ち寄ってみると2ギル入手、5ギル入手……誰が考えました、これ。あと、最後の最後のQTEとその結果がださい。

FF14との類似性

メインとなるストーリーがクエスト扱いで受注、完了を繰り返すして進行。ダンジョンは基本一本道で広場に出ると敵がいて戦闘、途中でウィルゲージを持つ中ボス的な存在との戦闘が何回かあり、最後にボス。ゲームデザインがほぼほぼFF14、及びインスタンスダンジョンと同じですね。
さらに装備のレア度の色分け、サブを含めたクエスト進行中に、特定エリア内でのポイント探索、カットシーンで腰のあたりをがさごそしてアイテムの受け渡しをする、その他モーション、一部ボスの攻撃などなど……体験版の感想のときにも言ったように、最新のFFをやっているのではなく、FF14のオフライン版をやっている気がしました。

ストーリーと世界設定

ストーリー

内容としてはよくあるものですね。スクエニ的には最初浮かんだのが「NieR Replicant」かな、と。復讐劇・アナベラの個人欲求と政争、国家間対立、マザークリスタルと黒の一帯、ベアラーと魔法と、詰め込みすぎたところがあると思います。展開はわかりやすいですし迷いませんけどね。ライトユーザー向けなのかもしれません。

このキャラクターがいてこういう行動をするからストーリーが進む、というわけではなく、ストーリーありきでキャラクターを動かしている、という印象です。あとは展開が読める、アルテマの登場が早すぎ、唐突に5年経過する、中盤若干支離滅裂などなど……吉田氏が「ストーリー全振り」と発言されていただけに、そういった点が気になってしまいますね。1つ目のマザークリスタルを破壊するあたりまではダークファンタジー路線を走っていたものの、それ以降ちょっとぶれた感じもします。ラスボス戦あたりは、どこぞの少年漫画かと……

隠れ家や、街・村にワンポイント的に調べるところがあって、料理の内容などちょっとしたことから世界に触れらるのは楽しかったです。ラストバトルでアルテマがFF3の召喚魔法の技を使っていたことも、FF3が好きな私としては懐かしかったですね。

巷では「ゲーム・オブ・スローンズ」に似ているとのこと。私は、原作である「氷と炎の歌」の和訳版(第3部まで)を読んだことはあるもののかなり昔のことですし、ドラマは見たことがないので、似ているかどうかは判断できません。

キャラクター

バイロン叔父さんがいいキャラクターでした。メインヒロイン。あとはタルヤ・ミド・ガブが好きですね。NPCキャラクターがいい味を出していました。

ラブシーン

バルナバスとベネディクタ、クライヴとジル、バルナバスとアルテマ。これらのシーンで、2人が裸である必要ありました?特に3つ目。クライヴとジルは海水で濡れたから、という理由で納得もできますけれど。

あと個人的にきつかったのが、ディオンとテランスのキスシーン。完全に不意打ちでした。同性愛を否定するつもりは一切ありませんが、そういうコンテンツが苦手なので近づかない私にとっては……そもそも、必要でした?テランスがストーリー上きわめて重要なキャラクター、というのであれば理解はしますが。

多少のラブシーンは今までのFFでもありましたが、こうも露骨にされるとちょっと引きます。FFでやる必要もあったのでしょうか……これこそ、まさに開発がやりたくて盛り込んだ、という気がします。

サブクエスト

基本的に「+」表記のないクエストはやらなくてもよい内容。世界設定に多少の深みが出ることは出るのですけれども、報酬面と手間が釣り合っていないといいますか……お使いなのはよいのですけど、例えば「特定アイテムを3個もってこい」の場合、3か所調べる必要があるのですよね。このあたりもFF14そのまま。やはり、オンラインゲームの作りになっています。

最終局面で発生する一部サブクエストには、エンディングの解釈に影響が出ますのでやったほうがよいですね。あれをメインになぜ入れなかったのかが少々謎。

バトル全般

難易度

アクションフォーカス、オート系アクセサリなしでクリアしました。一部ボス技でタイミングと攻撃範囲がつかみきれず苦労したこともありましたが、それでも特に問題なくクリアはできましたね。召喚獣のアビリティを組み合わせてコンボを作るのは楽しかったです。
リスキーモブも登場した時点の装備とレベルで問題なく倒せます。一番最初のSランクモブ「アトラス」が楽しかったですね。あとはストーリーで出てきたボスに技が少々追加されたモブがほとんどです。

欲を言うのであれば、アビリティセットのように登録して、システムメニューに入ることなく切り替えることができればよかったですね。ボス戦と雑魚戦で使うアビリティは変えたかったですし、システムメニューから使えるのもひと手間かかりますから。アビリティの強化、リセットも絡んできますし。そうそう、APはもうちょっと入手できるとよかったです。

回避・パリィのタイミングが、ほかのアクションーとちょっと違っており、判定が早いように感じました。特に縦攻撃のタイミングがつかみづらかったです。

ビルド要素

召喚獣のアビリティをどう組み合わせるか、というのがビルド要素でしょうか。かなり十人十色な組み合わせになると思います。

装備も一応作成・強化できるものの、レア度の高い装備(枠が紫・黄色)を作成すると、当面それを使い続けられます。一般的な素材は大量に手に入るものの、あまり使いませんね。使用するのはリスキーモブから入手できる素材が多いです。

画面の明るさ

暗い戦闘(特にボス戦)が多いのは確か。暗いエリアが多い中で、黒い格好のクライヴ、大きなボスのためカメラが自動的に引くことになり、どこにいるのか見えづらくなることもありました。

バルナバス戦における、イフリートvsオーディン戦のQTE後の2戦目、狭い、暗いの二重苦です。

1.03で明るさ10がデフォルトになったそうですが、そうではないでしょう……

エフェクトとカメラ

クライヴを含む攻撃のエフェクトがまぶしい、かつ派手すぎるのが困りものでした。エフェクトでクライヴやボスの動きが見えづらくなっているのですよね。時には完全に見えなくなっていました。
特にアルテマ・リズン戦。背景とあわせて非常に攻撃と範囲が見づらかったです。

LBすると画面の端に炎のようなエフェクトがはいって視認できる範囲が狭くなるのも難点ですね。

カメラに関しても、LBを使用すると逐一クライヴ正面になる、一部アビリティにおいてカメラ位置が固定される、突進技でカメラ外にボスが移動するなどちょっと不満が多かったです。1.03で若干改善されたようですけれども。

召喚獣バトル

売りにもなっていた召喚獣バトル。カットシーンは確かに見応えがありました。迫力、演出ともに怪獣バトルというは言いえて妙です。一方でイフリートを操作する実際の戦闘は、ちょっと冗長に感じましたね。
例えば、タイタン戦ですと以下の流れで、最初のカットシーンから次に自由に動かせるになるまで、戦闘時間にもよりますが40分以上の時間がかかります。

  1. カットシーン

  2. タイタン戦 1

  3. カットシーン

  4. デビルタイタン戦

  5. カットシーン

  6. タイタン戦 2

  7. カットシーン

タイタンとの戦闘だけで合計3回、加えて戦闘ごとに満タンのHPを削る必要があり、緊張感よりも徒労感が出てきます。戦闘中にもカットシーンが割り込んだりしますからテンポも少々悪いです。加えて、イフリートの操作は単純化されていますから、どうしても作業感がでてしまいます。

バハムートに至っては合計4戦あります。うち1戦は、こういってはなんですが、出来の悪いシューティングです。第3形態になると少々だれきましたし、第4形態にいたってはまだあるのか、という気持ちでした。

当初、召喚獣戦は45分あったそうですから、これでもカットされてはいるようなのですけれども……HPゲージは全体で1本、特定のところまで削ったら次フェーズという形であれば……というのが正直な感想です。
https://news.denfaminicogamer.jp/interview/230522w/2

属性

属性も状態異常もない今作。やっぱり今一つものたりないですね。召喚獣や魔法の説明でも「8つの属性」と言われているだけに余計。

状態異常もなくモルボルの臭い息もただの攻撃になっていました。

没入感

吉田氏がよく「没入感」というワードをあげていました。「没入感が落ちるためミニマップは不採用」などですね。理由としてはミニマップがあるとそればかりを見てしまう、とのこと。確かにわからなくもないのです。ただ、現在地や方向、ルートなどを確認するためにエリアマップを開く必要があるのですよね。特に確認したくなるのがサブクエストを進行するとき。マーカーは出ているますから方向はわかるものの、場合によっては段差をのぼるなど迂回する必要もあり、そのたびにエリアマップを開くのは没入感がそがれるのではないかと。単純にオプションでオフ・オンできるとよかったですね。

なお、エリアマップのないダンジョン内ではL3で進行方向を確認できますし、そもそも一本道なので迷うことが基本的にありません。ですので、ダンジョン内での没入感のためになくしたというのであればちょっと的外れなかなとも思います。

また、バトル報酬、クエスト報酬の表示も没入感という点から見ると不要だったように思います。バトル終了→報酬画面→カットシーン→メインクエスト完了→報酬画面と、途切れる感じがするのですよね。その報酬画面も、獲得できる報酬(経験値・AP・ギル)がカウントアップして、それを既存の値に追加することによるカウントアップという2回の処理が走るから、さらにテンポが悪くなっています。

特にアルテマ戦。報酬ないのに表示する必要ないでしょう。

BGM

不思議なほどに印象が残っていません……もともと祖堅さんの曲は、私にとって両極端に印象が分かれることが多いのですが、今回は残らない部類にはいったようです。いくつか覚えているのは、FINAL FANTASYのメインテーマをアレンジした曲でしょうか。

小さなストレス

  • 扉をあけるのに×+R2のQTE

  • チョコボを呼んだあと、逐一×で乗らないといけない

  • チョコボに乗っている際にキャラクターのセリフがはいるとスピードが落ちる

  • 森や湿地などで、木の枝、岩などの障害物にチョコボがひっかかると鳴き声をあげて停止する

  • システムメニューを開いた際に、前回ワールドマップを開いていると、若干の読み込みが入る

  • ワールドマップ上で十字キーでもカーソルを動かすことになる(移動したい拠点を直接選択できない)

  • 街中でダッシュができない

  • フィールド移動中ダッシュするまでに時間がかかる

  • チョコボでのダッシュでR2に重みがかかる(アダプティブトリガー)

  • バトル中のカットシーンはスキップできない

  • バトル中のQTEが煩わしい……

その他

80人で4時間

旧FF14でやらかしたことを、今作の開発陣がやらかしたような気がします。
「そこに映るベッドひとつについてだけで、80人ほど参加しているオンライン会議で4時間ぐらい話し合いました」
(https://www.famitsu.com/news/202306/22305181.html)

チョコボ

やっぱり馬と呼ばれるのが謎。理由は以下の記事で前廣氏が述べてはいるのですが、若干意味不明。チョコボが重要なら「チョコボ」と呼ぶのでは……?そもそも英語版では「Chocobo」となっています。

この説明を読む限りでは、「馬」が先か「チョコボ」が先かは不明。ゲーム内のチョコボの説明では、「馬としての乗用、馬車の牽引や農耕、食用」とのこと。「馬」と称するのであれば、その肝心の「馬」がいないとその呼び方はできないはず。ただ、ゲーム内では1度たりとも「馬」の存在を見かけませんでした。
文化的に当たり前に馴染んでいる、ということであればなおさらチョコボと呼ぶように思えます。チョコボのことを馬と呼んだことも、クライヴの少年時代以外では見かけなかったような……馬具という表現はありましたか。

お年寄りが、家庭用ゲーム機をすべて「ファミコン」と呼ぶようなもの、と考えればまぁ……その場合でも元になる「ファミコン」があったからそう呼ばれるのであって……

もっとも、英語版のチョコボの解説では「steed(乗馬用の馬)」というワードも出ていますから、まぁ、馬なのですかねぇ……

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